腹(肚)の中から何が出る?
「腹を切れ!!」
まさか、ロシア人にそんなことを言われるとは……
しかも、そこまで言われた岸田首相は、のほほ~んと生活しているように見えます。今日も増税、増税で行きますよ!
日本人の「切腹」はロシア人にも知れ渡っているようで驚きました。ところで、あなたは「切腹」の本来の意味をご存知でしょうか?じつは、恥ずかしながら私は日本に50年以上も住んでいながら、その意味をまったく知りませんでした。
腹の中に何がある?
切腹は現代における「死刑」と同等の認識でしたが、本来は「身の潔白を示す」ための行為です。
つまり「腹を切れ」は
「腹を切って、腹の中にあるものを見せてみろ」
の意味でした。
そして、身の潔白を示すために
「ほら、腹の中に黒い物など何も入っていなかっただろ?」
と見せるというのです。正気の沙汰ではありません。
黒い物とはいったい何のことでしょう。
心は腹の中にある
先日、「賢者の書」を読みました。かなり面白い内容なので、あなたもぜひ読んでみてください。
7番目の賢者が「切腹」について詳しく解説していました。日本人は腹の中に「心」があると信じていたようです。そう、あなたのポッコリお腹の中に。
心とは架空の物のように思えますが、実際はどこかにある物。昔の人が腹の中にあると考えたとしても納得できます。ポッコリお腹には大きな心が詰まっているに違いありません。
たとえば
腹が立つ
腹が黒い
腹が固まる・腹が決まる
腹が据わる
腹ができる
腹が煮え返る
など、日本語には「腹」が使われている慣用句もたくさんあります。これらの慣用句を見れば、心が腹にあると考えたことがよくわかるのではないでしょうか。
何か大きな失敗をして切腹をさせられたのは、
「お前、悪いことを企んでいたのではないのか?」
という疑いを掛けられていたからです。考えにくいことですが、悪いことを企むことで、腹の中に黒いものがあると思われていました。
だから、「腹の中をパカッと切って、中に入っている浪漫を見せてみろ」ということなのです。実際はそんなものは出て来ないのですが。
ところで、剣道の書籍を読んでいると「腹」ではなく「肚」の文字をよく見かけますが、どのような違いがあるのでしょうか。
「腹」と「肚」の違い
「腹」の意味を調べると、色々な意味があることがわかります。その中で最も一般的に使用される意味がこちら。
つまり、体の真ん中付近の「おなか」。具体的には臍を中心にした丸い部分を指す言葉です。ちなみに、臍を含む下方の直径一尺の円で切り取れる部分を「小腹」または「臍下丹田」といいます。
一方、「肚」は何を表しているのでしょうか。
調べてみると、「肚」は象形文字ではなく観念文字とのこと。どうやら、五行思想が元になっているようです。つまり、五素「木火土金水」の中心となっているのが「土」で、「土」に体を表す部首「肉月」を付けたのが「肚」ということになります。
意味としては「腹の中」、心の部分を表します。剣道ではよく「肚で攻める」と表現されますが、それは剣道が上辺の技だけでなく心を伴わなければならないという意味です。
上虚下実といわれます。肚を決めれば肩や腕の力が抜けて、良い攻めができるというとでしょう。
腹黒い剣道はもうやめよう
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