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松屋の鮭定食に潜むハレとケ

・そういう訳でダイエットを始めた。

・食い過ぎが痩せるには普通に食うこと、普通に運動すること。欲を言えば多少少なめに食べつつも栄養を意識すると良い(のだろうと思っている)。

・今日食べたものは以下
-キレートレモン68
-タンパク質が摂れるチキン&チリ275
-ナナチキ173
-トマトジュース39
-モンスターエナジー0
-焼き鮭定食717
-クッキー34
合計1306カロリー

・さすが初日と言うべきか、しっかりとカロリーを抑えている。

・ここに缶ビールが加わるだけで1500に到達するのだと思うと、いかに太りやすいのかと恐ろしくなる。饅頭怖いならぬビール怖いだ。

・さて、着目いただきたいのは松屋の鮭定食である。こんな状況でもなければ決して頼むことはなかっただろう。

・メニューの中ではカロリーが低いのだろうと思ったが選ぶ段階ではわからず、待っている時間にカロリーを調べる。

「松屋で最もカロリーが低いのはこれ!
鮭定食(717カロリー)」

・えっ?!そんなに高いの?!そんでそれが一番低いの?!?!

・高低両方の意味を持ちつつも、決して高低どちらにも突出していない数値に「みんなの食卓」を標榜する松谷のスタイルを感じた。まだ見たことのない松屋の一面に褌を締め直す。

・とは言ってみたが、実際鮭定食にそこまでの期待もなく、待ち番号の411が呼ばれたらふらふらと向かう。

・そこで見たものが、これだ。

これが松屋の鮭定食だ!

小鉢が多い!!

嬉しい!!!!!!

・第一の感想は小鉢の多さだった。画像で見るのと実際に見るのでは全く異なる。豊かさがそこにあった。

・そして小鉢の中、控えめだが力を感じさせる一品があることに気付く。

牛皿だ!!!

・結局の所、松屋では肉が食べたいのである。なんて顧客の心をわかってるんだろうか。しみじみ思い食べる順番を考えることにした。

・ダイエットかぶれとして味噌汁から行く。まだまだ暑いがそれでも沁みる。松屋特有の碗にへばりつくワカメもスカッとした油揚げも愛おしい。

・漬物と米を食う。全体に対して漬物が多く感じたので、初動の内に量を減らす作戦だ。ただ結果から言うと肉魚に加え海苔も4枚あり、米が足りなくなること必至だった。

・日常にありふれた松屋ですら実学でしかわからない、これだから人生は面白い。

・閑話休題、メインに手をつける。

・鮭と肉 どっちがメインなんだという論争も起きかけたが、「ここら鮭定食さんの顔を立てましょうや…」という善意が派閥の大半を占め、順調に箸を進めることができた。

・鮭を一切れ 食う。

・うん、うまい…

・鮭だな 以上の感想もないが、その味や魚の油はやはり鮭のものであり、安心感のある旨さだった。箸で取った所に小骨があることも、ちゃんとした魚を食べていると言う気持ちにさせてくれてありがたかった。滋味深いとはこういう時に使うのだろう。

・そして第二のメイン、肉。

・うまい!こちらも当然ではあるが想像通りの味である。ただサプライズ的に出てきてくれた肉にへ感動があった。

・そのまま一口ずつ皿を何周かする。味噌汁、肉、漬物、魚と米…

・数が限られている海苔にも手を出す。米と海苔、そして思いついた物を巻くと言うか載せ、頬張る。海苔について結局は米の上にしばらく乗せておき、しんなりとなった所を米と一緒に食うのが最も美味かったが一興だろう。

・そうして後半、はたと気付く。

・牛皿の汁を活かすためには米にかけるしかない

・つまり、楽しみきるには米に牛皿をぶっかける必要があり、魚と米で〆る事は叶わないのだ!!!

・衝撃を受けた。今まで掌の上にいた鮭定食が急に寝首を掻いてきたのだ。

・仮初の自由を感じさせつつも「ほら最後は牛丼ね」と、まるでオセロで急所に打たれたような逆転劇を食らった。

・そうとは言いつつも牛丼の魅力には抗えず、魚、漬物、魚、味噌汁のように箸を進め、最後には簡易牛丼を作り米粒一つまで完食したのであった。

・鮭定食の中での牛皿はまごうことなきハレだが、最後に食べる牛皿を米に載せた簡易牛丼は生活の中で珍しくはないケである。

・逆に考えてもみれば、生活の中で鮭定食を食べることこそ、普段は行わないハレの行事とも言えるかもしれない。そういうことを考える晩飯であった。

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