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【10】ゲームクリアの理論と集合行動



ゲームクリアの理論


今は昔、レトロゲームはシングルプレイが主流だった。いつ果てるともないアップデート無き世界では、ゲームクリア格別の意味があった。クリア後のエンディング画面はとっておきのご褒美で、誰もがささやかな無冠の帝王を味わうことができた。

時は過ぎ、現在のシングルプレイヤーはネットのおかげで、どんなマイナータイトルだろうと情報は手に入り、自らファンコミュニティを作ることだってできる。もちろん、リアルやネットでつながるだの緩やかにつながる なんてのは、好きにすればいい。

しかしである。

無冠の帝王達は、互いに同じ世界へ身を置き、共通の目的を遂行する。相手を意識せず体験を共有していくことで、まじりっけのない完全な出会いを果たしているのだ。私はこの密やかな奇跡に、ほんの少しだけ花を添えたい。我々はすでに、誰かと誰かがいつでもどこでもつながれる自由を手にしている。そろそろ、つながらない自由を手にしたって構うまい。


ゲームクリアの集合行動

というわけで、ゲームクリア後の少し不思議な集合行動、ゲームクリア・アクティビティを考えみたい。

まあその万物の現象が記録されるアカシック・レコードにアクセスできるかどうかは知ったこっちゃないし、究極的には全てのゲームクリアという現象は時空の歴史に刻まれているので、密やかな奇跡は完結しているっぽいのだが、それはさておき。


ディオゲネス・リユニオン


差し詰め出会わない同窓会といったところだ。命名の由来は、シャーロック・ホームズの兄、マイクロフト・ホームズの、互いに干渉しない社交会、ディオゲネス・クラブからきている。

私の理想としては、漫画喫茶やインターネット・カフェに連なる新たな複合カフェとしてレトロゲーム・カフェを作り出す。ゲーム業界の公式アーカイブスを利用し、カフェ内限定で再現可能なあらゆるレトロゲームを完備する。レトロゲームをクリアした者は自動的にカウントされ、ディオゲネス・リユニオンのゲームクリア・リストに記録されていく。

後は、ディオゲネス・リユニオンから年に一回、同窓会の開催案内が届く。逆に、リスト記録者がディオゲネス・リユニオン宛に同窓会を開催したいと願い出れば、他の記録者に同窓会の開催案内が届く。

ただ静かに記録され案内だけが行き来するというわけだ。

電脳遊戯 絵馬堂

電脳空間に開かれた八百万神やおよろずのかみに連なるゲームの神様へ、ゲームクリアで抱いたありったけの思いを記し、ネタバレ絵馬として奉納していく。絵馬堂サイトはトップページと絵馬の記入スペースだけがあれば良いのだが、できれば文字入力以外に、タッチペンなどで実物の絵馬同様に手書き文字やイラストに対応できるようにしたい。

ぶっちゃけ絵馬は奉納した瞬間、時空の彼方へ旅立つシステムなので、絵馬の奉納は無制限だ。クリアしたゲームの数だけ奉納できるし、ひとつのゲームタイトルへ集中したって構わない。

さて、どうでしょう?

壁l・ω・) 壁l)≡サッ!!