【認知的不協和理論】「ネトウヨ」と「リベラル」を分けるもの【脳の構造】/「歴史否認」「陰謀論」はどこから生まれるのか?――⑦『依存の悪循環(負のスパイラル)』ー「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目になる」

『依存の悪循環(負のスパイラル)』ー「過去に目をつむる者は、現在にも盲目であり、未来も同じ過ちを犯すだろう」

『依存の悪循環(負のスパイラル)』ー【歴史否認】と【被害妄想・陰謀論】の関係

「日本は神の国。日本人は選ばれた民族」という【選民思想】と、「日本は悪くなかった。侵略・虐殺はなかった」という【歴史否認】と、「誰かが自分を陥れようとしている。外国が日本を侵略しようとしている」という【被害妄想・陰謀論】は同じ『脳の構造』からきている。

そして、往々にして【侵略・虐殺・弾圧・粛清】は【被害妄想・陰謀論】から起こる。たいてい敵国からの脅威に対する「自衛のため」と言う名目で軍備を増強し、侵略・虐殺・弾圧する。

つまり、【選民思想】【歴史否認】【被害妄想・陰謀論】【侵略・虐殺・弾圧】は同じ[心理的メカニズム]=『依存の悪循環(負のスパイラル)』から起きており、それは不安や恐怖や苦痛やストレスから自分の身体や脳を守ろうとする《防衛本能》

『依存の悪循環』(不安を解消しようとする『心理的メカニズム』)

人はストレスが増大し、心の中の不安・恐怖・不快感・苦痛が増大していくと、それを軽減しようとする心理的圧力が増大し認知(思考・行動・価値観)を変更する。そして一度を快感を味わうと、それを求めて何度も繰り返すようになり、やめたくてもやめられない状態になる。

『依存の悪循環(負のスパイラル)』に陥ると脳の抑制機能が麻痺してしまい、周りの状況が見えなくなり、自分の行動を制御できなくなる。それは「否認の病」とも呼ばれ、そこでは自分が異常だと認識できず、「自分は正常」「自分は正しい。悪くない」と思い込み、その行動を正当化しようと無意識に嘘をつき、すぐ他者のせいにしようとする。

『依存の悪循環(負のスパイラル)』不安やストレスを取り除こうとする行動

その『依存の悪循環(負のスパイラル)』の中で、「日本は正しかった。日本は悪いことはしていない」という【歴史否認】が強いほど、「敵国が侵略しようとしている」という【被害妄想・陰謀論】が強くなる。そして、その感情はだんだんと酷くなっていき、それが戦争を引き起こす。

【歴史否認】が強いほど、【被害妄想・陰謀論】が強くなる。
『依存の悪循環(負のスパイラル)』


【権力志向】自分に自信がない人ほど、権力と同一化し、他者に強制したがる。

人はストレスが増大し、神経伝達物質のバランスが崩れ、抑制機能が低下し、不安・恐怖・劣等感・不全感が増大すればするほど、何か強いものに【依存・同一化】したいという防衛機制が働くと同時に、不安・恐怖を投影した敵(悪)が自分を攻撃してくるという【被害妄想】が強くなる。

不安を解消しようとする『心理的メカニズム』(ネトウヨ・カルト)
1.『弱い自分』を否認し、他者に投影することで『強い自分』でいられる。
2.『弱い自分』を否認し、「自分は強い。正しい」という人ほど、
『弱い他者』が自分を攻撃しようとしているという被害妄想が強くなる。

そこでは、国家・権力・宗教・組織・企業と同一化し、「規則・ルール・道徳・礼儀・慣習・差別・上下関係・既得権益」を絶対化することで、「自分は強い。正しい。優れている」と思い込もうとする。そして、それを子供・弱者・少数者に強制し、支配・差別・攻撃することで、自分の中の不安・恐怖・劣等感・不快感を軽減し、安心感・満足感・優越感・万能感[=快感(ドーパミン分泌)]を得ようとする。(例:マスク警察、私人逮捕、デマ拡散、陰謀論⋯)

強者と同一化し、弱者を差別することで劣等感を解消しようとする“依存行動”

それは不安・恐怖・劣等感・不全感を解消しようとする“依存行動”。


『抑制機能の発達』と自立

まだ脳や身体が成長していない子供にとって親の言うこと(命令、規則ルール)は絶対であり、それを守ることで外敵や危険から自分の身を守ることができる。それは“動物”として生きていくための防衛本能。子供は親に甘え、依存することによって、安心感・満足感を得ようとしているのである。

