ミステリー小説コフィン・ダンサーを読んだ。この作品を読もうと思ったきっかけは面白い物語を作りたいと思ったからである。
ぴこ山ぴこ蔵さんの面白い物語の作り方を読んでその中で紹介されていたからだった。
　
　読み終わった時に感じたのは、この作品は面白い物語の教科書のようだった。すなわちどんでん返し、伏線、物語りの構成、ロマンス、キャラクター性などありとあらゆる要素が素晴らしいクオリティだった。

　少し調べた限りだとこれはシリーズ物の二作目にあたるらしいが、一昨目と言われても問題がないほどこの一作品だけで完成している。

　中でもテンタメ物語の一番大切などんでん返しは鮮やかに騙されたー、と思って清々しさすら感じました。

　なるべくネタバレなく書きますと、半身不随の元鑑識が恐ろしい殺し屋を捕まえるために、現場に残された微細な証拠のみを頼りに捜査していくという物で、チームには個性豊かな仲間たちが必死に現場を駆けずり回るというもの。相棒でありヒロインの現役巡査が走りまわり犯人の正体に迫っていく。

　主人公の頭脳も凄まじいが殺し屋の人の心理や動きを予想した罠や、攻撃が次々に襲いかかる。

　ミステリー小説と聞くとゴニョゴニョ推理を長話されるイメージがありますが、この小説にはまったくなく、息をつかせないままに次々と殺し屋が仕掛けてくるのでアクティブに頭脳戦、現場での物理戦と読者は展開の目まぐるしさにいつの間に張られた伏線に、あっと言わされて立ち尽くしてしまうはずです。

　キャラクター達も個性が強く、いろんな角度での対立がありそこも非常に見どころがあります。色々な分野のプロフェッショナルが登場しますが、どこか人間性やら人生にやら問題を抱えていてなんだか好きになっちゃう登場人物ばかりなんです。その人達の対立見ているだけで楽しくなってしまいます。

最後に作品の中で好きなセリフ紹介して終わります。

『悪のない人生なんてつまらないだろ？』