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レン子 と カメ爺 写真の話 その3 カメラはブラック

レン:カメ爺ィ~。いないの~?。

カメ:そんなに慌ててどうしたんじゃ?

レン:ジャ~ン。デジタルカメラ買っちゃたよ。

カメ:おおッ、なんの相談もなく気前の良い話じゃないか。ちょっと見せてみろ。

レン:それは例の約束次第だね。気前いいって、ワタシ、オ・ト・ナだから(笑)

カメ:約束ってなんじゃ?

レン:やっぱり忘れてるよ!フィルムカメラとモノクロフィルムのことよ。

カメ:ああっ、それならほれ、ちょうどいいのがあったぞ。

レン:えっ、なんでシルバーなのよ。

カメ:なんか問題あるか?それよりお前の方も見せてみろ。

レン:ジャジャぁ~ン。

カメ:おっ、富士フイルムか、それにレンジファインダーか?ちょっと違うがトップカバーはフラットじゃな。

レン:なんかカメ爺がうるさそうだったからフィルムメーカーのカメラにしたのよ。小さなレンズも着いてて可愛いいでしょ。本当はシルバーとブラウンの組み合わせの方が可愛くて好みだったんだけど、なんとかブレたらとか言う人が黒いライトだったらしいから黒にしたんだよ。

カメ:だいぶ違っておるが案外写真が好きになってきとるのかのぉ。ちなみのブレッソンのことじゃな。アンリ・カルティエ・ブレッソンというフランスの写真家じゃな。ライカを使ったストリートフォトで有名な人じゃ。日本では決定的瞬間。そんな言葉で紹介されてスナップの達人として有名じゃな。カメラはライカというドイツ製じゃ。35mm フィルムカメラを初めて世に出したメーカーで日本では木村伊兵衛とい人がライカ使いとして有名じゃ。その時代はライカ1台で家が1軒買えると言われるほど高価な物じゃったんだぞ。まぁライカが高いのは今でも同じじゃな。

レン:ながッ!それにシルバーでもよかったの?

カメ:いやいや、カメラはブラックじゃ。昔はブラックボディーは塗装するぶんシルバーボディーに比べて高かったんじゃ。みんな塗装するわけじゃないから古いカメラはシルバーボディーが多いんじゃ、このカメラがシルバーなのもそん理由からじゃ。デジタルカメラはどちらも塗装するから値段的には同じじゃな。ブレッソンはシルバーは目立つので黒いテープを貼ったりしていたんじゃ。実はライカのカメラも最初はみんなブラックペイントだったんじゃが、ある時期からシルバークロムが流行ってそちらが主流になった。そんな移り変わりもあるんじゃよ。

レン:ナガ、ナガ、ナガ~ィ。話は簡潔にって教わったでしょ。デジタルカメラってスマホと同じだね。シャッターボタンを押すと綺麗に映るんだよ。

カメ:おいおい、スマホにシャッターボタンはないじゃろ。シャッターボタンを押すのが楽しくなってきとるってことはそこそこ撮っとるな。ちょっと見せてみろ。

レン:いやいや、それはまたこんどでいいわっ。ところでそのカメラ貸してくれるんだよね。ゴテゴテした感じだけどシャッターボタン押すだけで綺麗に撮れるようにしといてよね。

カメ:それは無理じゃな。このカメラはピント合わせも露出もフィルムを入れるのも全部自分でやるんじゃ。写真を撮るのはただシャッターを押すだけじゃないんじゃぞ。そんなことをしておるとシャッターマンと言われるようになるからな。

レン:別にシャッターマンでもカメラマンでもカメラオタクでもなんでもいいんだよね~。気軽に楽しめればそれでいいんだよ。

カメ:なるほどなぁ。まぁ、わからんでもない考え方じゃな。今日は自分のカメラ持って帰れ。もう少し楽しめそうになるまでこのフィルムカメラはお預けじゃ。

レン:えっ~、なにそれカメ爺が言い出したのに........。それよりさ、この数字は何?いろんな数字があって何にもわかんないんだよね。めんどくさいから全部 A で AUTO ってのにしてるんだよ。これで十分綺麗に撮れるしさ。

カメ:ふ~ん。今日はもう終わりじゃぞ。また次回な(笑)

レン:えっ~。分かったよまたね。

また、次回

前回のお話 階調表現

レン子:スマホが必需品の今時女子。流行っているものにはとりあえず飛びつくが、話が難しかったり長くなるといつのまにか消えてしまう。語尾を伸ばすクセがある。

カメ爺:年齢不詳。小さなカメラ屋をやりながらフィルムをこよなく愛す頑固ジジイ。なぜか?女の子は金平糖で機嫌が直ると考えている。実はレン子の影響でデジタルにも目覚めつつある。

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