しかし、子供の頃は怖かった幽霊や妖怪も、脳や身体が成長するに連れ、怖くなくなると同時に、生きる自信が生まれ、他者に対する共感能力や“ヒト”として生きていくための想像力や信念が生まれ、親への反抗心が生まれる。そうして試行錯誤しながら、一人の自立した大人として成長して行く。

生きるための防衛本能。「依存」と「被害妄想」
自立とは依存先を増やすこと。
前頭葉(抑制機能)の発達と、自立の関係


ところが管理競争社会(学歴社会・体育会系・軍隊・過干渉など)のストレスによって脳(理性)の発達が妨げられていると、不安・恐怖(本能)の暴走が抑制できなく、常に「何かに依存したい」という防衛本能が強くなる。そこでは「人と競争すること、人に勝つこと、権威者に認められること、人を支配すること、金持ちになること」こそが生きる目的・価値観となり、自分を否定してくる人達に対して、激しく憎悪するようになってしまう。

得てして権威的で規則や道徳礼儀や 上下関係・縦社会・集団主義に拘る依存的な人(組織・集団・社会)ほど、他者に対して威圧的で、反対意見を尊重できず排他的で、体罰DV・パワハラ・セクハラ・いじめをしたりする。(それは左右男女を問わず)

そこでは「これは本当に正しいのだろうか?」という葛藤や、「他者を傷つけていないだろうか?迷惑をかけていないだろうか?将来どうなるだろうか?」という共感能力や反省能力や想像力が失われ、「自分は正しい、優れている。すべて他者のせいだ!こいつは自分を陥れようとしている!嘘を言っている!悪者は痛めつけてしまえ!」という疑心暗鬼や被害妄想や他責思考のもと、自分の行動が抑制できなくなってしまう。

1つの価値観(競争・服従・忠誠・忖度)に縛られ、上のご機嫌をとることばかりに気を取られ、周りが全然見えなくなる。権力者・独裁者と同一化し、弱者・少数者・批判者を差別・攻撃し、支配することで、安心感や満足感を得ようとする。

ピラミッド支配構造の権威的な社会・組織・集団の中で、差別されていた“マイノリティー・弱者・少数者・貧困層・奴隷階級など”の人達が、苦労して成り上がった途端に、より権威敵的・排他的になり、批判者を弾圧・排除し、残虐に弱者を痛めつけ、差別したりする。普段は人のいい真面目な人が災害の混乱と不安の中でデマを簡単に信じ、暴徒化したり、戦争のストレスの中で現地の住民に疑心暗鬼から残虐な行為をしたりする。

強者に同一化し、他者を誹謗中傷することで「気持ちよくなっちゃう♡」
強者と同一化し、弱者・少数者を“差別”することで快感を得る。
独裁者と同一化し、虐殺を実行することに精神的な満足感(快感)を見出す。
抑制機能の低下と、憎悪・差別の膨張・暴走。

それは不安・恐怖・ストレスや劣等感の中で、「権力者に認められたい。他者に勝ちたい。負けたくないない。バカにされたくない。他者を支配したい」という思いが強くなり、脳の抑制機能が低下し、共感能力や想像力や尊厳が失われ、欲望の膨張を止めることができなくなり、周りの状況を冷静に見れなくなっているのである。

『強い自分』を誇示するために、弱者・少数者を差別・攻撃する。

そして、そういう“悪い(弱い)自分”を否認し 、反省できない、抑制できない人たちが“支配欲”が暴走し、五輪万博IR·リニア·原発·辺野古埋立・マイナ保険証などを推進し、厳罰化・スパイ防止法・緊急事態条項・軍備増強・改憲を叫び、国旗国歌や道徳や愛国心や特攻を強制しようとする。

既得権益の正当化するために、認知を書き換える。

⋯⋯それは自分に自信がないから。精神が未熟で自信がない人ほど権力・強者と同一化し、多角的思考ができなくなり、反対の立場になって考えることができなくなり、他者・弱者・少数者を差別・攻撃し、批判者・野党・学者に対して誹謗中傷しようとする。そうすることで、優越感・満足感・優越感・万能感を得ようとしているのである。

