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愛知県立芸術大学で非常勤講師を務めた話(その5/最終回)

2019年10月から愛知県立芸術大学で務めた講義は、1年生むけに3回、その次に3年生向けに5回行った。大学での講義は初めてで、正直手探りのところも少なくなかったし、反省点ももちろんあるけどそれなりの手応えは掴めたところもある。(やることになった経緯や内容などはそれぞれ、その1その2その3その4で詳しく)

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1年生と3年生向けに合計8回行った講義の最後となる8回目は、弊社カラクリワークスの山﨑達樹(=以後、達樹)による、「戦略を考えよう」の授業。ここまでの授業では、社会の知るためのブレスト、自分を知るためのマインドマップ、競合調査、バイヤーインタビューなど、「いかに作品を作るか」の周辺にあるところを整理したり、探ったりしてきた。最終回は、それらすべてを踏まえて「自分自身の戦略に落とし込む」ワークショップ。この授業だけで自分なりの戦略が構築できるってところまで行くのは難しいけど、それを考えるプロセスを体験してもらうのが授業の趣旨。

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達樹はこういう場面に、とても強い。ロジカルに、的確に、話を進めていく。

戦略を考えるための1つのフォーマットを準備して、それぞれ穴埋めしていく時間。本来は大人というか、なんなら経営者がやるようなものなので難易度は高め。なのでさすがにそれぞれで埋め方に差はあったけど、埋めてしまうことが目的ではないし、そのことについて考える体験はできたので、それ自体が成果。直近だと卒業制作のテーマを考えるとか、就職活動をどうするか考えるとか、今後の人生で直面するであろう何かの折にこの体験を思い出してくれることがあると良いな。

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授業を通して、学生みんな自分のことも社会のことも真剣に考えてるな、という印象がすごく強い。特に自分のこと、自分の将来のことを、一生懸命考えてた。それがダイレクトに感じられたのは、初回授業で宿題にしたマインドマップの作成。思っていたよりも遥かにクオリティが高くて、自分の掘り下げ方も素晴らしかった。出てくる話がいちいち面白いし、特に自分の好きなことについて話している姿や表情は、みんな魅力的だった。

実は授業の冒頭では毎回「大切なことを大切にして生きて欲しい」という話をしていたんだけど、みんながいきいきと語れるようなこと、好きなこととか得意なこと(=大切なこと)が人生の軸になっていけば良いなと心から思う。マーケティング用語や手法を使った授業ではあったけど、伝えたいことはそういうことだった。少しでも、ニュアンスだけでも、手法だけでも、伝わっていると願うばかりだ。

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