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愛知県立芸術大学非常勤講師を務めた話(その2)

2019年10月から12月まで、愛知県立芸術大学デザイン・工芸科陶磁専攻の非常勤講師を仰せつかった。以前から学校の先生やってみたくて…の経緯は前回に詳しく。テーマは「自分をプロデュースする」。その内容をどうするか、試行錯誤してみた。

「自分が学生時代に聞きたかったこと」で講義を構成したいと思った。つまり「今はそれなりにわかったことだけど、その当時は知らなくて、今となってはできれば早めに知っておきたかったこと」を伝えたい、というコンセプトだ。それは例えば「世に言う仕事ってどうやって生まれているか」とも言えるし、硬い表現をすれば「社会構造の理解」みたいなことだったりするんじゃないかと思った。まず伝えたのは、極めて大雑把な「社会と個人の関係」。これってあくまで私の解釈ではあるけど、でもおよそこういうことなんじゃないの?って話だ。

概念図_1

我ながら本当に大雑把だなと思うけど、少なからずこうなってんじゃないのかな、という概念図。「社会」ってのも考え始めると「なんだろう?」ってことになりそうだけど、まあここでその定義はとりあえず置いといて…。社会での必要性や欲求と、そこに提供されるあらゆるものが重なっているところ、そこが仕事として成立しているんじゃないかと。

概念図_2

で、これを個人からみた時にもしこんな感じになるなら、それってすごくいいよね、というアプローチ。この図の「ここ」が見つけられたり、作れたりしたら良さそうじゃない?ということなんだけど。

もしそうだとしたら、「社会のニーズ・ウォンツ」と「自分のこと(息をするようにできることとかやりたいこと)」を明確にしてみるといいんじゃないかな、という風に、講義は進んでいく。1年生向けには1回2コマ(90分×2)を3週、3年生向けにはさらに実践的な講義を追加して合計5週。座学、ワークショップ、宿題の講評会など交えた構成にした。

正直なところ、難易度の設定とか迷うところがなかった訳ではないけど、結果的に学生たちの理解とか宿題のレスポンスとか、こちらの予想を遥かに超えるクオリティで驚いた。いや本当に驚いた。毎回毎回、こちらの学びが多かったというが実際のところだった。その辺の話は、次回に。

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