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夏を制する者ではない。時間を制する者が、受験を制するという話。

「夏を制する者は、受験を制する」

昔から受験業界で言われている言葉だ。誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。でも果たしてこれは本当だろうか。塾業界の年間売上高に直結する夏期講習の集客のために都合よく使われているだけではないだろうか。

ハッキリと言おう。受験生にとって最も大事なのは夏じゃない。時間だ。

受験は時間との戦いである。特に、中学内容をすべて履修し終えてからようやく受験勉強モードに入る高校受験は、中学受験や大学受験よりも短期決戦になるため、限られた時間をどう使うかがダイレクトに合否に直結する。

塾業界の年間売上高には一切影響を与えない宣伝文句になってしまうから誰も大きな声で言わないけど、夏よりも日々の時間をどう過ごすかの方が、受験生にとってはるかに大切なのはどう考えても明らかだ。

なので、ここで高らかに宣言しようじゃないか。

「時間を制する者は、受験を制する」

【ポイント①】大きくまとまった時間を作る。

時間を制するためにまず意識して欲しいことは、大きくまとまった時間を意識的に作るということだ。

成果を出す勉強をするために必要なのは、2時間や3時間ような大きくまとまった時間であって、10分20分のような小さな細切れの時間での勉強ばかりでは、期待する成果を出すことができない。

例えば、30分の勉強時間を1日に6回割り当てるのと、3時間連続した時間を1回勉強にわり当てるのと、どちらも総勉強時間は180分で変わらない。でも、受験勉強においてより成果が上がる勉強ができるのは、3時間の連続した時間の方である。

受験勉強は1つのことをするのにとにかく時間がかかる。過去問を1つ解くにも、苦手単元1つ仕上げるにも、まとまった時間がじっくりと向き合うことが必要で、30分やそこらの細切れの時間でできることではない。そしてそのような勉強こそ、模試の偏差値を引き上げ、合格に近づいていく。

【ポイント②】大きな時間の枠組みでは成果に直結する勉強をする。

大きくまとめた時間の枠組みでは、必ず「成果に直結する勉強」をしよう。

成果に直結する勉強とは、過去問や入試演習を解いたり、苦手単元に腰を据えてじっくり取り組んだりする勉強のことだ。

せっかく時間を大きくまとめたのにも関わらず、その時間の枠組みの中でその時間でなくてもできることばかりをやると、なかなか成果は出ない。

例えば単語や漢字の書き取り練習や単純暗記を大きくまとめた時間の中でやってしまう人がいるが、そのような勉強はわざわざ大きな枠組みの中でやらなくても10分20分ほどのスキマ時間でいくらでもできる。

受験勉強で大事なのは、受験当日までの限られた時間の中で、最大限の成果を出すことだ。繰り返すが、最も成果に直結するのは、過去問や入試演習を解いたり、苦手単元を仕上げる勉強であり、勉強のゴールデンタイムでもあるまとまった時間をそこにしっかりと割り当てることこそ最も効率的だと言える。

〔ポイント③〕予めスキマ時間でやることを決めておく

大きく時間をまとめようとしても、どうしても発生してしまうのがスキマ時間。大きな時間ではないからと、スキマ時間を勉強に割り当てないでいると、当然総勉強が減ってしまう。

スキマ時間は時間が少ない。スキマ時間が発生するたびに毎回さて何をやろうというところから考えていては、考えている間にスキマ時間が終わってしまう。

なので、あらかじめスキマ時間でやることを決めておくと良い。電車の移動時間は単語帳、塾の授業前の待機時間は漢字練習、10分程度のスキマ時間は社会の年号暗記など、やることを決めておき、さらにはスキマ時間用の勉強グッズをいつも持ち歩いておくと、スキマ時間を有効に使うことができる。

まとめ

このように、まずは時間を先に作り、できた時間の種類によってやる内容を考えると、成果の出る受験勉強ができる。

毎年受験生を観察しているが、勉強しているつもりなのになかなか成果の出ない人は、まず時間の意識がない。どんな時間に何をするのが効率的なのかを考えず、まとまった時間でひたすら計算練習や年号暗記をしていたりなど、内容がチグハグなことをやっている。

一方で成果を出す受験生は、やはり時間の使い方が上手い。まとまった大きな時間の枠組みの中で、今自分に必要な課題をじっくりと腰を据えてやっている。

受験勉強は脇目も振らずがむしゃらに勉強すればいいってものではない。有限資源である時間をいかに有効活用するかを考えて勉強しないと、一生懸命勉強しても成果は出ない。

冒頭の言葉をもう一度言おう。

「時間を制するものが、受験を制する。」

人より才能がなくても心配いらない。その分人より上手に時間を使えるようになれば勝機はいくらでもある。

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