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レン子 と カメ爺 写真の話 その1 モノクロ写真

レン子:スマホが必需品の今時女子。流行っているものにはとりあえず飛びつくが、話が難しかったり長くなるといつのまにか消えてしまう。語尾を伸ばすクセがある。

カメ爺:年齢不詳。小さなカメラ屋をやりながらフィルムをこよなく愛す頑固ジジイ。なぜか?女の子は金平糖で機嫌が直ると考えている。実はレン子の影響でデジタルにも目覚めつつある。


レン:ねぇねぇカメ爺、最近モノクロフィルムが密かに流行っているよね~。でもさぁ~、フィルムって現像ってのしてもらったやつを見てもなんか小さいし変な感じだよね~。やっぱりデジタルデータにしてもらわないとダメなのかなぁ~。

カメ:レン子、それはネガといって像の明暗が反転しているためじゃよ。ポジは目で見ているのと同じ感じの明暗で見えるぞ。

レン:???。カメ爺、普通の人が分かる言葉を使ってもらえるかなぁ~。

カメ:ネガというのは明るいところが暗く、暗いところが明るくなっておるんじゃ。プリントをすればそれが反対になるので見た目と同じようになるぞ。

レン:でもさぁ~。モノクロで風景見てる人っているの?

カメ:それは例えばの話じゃ。昔はフィルムを現像したら必ずプリントしたもんじゃぞ。カラーネガなんか同時プリントといってな、ネガに写っているものを全て手札サイズにプリントするのが普通じゃったんじゃ。それでうちも随分儲けさせてもらったなぁ~。

レン:またレン爺のバブル話?いつまでもそんな思い出に浸ってないでよね~。

カメ:すまんのぉ~。モノクロフィルムの場合はベタといって印画紙の上にフィルムを密着させて露光したプリントでピントや露出を確認したんじゃ。ちょっと待ってろよ。あったあったこれがベタじゃ。

レン:なにこれ?こんな小さいのじゃあなにが写っているか分からないじゃんよぉ~。レン爺、遂にくるべき時が来たのかなぁ~?

カメ:まだボケちゃあおらんわ。拡大鏡を使って見るんじゃよ。

レン:それって、ルーペだよねェ~(笑)。わぁなんか見えるよ。ウンウンいい感じってかこれちょっとエッチなのじゃない?

カメ:あああっ、こっちじゃ。今のは無かったことにしてくれな。後で金平糖をやるからな。

レン:また、金平糖?今時、幼稚園生でも喜ばないよ。おおっ、今度は街の感じ、なんか街をのぞいてるみたいで面白いね。ところでこの赤丸は何?

カメ:それはプリントしたい写真に印をつけているんじゃよ。

レン:ルーペで見て楽しむもんじゃないんだァ~。

カメ:プリントするときは覆い焼きや焼き込みというテクニックを使ってトーンを整えて作品に仕上げていくんじゃ。それよりお前はフィルムカメラを持っておるのか?

レン:そんなの持ってないよ~。私はスマホで十分だからね。てか、いつでもすぐに使えて最強だよ。じゃァね。また来るよ。


また、次回

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