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「海賊と呼ばれた男」を読んで

出光興産の創業者である出光佐三さんの生涯を描いた「海賊と呼ばれた男」を先日読みました。
実は映画の方は2度ほど見ていて、とても感動的だったのですが、原作の方は読み損ねていました。
 
読後の感想としては、映画同様に感動的だったのですが、それと同時に自分のまだまだの至らなさを痛感して、多少落ち込むほどのものがありました。
 
出光佐三さんの生涯は、石油の大規模小売業を展開したいという思いから始まり、小売りだけではなくて原油の輸入、石油精製等と事業を拡大し、出光興産を石油業界のリーディングカンパニーにしたのでした。
 
このように書くと簡単にできたようになりますが、その過程は筆舌に尽くしがたいほどの苦難、理不尽に直面します。それに対して出光佐三さんは信念をもち、不屈の精神で立ち向かい、解決していきます。
 
特に映画でもクライマックスになっていたイランからの石油の輸入は圧巻ものですが、それと同じような偉業を50年間に何度も行っています。
 
その迫力は小説からも強烈に伝わってくるものであり、それと比較すると自分自身は遠く及ばないなと多少憂鬱になるものさえありました。
しかし、憂鬱になっていても何も動かないので、万分、億分の1でも出光佐三さんを見習いたいと思います。
 
また、出光佐三さんは非常に国家に対する忠誠心が高く、社会や国家をよくしたいという思いが、事業に対するエネルギーにも繋がり、成功にも繋がったと感じます。
 
現代においてはそういうあり方は偏っているようにも取られる面がありますが、私は社会がよくなる為には健全な愛国心は必要だと考えます。それがない社会は活気を失い、衰退していきます。
 
なぜなら、自分だけの幸せということだけではなくて、周囲、社会、国家(さらに広がれば世界ですが)という枠で人々が幸せになることを望むからこそ、より大きな事業を行い、より大きな貢献をすることができるのではないでしょうか。
 
出光佐三さんはそうした精神の体現者でもあったと思います。

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