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エッセー

宮沢章夫氏

僕がエッセーを初めて読んだのは、宮沢章夫氏の処女作『彼岸からの言葉』だった。
当時13歳の中学生。

11歳の頃、ダウンタウンとワハハ本舗、ラジカルガジベリビンバシステム等が出ていた、『河田町プッツン意思表示』と言う番組をダウンタウン目当てで観ていたら、ラジカルが半端なく面白くてファンになり、ラジカルを追っかけ始めた。
親に頼みチケットを取ってもらい、ラフォーレ原宿に観に行った。
小5の頃から、シュールで前衛的なパフォーマンスにのめり込みんだ。
あまりの興奮で、内容はあまり覚えていない。

1988年よりFM東京で深夜に放送していたラジカルのラジオをカセットテープに録音をする為、目覚ましをかけて起きラジオコントとトークを楽しみにしていた。
その番組で、前述の『彼岸からの言葉』が上梓されることを知り、本屋さんへ行って買った。
イラストはしりあがり寿さん。
宮沢氏の書く文章は、普通のことのように見えて少しズラしが入ってくる。
ズラしがほのん少し入っただけで、狐に化かされたような気分になるのだ。
本当にこのズラしが妙で、異次元に飛んで行ったかのような感じがする。
ラジカルもこのズラしの連続でハマると堪らなく面白い。
いきなり大爆笑というよりクスクス笑いが増幅していくような感じ。
新しいコントの有り様だった。

話しを戻す。
宮沢氏のエッセーは全て持っている。
どれも秀逸だが、やっぱり『彼岸からの言葉』を越えるものはない。
思春期の始まりの頃だったので、インパクトが大きかったのかもしれない。

人生で影響を受けたエッセー

エッセーとは、実体験をそのまま書くもの。つまりノンフィクションの有り体な感じを書き出すものだ。
視点が本人目線だったり、俯瞰的だったりといろいろな書き方がある。
少し脚色した体験談としてのエッセーが今は普通だ。
その人の人となりや生き方や考え方を理解するのには良い。
今日のSAYONARAシティボーイズでも斉木しげるさんが、「お風呂の中で読むにはちょうどいい長さだ」と仰っていた。
文章としてはライトなもので気軽に読める。
読書嫌いな夫も宮沢氏のエッセーは面白いと言う。

橋本治氏

僕は橋本治氏のエッセーも好きだった。
やっぱりライトな文章で、入りやすい。
図書館で橋本氏の新作が出ると、司書さんが取り置きして下さっていたので速攻借りて読んでいた。
やおい同人を描くために、同性愛についても橋本氏の本で勉強した。
『菊と刀』という本を知ったのも橋本氏のエッセーだったと記憶する。

松尾スズキ氏

またラジカルに戻ると、今をときめく演出家であり作家、映画監督、俳優の松尾スズキ氏のエッセーも面白い。
松尾氏は松尾氏はラジカルにも出演していた。
宮沢先生が目を掛けた方は大成なさる。
腹捩れになるほど面白く、もしかすると宮沢氏を越えたかもしれない。
猫好きには『ニャ夢ウェイ』が面白いと思う。

弘中綾香氏

テレ朝のアナウンサーの弘中氏も独特の切り方でエッセーを書いている。
最近読了した『アンクルーな人生』が面白かった。
弘中氏は『あざとくて何が悪いの?』で知り、その局アナっぽくないリアクションが面白くてずっと観ている。
エッセーも彼女の半生を書いているのだが、女子高のノリというか慶應のユルさのようなものが随所に現れ、男子校や男子ばかりの大学の隅にいた女子のうちの1人だった僕には分からないことだらけで、痛快で面白かった。

エッセーのまとめ

僕の初エッセー本が宮沢氏の『彼岸からの言葉』で良かったと思う。
次元の隙間にいつの間にか1人立たされている感じの書き方。
故人になられているので、今となってはもうエッセーを読むことはできない。
しかし、宮沢イズムは演劇人やコント師、演出家、脚本家など多岐に渡る多くのフォロワーによって確実に育っていると思う。

小説より上手いか否かは別として気軽に書ける、日記の延長のような文章。ダラダラ長くなく、短い中で如何に面白く無駄なく書けるか。
ここが作家の腕の見せどころではないか。
このnoteもプロ・アマチュア混在でカオスになっている。
ここからプロになる人も多く輩出するだろう。
観察眼や思考力、物の良し悪し、知識があれば良いものが書けるのではないか?(←当たり前)
ここは様々なことを実践するするにはいいコンテンツだと思う。
僕も何か書き残して行きたい。

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