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立ち合いは能動的であれ

先日、中高生対象の稽古会があり、私も中学の外部指導員として参加しました。とはいえ、指導側ではなく学ぶ側です。

指導担当の先生が最初に注意されたのは、返事でした。小学生の頃から厳しい道場で指導されてきた子供たちにとっては当たり前の「ハイッ!」という返事。中学生になると、意外とできません。

というか、私自身もとっても苦手です。学生時代にそういう厳しい環境で剣道を学んでこなかった弊害とでもいうべきかもしれません。ただの言い訳に過ぎませんが。

大人になると、大きな声で返事をする機会もなく、そのまま初老を迎えてしまいました。恐らく、このまま加速的に返事のできない老人となるに違いありません。逆に自問自答で返事するようになるかもしれませんが。

一方、今の子供たちにはそんな老人になってほしくないので、ちゃんと返事はしてほしいと感じています。

しかし、コロナ禍での稽古は「声を出すな」と指導されてきたこともあり、どこの学校でも返事についても口うるさく言わなくなったのではないでしょうか。(道場は別)

指導担当の先生は、「自分から」「自分の意思で」という意味合いのことをしきりに話されていました。つまり、能動的です。

そこで今回は能動的とは何なのか、深く考えてみました。


能動的と受動的の違い

能動的か受動的か……
あなたは考えたことがあるでしょうか。
英語の授業で習ったあれです。今一度思い出してみましょう。

簡単に説明すると、下記のようになります。

  • 受動的:自分の意思と関係なく、他に動かされること

  • 能動的:自分の意思で考えて行動すること

何に取り組むにしても、受動的では面白くありません。同じ内容であっても、自分主体で行動することで見え方は随分変わるものです。つまり、やらされている感覚か否かということ。

面白くない仕事でも、能動的に取り組めば楽しみ倍増。私の知人に、ゴミ拾いを楽しいレジャーに変えてしまった人もいます。一方、能動的に仕事に取り組めないサラリーマンも多いでしょう。私のように……

言い換えるならば、目的意識を持って行動しているか否かということにもなります。能動的に捉えることで、自分にとって成長につながることは間違いありません。

INPUTが同じでもOUTPUTが異なる

たとえばYouTubeを見たり、読書をしたりする場合でも、受動的か能動的かによって結果は大きく異なります。

少し前に読んだ【早く読めて、忘れない、思考力が深まる「紙1枚!」読書法】を少しずつ実践していて気がつきました。

「攻めてる~!」

と。著者の浅田氏によると、読解に正解はないとのこと。つまり、自分の知りたい情報を書籍の中から取り出せば良いことになります。

今まで行なっていた読書法は、著者の思考を辿っているだけの受動的な方法。それはそれで正解です。しかし、今取り組んでいる読書は能動的な方法。つまり、自分から本に語り掛ける感じでしょうか。

本に語り掛けるなんて……

想像してみてください。
ぬいぐるみに話し掛けている初老男性を。

気持ち悪っ!!

しかし、能動的に読書をすることで、得られる情報は今までの何倍も貴重で、浅田氏の言う通り「思考力が深まる」ことは確かでした。

つまり、同じINPUTの内容でも、能動的に捉えることでOUTPUTが大きく異なるということ。それは剣道においても同じでしょう。

能動的に捉えれば、稽古に取り組む姿勢も異なってきます。また、稽古内容も異なってくるかもしれません。

たとえば、地稽古のときに相手が面を打ってきた場面を思い浮かべてください。「打たれた」なのか、それとも「打たせた」なのか。外から見れば同じ事象だとしても、捉え方次第で結果は大きく異なります。

それでは、能動的に取り組むことで、どのような効果が得られるでしょうか?

能動的に取り組めば迅速に対応可能

能動的に行動することで、何らかのトラブルが発生したときにも迅速に対応できるでしょう。トラブルが取り除けるかどうかはわかりませんが、前向きに捉えられます。ほんの少しの意識の違いです。

ターナーさんも言ってました。(誰?)

出来ない理由ではなく、出来る理由を探しなさい。

コリン・ターナー

地稽古で相手が打ってきた場合をイメージしてみましょう。
受動的に捉えれば「Oops!」となり、竹刀で受けるだけで精一杯の状態になってしまうかもしれません。

一方、能動的に捉えれば「待ってました!」とばかりに応じることが可能でしょう。

INPUTは同じでも、OUTPUTが大きく異なります。できない理由ではなく、できる理由を探ってみます。

立ち合いは能動的に!

七段の昇段審査で不合格になったとき、ある人に言われました。

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