劣等感が強いほど、権力者に媚びて、批判者を攻撃する。【権力志向】
『奴隷根性』劣等感の表れ。
『権力志向』権力批判は許さない。
弱者・少数者・批判者を叩く。


『愛国心』がない人ほど、他者に『愛国心』を強制しようとする。

自分に自信がない人ほど、子供や部下に「1番でなければ意味がない」と競争を強制する。権力者・強者・人気者と同一化し、「○○のようになれ!○○を見習え!お前は何をやっても駄目な奴だ」と、他者を威圧・強制・蔑視・恫喝・差別・攻撃することで自分の中の劣等感を払拭し、優越感を得ようとする。

自分に愛国心や誇りがないから、他者に愛国心や誇りを強制したがる。日本の歴史や文化に愛着も責任感もないから平気で自然や文化を破壊する。他国や沖縄やアイヌの自然文化を尊重できない。他者の批判や反対意見に耳を傾け、反省することができない。

そもそも愛国心とは「自分を大切にしよう」という心の中から湧いてくるものであるから、「愛国心を持て」と言って強制できるものではない。そして、自分に本当に愛国心があるならば、相手の愛国心も尊重できるだろう。

共感能力が低く、人権意識が低いサイコパスやナルシシスト・権威主義者・差別主義者・歴史修正主義者・御用学者ほど、ウイグル問題や北朝鮮日本人拉致や外国人犯罪について強調したがる。そうすることで権力支配・既得権益を正当化しようとする。

特攻を強制する人は、自ら特攻に行くことはない。国家・権力者・教祖・天皇と同一化し、「国のために死ぬ」ことを部下・子供・弱者や批判的・反抗的な者に強制することで支配欲を満たそうとしているのである。そしてその自分の行動を正当化するために、「特攻があったから今の日本の平和繁栄がある」「日本のため、家族のため、子供のために、自ら進んで犠牲になった」と認知を書き換える。

そう言うことで、暗に「自分(権力者・独裁者)のために命を捧げろ!」=「自分に従え。反抗は許さない!」と言っているのである。

それはカルト宗教と同じ。神・教祖と同一化し、「お前は悪魔に呪われている。悪魔が攻めてくる」と信者を脅し、「神・教祖のために命を捧げろ!たくさん献金しろ!」と強制(洗脳)することで、支配欲を満たそうとしているのである。そして、そういう人ほど「批判者は悪魔に操られている、自分たちを陥れようとしている」とか、「信者が進んで献金した。騙される方が悪い。被害者にも責任がある」と自分の行動を正当化しようと認知を書き換える。

それはマイナ保険証や五輪万博IRや国葬や辺野古埋立なども同じで、それ自体は何の意味もない。ただその利権に群がり、「これをすれば儲かる。反対者は反日、日本を侵略しようとしている」と欲望や不安・恐怖を煽り、それを強制・強行することで支配欲を満たそうとするものである。

「日本は神の国。日本スゴイ、日本人スゴイ。日本は悪いことはしない」「国のため、子供達のため、国民のため⋯」という人ほど、ひたすら私利私欲、既得権益、縁故主義、友達優遇、権力の私物化、税金の山分けに邁進する。

「自分は正しい」「自分に従え。反抗は許さない」ということ。
自分の行動を反省できず、他者のせいにする。
「国家(自分・教祖)のために、命をを捧げろ」ということ。(支配欲)
『服従欲』と『支配欲』の暴走。自分の行動を抑制できない。
『道徳』を強調する人ほど、反省できない。行動を抑制できない。
国家と同一化し、他者に強制することで満足感を得ようとする。

そして、そういう人ほど教育に口を出したがる。道徳や愛国心を強制したがる。それは自分の行動が批判され、否定され、見捨てられるのが怖いから、常に強者・権力者・富裕層に迎合し、批判者・弱者・少数者・貧困層を憎悪し、罵ることで気に入られようとしているのである。

“理想”と“現実”との矛盾が拡大する中で自分の中の不安・恐怖・劣等感・不全感を払拭するためには、常に誰かを攻撃し続けなければならない。他国の脅威を強調せずにはいられない。自分の責任を認識できず、常に他者のせいにせずにはいられない。『仮想敵』を作らずにはいられない。

