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「ゴミ箱」の管理コストくらいをケチってお金を残そうとしても、逆にお金は残らない

近年、日本でも街なかや商業施設などでゴミが目につくようになりました。「どうしたらこんなところにゴミが落ちているのだろう」、と感じることさえあります。
正直、公共の場を綺麗にし、自分以外の人たちが心地よい環境を維持しようとする「公共心」が薄れ、「ゴミを早く捨てたい」と所構わず捨てるような人が増えているのではないでしょうか。外国人の方が増えていることも理由の一つかもしれませんが、それだけではないと感じます。
 
ただ、ここで取り上げたいのは「公共心」のことではありません。取り上げたいのは「ゴミ箱」のことです。実は、国内のゴミ箱は過去30年に減少してきたと言われます。
その理由として、30年前に地下鉄サリン事件などがあり、テロを警戒してゴミ箱が撤去されたことがありますが、理由はそれだけではありません。ゴミ箱はゴミを回収する管理コストがかかるため、公共の場であれば地方自治体などが、商業施設などのビルであれば管理会社のコスト負担が発生するためです。この管理コストを抑えるため、ゴミ箱を撤去する、また設置を抑制してきたのです。
 
ゴミが目につくようになったのは、私は「公共心」が低下しただけでなく、「ゴミ箱」が減少したこともあると考えます。実は、それを裏付けるような検証が昨年ありました。大阪・ミナミの道頓堀はペットボトルなどのゴミが散乱していますが、道頓堀商店会ではメインストリート数か所にゴミ箱を新たに置く計画を進めています。その計画を試験的に実施したところ、ポイ捨てが重量ベースで4割減ったというのです。
 
実は私も商業施設などに行き、ゴミが出たとき、すぐ近くにゴミ箱がないと困るものです。もちろんポイ捨てなんかはしませんが、ゴミ箱がないかを探すことがよくあります。そのときにゴミ箱が多く置かれているところと、置かれていないところがあるのを感じます。恐らく、施設内の清潔感を重視する場合はゴミ箱を多く置き、管理コストを抑える場合はゴミ箱の設置も抑えているのでしょう。
 
街にしても、商業施設にしても、清潔感がないところに訪れた人は、また来たくなるでしょうか。
私はゴミ箱が少なく、ポイ捨てが目立つ商業施設に喜んで行くことはありません。もし他の商業施設で事足りるのであれば(その施設が清潔であればなおさら)、そこに行くでしょう。
私のように考える人が増えれば、その商業施設のテナントの売上もあがらず、管理会社の収入である管理料が減少するのではないでしょうか。
 
結局、街にしろ、商業施設にしろ、「ゴミ箱」の管理コストくらいをケチってお金を残そうとしても、逆にお金が入らなくなり、お金が残らないこととなるのです。

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