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日本一周クルーズ船の旅(3日目)

函館へ来たのは2回目だった
以前は、大きなお祭りの時に来たので
地元の団結力や活気を感じられ
とても良い印象だった

朝、目が覚めバルコニーへ出てみると
すでに船は到着していた
船内からは函館が見えた

約36時間、海しか見てなかったので
陸の景色が見えて、テンションが上がった
陸には人が生活している雰囲気があったからだ

コロンブスがアメリカ大陸を発見したとき
こんな感覚だったんだろうなと思った
それだけ陸地にはロマンを感じた

✳︎

朝食のビュッフェで
隣の席になった老夫婦が
話しかけてきてくれた

2人とも旅行が趣味らしく
愛媛県から初めての船の旅に来たらしい
素敵な雰囲気から仲の良さが伺えた

その夫婦は過去に函館で
塩ラーメンを食べ感動したらしい
今回はその塩ラーメンも目的のひとつに
この旅へ来たと言っていた

過去の記憶や思い出は
未来への財産になるんだと思った
そう考えると何でも経験するべきで
それが人生を豊かにするんだと思えた

✳︎

函館駅に到着

まずは函館山へ登るため
バスと徒歩でロープウェイへと向かった
天気も良く紅葉も綺麗に色づいていたので
とても散歩が楽しかった

港、坂道、気品のある道が続いた
横浜や鎌倉や神戸のような雰囲気で
こういう場所に住めたら素敵だなと思えた

そして到着。と思ったら
この看板に脱力してしまった

まぁこんな日もあるかと
気を取り直して王道の観光地の
赤レンガへと向かった
街並みの演出なのか活気がないように感じた

それから朝市へ向かった
無数にお店があり
お店の人の呼び込みの圧が強く
少し疲れてしまった

空いてるお店を見つけ
お昼ご飯を食べた

地味だけど、イカがいちばん好きだった
華やかなウニやイクラよりも
イカのような安定感のある
そんな男なりたいと思った

✳︎

お腹はいっぱいだったけど
今朝の老夫婦にオススメされた
「塩ラーメン」を食べるために
教えてもらったお店へと向かった

すると、お店には大行列ができていた
自分も母親も並ぶのが大嫌いなので
2秒で食べるのを諦める決断をした

別のラーメン屋を探してみた
食べログで調べたてみたら
近くに一軒ラーメン屋があった
評価は低かったけど行くことにした

店の前に着くと、その汚さに驚いた
土曜日のお昼だというのに客はゼロだった
そして店主のやる気もゼロだった
一旦、店を通り過ぎて作戦会議をした

自分も母親も性格が歪んでいるので
会議の結果「逆に面白そうだ」
という結論になり店へ突入した

ほぼ聞こえない声の大きさの
「いらっしゃいませ」に
思わずニヤニヤしてしまった

そして肝心のラーメンを食べてみると
なんと!ニヤニヤが笑顔に変わったのだ
「うまい!」
2人とも思わず声に出してしまった

マイナス100点からの
プラス100点の振れ幅の
200点を叩き出してくれた

相変わらず店の主人は
座ってスマホをいじっていたけど
その無愛想な姿がなんだか
格好良く見えてくる達人っぷりだった

お腹がいっぱいだったのに
2人とも完食してしまった

函館駅から徒歩5分ほどの
「龍鳳」という小さなお店
店主&演出も含めオススメです

✳︎

船内では常に何らかの
イベントが行われていた
夕食後、400人程が入るホールでの
マジックショーを母親と見に行った

ほぼ満席でのマジックショーは
正直言って目も当てられ程の
とても酷いマジックだった

でもお客さんは盛り上がっていたので
自分の感性が鈍いんだと無理矢理に納得させた

マジックが終わってから
JAZZの生演奏のある
静かなラウンジへ行った

母親はお酒も入っていたからなのか
さっきのマジックショーは酷かったと
マジックショーへの怒りの
毒舌が止まらなかった

親のボロカスの酷評なんて
滅多に聞く機会がなかったので面白かった
なるべく毒舌しやすいようアシストして
気持ち良く毒を吐き出させる事を心掛けた

この時、自分の口の悪さは
母親譲りなんだと確信した


そんな船の上での2日目が終わった
この旅がずっと続けばいいのにと
一人で夜の海を見ながら、この日を終えた

それではまたCiao!

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