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紙が変われば、色も変わる

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は当たり前だけど、並べてみると違いが分かって楽しい紙のお話。

たくさんの紙

紙。
なんだか心惹かれる言葉。
書く、描くことが好きな人間にとって、とても身近であり、とても深いアイテムです。

紙そのものにも、様々な特性があります。
色がついていたり、繊維が残っていたり、塗りがキレイに出たり、逆にムラになったり。
なので、その上に乗る色も紙によって変化してきます。

紙が変われば、色も変わる。
当たり前のことですが、一度に大量の「同じものが印刷された種類の違う紙」を見ない限り、あまり意識しないことでもあります。

色見本カードに面白いものが

インク沼にひたる人間は、いろんな紙にインクで書いて色見本を作ります。
インクがどんな表情を見せるかを楽しむが目的。
※もちろん、正しく色を得るためという目的もあります。

いつものインク紹介はmidori MDペーパー、個人用の色見本帖にはツバメ中性紙フールスのインクカードコレクションを使っているのですが、先日浅草のTAGさんで面白いインクカードを発見しました。

3種の紙のインクカード A / B

3種類の異なる紙が入ったセットで、AとBの2種類があります。
両方買うと、6種類の紙でインク色の違いを楽しめるという優れもの。

Aには、コンケラーレイド(ハイホワイト)、OKフールス[純白]、クリーム帳簿


Bには、バンクペーパー、マシュマロCoC、イーストリー

薄いながらも白際立つ紙もあれば、クリーム色の紙もあったりと、見てるだけでも楽しいですね。

表情が異なる紙

ということで、早速書いていきましょう。
使うのはSAILOR四季織の『藤姿』。

A-1. コンケラーレイド(ハイホワイト)

レイド(縞)模様のステーショナリーペーパーです。
しっかりした書き味。筆で塗ってもおすすめ。

同封の説明カードより
素直な発色。やや青みが出る? 水で薄めた時の紙の質感が楽しい!


A-2. OKフールス [純白]

国産の高級筆記用紙です。
なめらかな書き味でありながら書き心地も感じられます。

同封の説明カードより
定番中の定番。自分的に「基準の色」です。


A-3. クリーム帳簿

長時間筆記しても目に優しいクリーム色の帳簿用紙です。
なめらかな書き心地で快適に書けます。

同封の説明カードより
クリーム色の目立つ子。優しい書き味で、青が少し分離します。


B-1. バンクペーパー

銀行業務のために作られたハリのある紙です。
独特な風合いが魅力。なめらかで遷移を感じる書き味。

同封の説明カードより
薄くて白い紙。6種類の中では、一番色の変化の大きい紙でした!
『ゆらめくインク』で書くと表情の変化が楽しそう。


B-2. マシュマロCoC

国内トップクラスの白さを誇る紙です。
さらさらでなめらかな紙質が魅力。優しい書き味。

同封の説明カードより
マシュマロも有名ですね。OKフールスと並んで、色の出方が分かりやすい基準の紙。
OKフールスと比較すると、やや青が見え隠れしますね。


B-3. イーストリー

目に優しくインク色も映える淡クリーム色のさらさらな紙。
軽いうえに書き味もしっかり感じます。

同封の説明カードより
こちらも薄っすら色がついた紙。発色も素直で、書き味もよく、好きな1枚でした。


並べて比較

1枚ずつご紹介しましたが、並べてみるとこんな感じ。
同じインクで書いたとは思えない色の違いが生まれています。

たくさん紙を揃えなくても、小さなパッケージで違いを楽しむことが出来るのがメリットでしたね。
各30枚ずつのパッケージなので、150色以上もインク持ってると、全部の色見本を作ろうと思うと、懐に優しくないですが…。笑

面白い紙なので、明日は『ゆらめくインク』で試してみようかな。


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