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おせち×日本酒=無限

小さい頃、おせちが嫌いだった。考えてみて欲しい。豆豆しく働くための黒豆、先を見通すためのレンコン、芽が出るためのクワイ。子供が好きなはずないだろ!縁起物とかこつけて、普段食べないものを無理やり食べさせているようにしか見えなかった。おせちなんて風習消え去れ!と思ったものである。そして、おせちを食べ尽くすまでその地獄は続いた。
しかし、成人して日本酒が飲めるようになるとその印象はガラリと変わった。なんと、全て日本酒と合うのだ。煮物だから当然と言えば当然ではあるが。れんこんの歯触りを楽しみ、日本酒をグビリ。クワイで口の水分を持っていかれて、日本酒をグビリ。黒豆で少しお口直しをして、次は…。箸が止まらない。日本酒が止まらない。お陰で正月早々酔っ払い、一日中寝て過ごしてしまった。
縁起が良いだけではなく、正月にみんなで休むために日持ちの良いものをという理由はもちろんあるのだろうが、おせちを作るのは大人の楽しみではないだろうか。きっとおせちの風習には呑んべいが絡んでいるに違いない。
世の子供には申し訳ないが、おせちという風習は続いていくだろう。

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