そして、それが戦争へと繋がっていく。


大日本帝国(軍国主義、全体主義、ファシズム)の正当化。「鬼畜米英」から「対米従属」への変節・寝返り。

『大日本帝国』の成立

軍備を増強し、批判者を弾圧・粛清し、外国を侵略する国は「敵国が侵略しようとしている。これは国を守る自衛のための戦争だ。相手国が悪い。我国は被害者だ。批判者は我国を陥れようとしているスパイだ」と常に誰かを攻撃することで、自分の行動(権力支配欲・既得権益)を正当化しようとする。

大ロシア帝国
一帯一路
松岡洋右 『国際連盟脱退演説』
大東亜共栄圏

それは現在のロシア・中国・北朝鮮に限らない。例えば、戦前の日本で欧米列強によるアジア侵略に対する不安・恐怖や劣等感の中で、その脅威に対抗するために富国強兵のスローガンを掲げ、国内の産業財政教育制度を整備し、軍事力を強化し、中央集権国家体制を確立していった。

明治維新、中央集権国家の確立と大陸侵略への徴候
富国強兵

と同時に、対外的には資源・領土・利権を求めて大陸に侵略・植民地化していく中で 、『皇国史観』(選民思想)に基づく『忠君愛国』教育を推進し、「日本は神の国。優れた民族」「外国人は野蛮な劣等民族」などのプロパガンダで差別憎悪を煽り、洗脳し、全体主義・軍国主義・帝国主義体制を整えていく。

大日本帝国。欧米列強の脅威と東アジア侵略・植民地化。
大日本帝国・軍部独裁体制
軍部独裁体制の暴走・侵略
『大日本帝国=軍部独裁体制=侵略』の正当化

そして、その『軍部・政治家・財閥』のトライアングル(軍部独裁・帝国主義)体制の中で、国民はただの1つの『使い捨ての消耗品』となり、次第にエスカレートし、日中戦争に突入し、新聞が戦争を煽り、戦争に疑問を呈し、全体を客観的に分析し、冷静に判断できる人や、政府に批判的な人を「敵国のスパイだ!」と言って弾圧・粛清していく。

その『依存の悪循環(負のスパイラル)』の中で、もはや誰も止める人がいなくなり、欲望の暴走・膨張の抑制が効かなくなり、ついには欧米との利害衝突の中で太平洋戦争へと突入する。

そこではその自分の権力支配を正当化するために「欧米は日本を侵略し、蹂躙しようとしている(鬼畜米英)」という被害妄想のもと、「欧米列強から東アジアを解放する」という名目で『自存自衛・大東亜共栄圏建設・八紘一宇』のスローガンを掲げ、その行動(侵略戦争)を正当化しようとした。

戦争遂行のためのプロパガンダ(wikipedia)

その『依存の悪循環(負のスパイラル)』の中で、“冷静な判断力・想像力”が麻痺してしまい、“人間としての尊厳・共感能力”が失われ、特攻や玉砕やインパールや捕虜·住民虐殺などを次々と行う。そこでは決して自分の誤り・失敗を認めない。反省し、撤退することができない。

それは『学校のいじめ』や『とんでも校則』や『ブラック企業のパワハラ』や『体育会系·軍隊の体罰·セクハラ』や『カルト宗教の詐欺・高額献金』や『SNSの誹謗中傷』などと何ら変わらない。そこでは、『依存の悪循環(負のスパイラル)』が発動し、自分でその行動を抑制することができず、だんだんと酷くなっていく。

それは『辺野古埋立』や『マイナ保険証』や『国葬』や『五輪万博IR』などと同じで何の意味もない。その目的は、ただ自分の行動・欲望(支配欲)・既得権益を正当化すること。

「“国家・天皇・教祖・組織・企業のため”という名目で、ただ自分に服従させる。強制する。捕虜や住民を虐殺する(させる)、部下を特攻(死)に追いやることで組織を一体化させ、支配欲を満たし、安心感・満足感・優越感・万能感を得る」ことにある。

つまり、それは権力者・組織と同一化し、他者・弱者・少数者・批判者に強制・支配することで、自分の中の不安・恐怖・劣等感・不全感を解消するための“依存行動”にすぎない。

だから指揮官は部下に命令するだけで、自ら進んで死にに行くことはない。

例のコピペ

自分は安全な所でのうのうと暮らし、その行動を「国を守るためで仕方がなかった。それは決して私利私欲のためではなかった」と自己正当化し、認知を書き換え、自分のしたことを反省し、責任を取ることはない。

