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コミュニケーション能力って何?

今回は採用要件によく書かれている「コミュニケーション能力」について書いてみます。

よくある勘違いとして「話すのが上手な人」が挙げられます。
本当にこれが勘違いというか、大間違いです。
採用要件に書かれている「コミュニケーション能力」が何を指すのか、分解していきます。

①聞き出す能力
まず「話す」ということは必要ではありません。
コミュニケーションを行う上で大切なことは「相手が存在している」ということです。
1人で何かを話して「すごい」と思わせる能力はコミュニケーション能力ではなく、トーク力とでも言いましょうか。
お笑い芸人さんのネタと同じです。一方向的なコミュニケーションです。
採用要件のコミュニケーション能力は「双方向コミュニケーション」を指しています。
そのため相手から「必要な情報を聞き出す」という能力が非常に大切です。
相手から情報が引き出すことができれば、その情報について双方向コミュニケーションをとることが可能になります。
そういった背景から、コミュニケーション能力の一番最初に必要なことは「聞き出す能力」ということになります。

②事実と意見と感情を分ける能力
コミュニケーションで大切なこととして「事実」と「意見」を分ける!と言われることがあります。
ただ、コミュニケーションにおいて人間は「耳以外」からも多くの情報を得ます。
そのため、事実と意見を正しく捉えるため「感情」も分ける必要があります。また、その感情は「相手から感じた感情」と「自分自身の感情」の2つになります。
事実と意見を上手に分けて理解をしようとしても、相手の感情をくみ取ってしまったり、自分の感情を含めて理解をしようとすると、次のステップである「本質を捉える」際に邪魔になります。
コミュニケーションにおいて感情は必要な要素ではあるのですが、感情も分けて捉えることで「事実」「意見」「感情」の3つの角度から正しく「本質」を捉えることができるようになります。

③本質を捉える能力
シンプルに言えば「事象」を端的に理解する能力です。
コミュニケーションにおいていえば「相手が何を言いたいのか(≒一番重要なこと)」を端的に理解することだと言えると思います。
コミュニケーション能力が低い人は「言葉尻」や「言われたことの表層」を捉えてコミュニケーションを取ろうとします。
しかしながら人が伝えた言葉自体に重要な意味があることは非常に少ないと思っています。
言葉だけを捉えるのではなく、その言葉の裏側にある「本当の意味(=本質)」を捉えることができるかどうかが非常に重要です。
コミュニケーションから本質を捉える際「事実」「意見」「感情」を正しく分解し、それぞれを理解しなければなりません。
3つの角度から理解した内容から「つまり何が一番重要なのか」を判断します。
自分自身が判断する時にも「事実」「自分の意見」「自分の感情」を分解する必要が当然あります。
事実と意見を混ぜたり、事実と感情を混ぜると、本質は捉えられません。
そのため、この3つを分けるために必要な能力は「冷静さ」だと言えるかもしれません。

④伝えるべき結論を見つける能力
本質を捉えた後、相手に何かを伝える時に大切なことは「結論」から伝えることです。
この「結論」が間違えていると、コミュニケーションは成立しませんし、結論から伝えないと話が長くなって、何が言いたいのか分からなくなります。
しかしながら、非常に難しいのが一番最初に「結論」から話すためには、相手とのコミュニケーションの本質を瞬時に捉えなければならない能力です。
瞬時に捉えられないと「結論から伝える」ために思考する時間が必要になり、相手との会話の中に「間」が出来てしまいます。
非常に難しい部分であるのですが、コミュニケーションの本質を捉え、本質に対して結論を見つけ、相手に結論ファーストで伝える練習が必要になります。
意識して練習をしていくことで、少しずつ身に着けるしかないと思っています。
日常のコミュニケーションにおいて、結論から話す人は珍しいので、強く意識しないと私生活の中だけで身に着けるのは難しいかもしれません。

⑤端的に伝える能力
前段で「結論から話す」ことが大切だ。ということを書きましたが、それと同じくらい「端的に伝える」ことが大切だと思っています。
結論から伝えても、その後の話の流れがグダグダだと結論を伝えても意図が伝わらなくなります。
そのため、結論を伝えた後のコミュニケーションも非常に大切です。
定番の流れは下記のような感じでしょうか。
例)
結論は「xxx」です。その背景は「3点あります」
1点目は「yyy」です。yyyとは一言でいうと「qqq」と「sss」の関係性が~~~
2点目は~~~
という感じでしょうか。

結論を伝え、その背景(理由)が何点あるのかを伝える。
その後、1点ずつ話す。そのポイントもなるべく「一言」で分かりやすく伝えることがポイントです。
実際のコミュニケーションでここまでまとめて伝えることは難しいと思いますが、コミュニケーションのポイントは「少ない言葉」で「正しく伝える」が大切です。
この2つが両立できる人が「コミュニケーション強者」だと思います。


以上、コミュニケーション能力についてまとめてみました。
日常のコミュニケーションとは大きく異なる部分があるため、ビジネス上でのコミュニケーションは練習が必要になってきます。
練習をするためには、日常とかけ離れた思考をしていくため「冷静に」「感情的にならず」「考えることを諦めず」が必要になります。
人間には感情があるので、これらを分離するのは非常に難しいですが、強く意識しないとコミュニケーション能力(≒ビジネスコミュニケーション)は成長しないと思います。

コミュニケーションに限らずかもしれませんが、日常生活とかけ離れたビジネスという場で成果を出すためには、日常とは違う一面が必要だということを理解することが大前提として大切だと思います。