「UNLEASH」と「啐啄同時」
あけましておめでとうございます。
今年もいわきFCをテーマに、ただし地域や文化に軸足を置きつつ、言葉を紡いでいきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
さて今シーズンのスローガンが「UNLEASH」と発表されました。「解き放つ」の意だといいます。今回は「UNLEASH」という言葉について考えてみたいと思います。
スローガンを見た時に、では何を解き放つのか?を考えました。同時に実は回答が既に示されていたことにも気づかされました。大倉代表の新年挨拶に示されていたのです。
この挨拶文の中で大倉代表は問いかけます。
解放の対義語は束縛や拘束となります。ですが、クラブスローガンに込められた思いは恐らく違うと思います。個人的には「突き詰める」「圧縮する」という言葉が近いのではないか、と推測しています。
負けて本当に悔しいのか?
流しているのは本当の涙なのか?
本当にサッカーが好きなのか?
本当にもっと上手くなりたいのか?
成長したいのか?
これら内面の課題に真っ向から向き合え。悔しさ、涙、好きな気持ち、上手くなりたい気持ち、成長したいという気持ち-それらを突き詰め、心の中で圧縮し、アスリートとしての本能を爆発させろ。そんな願いが込められているのかもしれません。
「啐啄同時」という言葉があります。
雛鳥が卵の殻を破ろうと殻の内部から嘴で叩く(啐)のに合わせて、親鳥が殻の外側から殻を破ろうと嘴で叩く(啄)。これが同時に行われることに由来し、転じて「好機」や「師弟の息が合うこと」を意味する禅語です。
「UNLEASH」というスローガンを読んだ時に、昔聞いた「啐啄同時」を思い出しました。夢を叶えたい、よりよいサッカー人生を送りたいといわきFCに集った若者たち。大倉代表の問いかけは、まさに「啐啄同時」の啄だと言えます。選手たちには深く考え、突き詰め、圧縮し、啐を以て応え、爆発的に解き放ってほしいと心から願います。
その成長がクラブの強さに直結する、そんなことを感じたスローガンでした。
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