そして敗戦後も、日本自ら自分達がやった行動を反省することもなく、なぜたくさんの犠牲者を出してしまったのかという根本原因を究明し、事実を解明し、指導者の戦争責任を追及することなく、米ソを中心とした『東西冷戦構造』の中にそのまま組み込まれ、それまで「鬼畜米英」を叫び、多くの人間を死に追いやった同じ人達がそのまま「対米従属」に変節する。

「鬼畜米英」から「対米従属」への変節・寝返り。
常に『仮想敵』を作り出し、殻に閉じ籠もることで安心する。
国家と同一化し、少数者・弱者・批判者を叩くことで安心感・満足感を得る。

それは不安・恐怖・劣等感の中で、国家・強者・教祖に服従・同一化することで、安心しようとする『心理的メカニズム』が働いている。そして、その行動を正当化するために、常に『仮想敵』(悪魔・幻覚・妄想・妖怪・宇宙人・スパイ・犯罪者・共産主義・DS⋯)を作り出し、人々の不安・恐怖・憎悪を煽ろうとする。


保守派の変節・寝返り。⋯「皇国史観・鬼畜米英」から「対米従属・反共産主義」へ。

人は、戦争や災害や疫病や貧困や虐待などのストレスに曝され続けると脳の神経伝達物質のバランスが崩れ、感情・欲望・行動を抑制することが困難になる。そしてストレスを軽減しようとする防衛機制が働き、攻撃的になり、保守的になりやすくなる。

不安やストレスを軽減しようとする反応。安心を求める行動。

それ故に権力者・権威主義者・独裁者は、「敵国が我国を攻撃しようとしている。批判者は我国を貶めようとしている敵国のスパイだ」と不安・恐怖・憎悪を煽ることで自分の権力支配体制・既得権益を正当化・絶対化しようとする。


人は不安・恐怖が強まるに連れ、それを解消しようとする『心理的メカニズム』が働き、何か大きなもの、強いものに縋ろうとする。それは神・宗教思想・イデオロギーだったり、アイドル・スポーツ・モノ・金だったりして、それに傾倒し、熱中し、心酔し、依存することで安心感・満足感を得ようとしているのである。

しかし、それは一方で、それに依存し過ぎると周りがよく見えなくなる。物事を客観的・多角的に見れなくなってしまう。反対の立場になって考えられなくなってしまう。1つの価値観に凝り固まってしまい、それを正当化しようとする余り、その行動を他者から批判されたり、注意されたりすると激しく攻撃するようになってしまう。(歩きスマホや危険運転・煽り運転を注意され、逆ギレする人と同じ)

そこでは科学的・論理的思考が麻痺してしまい、デマや陰謀論に騙されやすくなってしまう。自分に都合の良いことばかり執着し、都合の悪いことは無視する。否認する。見えなくなる。捏造する。嘘をつく。そして、最後には自分を正当化するために他者を誹謗中傷する。

そして、それは緊急事態・有事や不正汚職スキャンダルのときの対応の遅れとなって表れる。

水俣病は「工場排水が原因ではない。患者は嘘を言っている。労働組合は中国の工作員」という思い込みで被害を拡大させ、福島原発では「原発の電源喪失はあり得ない。日本の原発は安全。批判者は日本を貶めようとしている」という思い込みで対策を怠り、モリカケ桜は「何の問題もない。マスコミ・野党の捏造。資料は廃棄した。役人(秘書)が勝手にやった。誰かが自分を追い落とすためにやっている」と言って不正・粉飾・虚偽・隠蔽・捏造・嘘つき体質を温存し、コロナ禍で「PCR検査は意味がない」として対策が遅れ、統一教会問題で「信教の自由を犯す。被害者にも問題がある」として不法行為を放置し、能登地震でも「ボランティアのせいで渋滞し救助に入れなかった。ヘリは災害救助には使えない。ヘリは田畑には降りられない。海岸から上陸できない。夜間は行動できない」と言って初動の遅れの言い訳をする。

窮地に陥ったとき、今何が一番大事か判断し、何をすべきか臨機応変な対応ができない。どうしたら問題を解決できるかを考えられない。自分の保身にばかり拘り、被害者・被災者・国民の立場に立って素早く行動に移すことができない。自分の行動を反省し、改善できない。


