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人間形成の道とはいうけれど……

剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である

剣道をしている方なら、よくご存知ではないでしょうか。これは、全日本剣道連盟が定めている「剣道の理念」です。私は初段を受ける際に覚えました。若いときに覚えたことは、年を重ねても意外と覚えているものです。

剣道に限らず、何かに長く取り組むことは人間形成、人格形成に通ずると考えています。それがサッカーや野球、仕事であっても。


正しい人間形成とは謳っていない

調べてみると、スポーツを長く続けることが人格形成に大きな影響を及ぼすと書かれた論文がありました。活動性・支配性・攻撃性・社会的外交性などが向上するとのこと。

確かに!!

あなたも、そう感じたのではないでしょうか?しかしながら、正しい人格形成とは書かれていないようです。たとえば、支配性や攻撃性が強くなれば、他人に対して危害を加えることになるかもしれません。

剣道も例外ではありません。昨今の試合偏重によって、「それって反則スレスレでは?」と思える行為を指導している団体もあると認識しています。竹刀や剣道具についての規定内容が追加されたのも、そういった経緯があるでしょう。

そもそも、スポーツとはどのようなものでしょうか。文部科学省が定める「スポーツ基本法」には下記のように記されていました。

スポーツは、次代を担う青少年の体力を向上させるとともに、他者を尊重しこれと協同する精神、公正さと規律を尊ぶ態度や克己心を培い、実践的な思考力や判断力を育む等人格の形成に大きな影響を及ぼすものである。

文部科学省「スポーツ基本法」(条文)

試合審判規則に書かれていないからやっても良いのでしょうか?公正さとは何なのか、考えさせられること場面が多々あります。剣道はスポーツではなく武道です。武道だからこそ、反則スレスレの行為でも厳しい命のやり取りが必要なのでしょうか?

何か違うような気がします。喉の奥に引っ掛かった魚の小骨のように、取り除きたくてもなかなかか取れない状況です。

武士道に学ぶ

新渡戸稲造の「武士道」は有名です。あなたも読まれたかもしれません。残念ながら、私は途中で挫折したため、まんが版の武士道を読みました。

まんが版は読み物としても面白いと感じましたが、雰囲気だけ理解できた程度です。雰囲気イケメンから始めてみるには、ちょうど良いのではないでしょうか。さらに理解を深めていこうと考えています。

「武士道」は社会の平安と秩序を守り、「民の模範」となるように生きることを書かれたもの。まんがとはいえ、私自身に足りない部分がよく理解できました。

つまり……
卑怯なことをして試合に勝っても嬉しくないでしょ?
と、「武士道」を読んで思ったわけです。とはいえ、卑怯なことをされて負けたら悔しいのですが。その辺りの矛盾とどのように付き合っていくかが課題かもしれません。

もちろん、スポーツを長く続けることで、支配性や攻撃性が高まったとしても悪いことばかりではありません。ノーベルが発明したダイナマイトのように、使い方次第で良くも悪くもなり得るもの。ぜひ、良い方に使ってほしいと切に願います。

武士は直接的な生産に従事しない支配階級であったため、「民の規範」となる必要がありました。剣道も、修行を続けて段位を取得することで、規範を示す必要があるでしょう。

あぁ、全然できていません。
ごめんなさい。
2024年からは心を入れ替えて努力します。

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