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万九千神社〜島根県出雲市斐川町


万九千(まんくせん)神社


【所在地】

島根県出雲市斐川町



【由緒と歴史】

万九千神社は、神在月に全国の神々が最後に滞在する神社。

八百万神は、出雲大社、佐太神社などの複数の出雲の神社に滞在し、神議(会議)をする。

万九千神社は本殿がない。

玉垣で囲まれた高さ約3mの「磐境神籬(いわさかひもろぎ)」が、万九千社の拝殿の裏にある。

磐境の周りを御神木の神籬が囲むように植えられている。

磐境とは、神様の*依代(よりしろ)の岩のことで、岩そのものが信仰の対象となる。

神籬とは、神社や神棚以外の場所で、神様を迎えるための依代。

万九千神社には、同じ敷地内に「立虫神社」の社殿が建てられている。

立虫神社は、この地区の氏神様。

1670年〔江戸時代前期〕、斐伊川の中洲に鎮座していた立虫神社は、洪水の影響により、現在の万九千社境内に遷された。


*依代:神霊が寄りつく・降臨するもの。


佐太神社についてはこちら⏬



【万九千社】


万九千社(まんくせのやしろ)
〔通称:万九千神社〕


[御祭神]

櫛御気奴命(くしみけぬのみこと)
*熊野大社(島根県松江市)の主祭神。

大穴牟遅命(おおなむちのみこと)

少彦名命(すくなひこなのみこと)

八百萬神(やおよろずのかみ)

万九千社
鳥居の奥の外に磐境神籬がある
奥に見えるのが磐境神籬
万九千社の裏


櫛御気奴命を祀る熊野大社についてこちら⏬



【立虫神社】


立虫(たちむし)神社


[御祭神]

五十猛命(いそたけるのみこと)

大屋津姫命(おおやつひめのみこと)

抓津姫命(つまつひめのみこと)


[配祀神]

大名牟遅命(おおなむちのみこと)

伊弉冊大神(いざなみのおおかみ)

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立虫神社
鳥居の奥:立虫神社
鳥居の右側:万九千社



【不思議な体験】

旅伏(たぶし)社に手を合わせ、目を瞑ると、光のシャワーが見えた。

島根の旅は今日で終わりだけど、この旅が良き旅になることを祝ってくれているのかな?

旅伏社


万九千神社を出ようとすると、太鼓の叩く音が聞こえ、祝詞奏上が始まった。

太鼓のリズムに合わせてた祝詞は、初めて聞いた。

祝詞の内容は読み取れなかったが、通常の祝詞とは違うように聞こえた。

祝詞が始まると、なぜか、涙がとめどなく溢れた。

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【おわりに】

10年前に仕事の出張で出雲を訪れた。

その時の出雲は、山と田んぼに囲まれ、自然豊かで、のどかな町だった。

今回出雲を訪れると、商業施設やアパートが建ち並び、道路が整備され、というよりも広い道路ができていた。

「自然豊かな出雲はどこに行ったのだろう?夢でも見ているのかな?」

私は浦島太郎状態になった。

万九千神社の周辺も、新築の家が建ち並んでいた。

急激な宅地開発で都市化が進み、神社周辺の歴史的、自然的景観が大きく変貌しようとしている。

万九千神社は、神社の景観と鎮守の森の風景を守る為、基金御奉賛のお願いをしている。

日本は木があったから、生き残ったのだと思う。

素戔嗚尊も子どもたちと一緒に植林をしていたようだ。


素戔嗚尊の子「五十猛命・大屋津姫命・抓津姫命」と、植林についての詳細はこちら⏬


コラムか本を書いてみたい📝