ネトウヨ・カルトは「特攻は犬死だ。なんの意味もなかった」と言うと激昂する。そこでは大局的な視点で物事を捉えることができない。失敗を失敗と認識し、反省できなければ発展・進歩することはできない。

また「ゆとり教育、ジェンダーフリー、性教育、選択的夫婦別姓、LGBT法、教育格差是正、差別撤廃、ヘイト規制、死刑廃止など」の主張に対して激しく抵抗する。それは不安・恐怖・劣等感・不全感の中で、『権力支配体制・学歴社会・男尊女卑・家父長制など』に依存し過ぎているから、その今まで信じて生きてきた支配体制・既得権益・依存行動が否定されるのが怖くて仕方ないから、激しく抵抗する。

それは自分が国家や権力者に【依存・同一化】することで、安心感・満足感・快感(ドーパミン)を得ようとしているから、それを正当化するために、それを否定しようとする意見に対して「自分を攻撃しようとしている。日本を貶めようとしている」という妄想の『仮想敵』を作り出してしまう。

支配構造・既得権益の正当化

『仮想敵』を作り、不安・恐怖を煽ることで、自分の支配体制・既得権益を正当化しようとしているのである。


戦後「支配体制・既得権益の正当化」と、『歴史修正主義』という【神話】

戦前は、欧米列強のアジア侵略による脅威、不安・恐怖・劣等感の中で『富国強兵』を推進し、「鬼畜米英」を煽ることで、自分たちの支配体制・既得権益(天皇制・軍部独裁体制)を正当化していこうとした。

『支配体制・既得権益』を正当化するために敵を作り出す。
天皇制・軍部独裁体制(軍国主義)

しかし、そこで『依存の悪循環(負のスパイラル)』に陥り、自分の欲望(支配欲・被害妄想)の暴走を抑制することができず、太平洋戦争(真珠湾攻撃)に踏み切り、破滅する。

支配欲の暴走、真珠湾攻撃に突入、破滅。
国民の不安を煽り洗脳することで、多くの人を死に追いやった。

そして日本はポツダム宣言受託し、アメリカ占領支配のもとで『軍部・政治家・財閥』の支配層(軍部独裁体制)を解体し、民主化を図ろうとするも、その後の『朝鮮戦争』から『東西冷戦』へと移行する過程で、アメリカ軍産複合体支配体制の中に組み入れられてしまい、アメリカ主導のもとで新しい支配体制が作られた。

そこでは「反共産主義」のプロパガンダのもと、一度は解体しようとした戦前の『軍部・政治家・財閥』の支配体制(組織)が、そのまま『自民党・官僚・財界』(+自衛隊)に再生・移行されてしまった。

「鬼畜米英」から「対米従属」への変節・寝返り。自分の行動の正当化。
多くの国民を「国の為に死ね」と命令した同じ人達が、米国に寝返る。
『歴史修正主義』という神話

そして、そういう人達が、その自分の行動(変節・寝返り)を正当化するために、自分達の支配体制・既得権益を正当化するために歴史を書き換える。

・明治維新はテロ・クーデターではない。
・日本の大陸進出は侵略ではなかった。植民地支配ではなかった。
・日中戦争は中国が悪い。
・欧米の侵略に対する正当防衛だった。
・住民虐殺はなかった。捕虜虐殺はなかった。人体実験はなかった。
・強制連行·強制労働はなかった。
・慰安婦はただの売春婦。
・特攻は犬死ではなかった。米軍に対する絶大な効果があった。
・特攻・英霊のおかげで今の平和·繁栄がある。

などと【歴史否認】すると同時に、「共産主義国・共産主義者が侵略しようとしている」という【被害妄想・陰謀論】の中で、マスコミを使って国民の不安・恐怖や憎悪を煽ることで 『自民党・財界・官僚』のトライアングル(対米従属・自民党独裁体制)を強化し、利権を得ようとする。


自民党独裁体制・既得権益の正当化
不安・脅威を煽ることで、自分の権力支配・既得権益を正当化しようとする。
対米従属・自民党独裁体制(軍国主義)

そして対立や脅威を煽れば煽るほど、日本は軍国主義(戦前)に後戻りし、「国のため」という名目で、土地を差し出し、言い値で兵器を買い続け、結果、米国や支配層は儲かっていく、一方で、日本国民はどんどんと疲弊していく。



①< ②< ③< ④< ⑤< <⑥ <⑦



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?