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愛知県立芸術大学非常勤講師を務めた話(その1)

いつの頃からだったか「いつか学校の先生みたいなことをやってみたい」という願望が芽生えていた。まさに漠然と「いつかできればいいな」と思っていたけど、本当に幸運なことに2019年10月から12月にかけて、その機会に恵まれた。大学の非常勤講師を務めさせていただいたのだ。

舞台は、愛知県立芸術大学。「福岡にいるのになぜ愛知で?」と聞かれることは少なくない。誘ってくれたのは、愛知県立芸術大学美術学部デザイン・工芸科陶磁専攻の、田上准教授。田上先生とは、熊本の美術予備校で浪人している時に出会った。それから四半世紀以上、お互い紆余曲折を経て今回こんなありがたいお仕事をいただいた。田上先生との縁で、漠然と抱いていた願望は、実現することになった。田上先生ありがとうございます。

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もう1つよく聞かれるのは「陶磁専攻で何を教えるの?」ということ。そりゃそうだ、至極真っ当な疑問。どうみても陶磁器の作り方なんて何も勉強していないし、芸大を出ているわけでもない。美術予備校時代のデッサンとか平面構成とか、お世辞にも上手かったとは言い難い。でも…だからこそ、芸大で作品づくりに励む学生たちに、伝えられることがあると思っていた。美術が好きで作品を作っていく人生にしたかったけどある意味での挫折とか諦めとか経験して、作品を作っていない人生を送っているからこそ伝えたいこと、伝えられることってのはある、と。

どんな授業にするのか?を考える時、土台にしようと思ったのは「大学生の時に聞きたかったけど聞けてなかった話をしよう」ということだった。社会の中で色々経験した45歳の今はすごくわかっているけど、大学生の頃にはもちろん全然知らなかったこと。その中でも「もっと若い頃に知っていればちょっと違う人生だったかも」と思うようなこと。そんなこと全てを網羅できる訳はないけど、その一端とか、そのヒントとか、そんな話ができればと思った。

ということで講義テーマは「自分をプロデュースする」にした。タイトル的には一見HOWTOっぽさもあるけど、実際には考え方を中心に。社会と自分を改めて考えて、その最終的な落とし込みとして「セルフプロデュース」という言葉が分かりやすいのではないかと考えた。ところどころHOWTOは散りばめながら、全3回の講義を構成してみた。その内容は、次回。

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