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株式市場の見通し;新型コロナウイルスが及ぼす世界経済への影響、米中の反グローバリズムの到達点の観測

おはようございます

株式市場の見通し

米国株が最高値更新して未だ記憶に新しいが、新型肺炎効果で、頭の上から樽で冷や水を浴びせられてしまった模様だ。

ダウは3万まであと数百ポイントまで接近していたので、3万超えは確実視されていたところ、新型肺炎効果でアッという間に5000ポイントも急落した。

世界的金融緩和環境状況の中、低金利で安く借りれるおカネは実体経済の血液となって経済に力を与えるのではなく、投資及び投機資金として金融経済に流入し「旨味のある」金融市場商品を探し求め、米国株に行き着いた。それ故に、あたかもバブルの如く米国株はコレクションも無く上がり続けた。

確かに、米国経済は好調だ。過去50年来の低失業率がそれを物語っている。2013年に起きたシェールガス革命から米国の経済モデルは変貌した。エネルギーを中東に依存する必要がなくなったのが最大のメリットだ。そこから、米国経済の爆進は始まった。

今現在、世界で外需に依存しないで内需だけで自国経済運営を上手く熟せるように進んでいるトップは米国だ。米国は中国経済とのディカップリングを熱心に行ってきている。それにより、米国が自力で自国経済を維持出来るようにしようとしているのだ。

問題は1991年ソ連崩壊後に始まり、30年近く続いているグローバリズムの影響度がどれくらいあるかだ。グローバリズムとは多国籍企業が国境を越えて地球規模で経済活動を展開する行為や、自由貿易および市場主義経済を全地球上に拡大させる思想の事だが、米国企業の多くはこのグローバリズムの恩恵を受けて成長してきた。

アメリカファーストから始まったトランプ大統領の反グローバル主義は製造業の米国回帰を促進した。しかしながら、未だ米国経済は完全に独立して生き続けるレベルまでは到達していない。同じ事を中国は「中国製造2025」というスローガンを掲げて自国経済の自立化を図ろうとしている。こちらも未だ志半ばだ。

つまり、世界経済は未だ相互依存型の形態のままなのである。そうなると、米国の株式市場が下がれば、その他の国々の株式市場も連れ安とならざるを得ない。

私は悲観論者ではないが、テクニカル分析では米株市場がベアトレンドに転換したと仮定すると、ダウは18000台まで下落する可能性はある。勿論、現在の米国経済のファンダメンタルズから見ればその可能性は低いが、世界経済の米国経済に与える影響度は不確定なので、そこは未知数だ。

結局のところ、新型肺炎が終息してからでないと、世界経済がどれだけのダメージを受けたか否かは計測できない。軽症であれば、また行き場のないダブついた資金は米国株式市場に回帰する可能性は多いにあるのは否めない。多くの投資家が米国株が下落したら買いたいと思っている所以である。


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