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SABRINA HEAVEN (名盤040)

「SABRINA  HEAVEN」

「SABRINA   HEAVEN 」はミッシェル・ガン・エレファントが2003年の解散の年に発表したアルバム、六十分弱全十曲というキリの良い構成で充実した一枚です。ミディアム・テンポの曲が比較的多く、それだけに考える隙間があるので他のミッシェル・ガン・エレファントのアルバムとは異なった楽しみ方ができる作品です。ジャズではないけどジャズみたいな曲やレゲエではないけどレゲエみたいな曲が収められているのは面白いです。これについては各々で感じ方が違うとは思いますが、そうではないと自身は判断、とは言え、何十回の内一回くらいはジャズやレゲエに聴こえることもあって興味深いいくつかのそれらでもありました。一方、ジャンル以外でも紛れもなくその時間、その瞬間という曲がクロージング・ナンバーの「NIGHT IS OVER 」、インストゥルメンタルでボーカルのチバユウスケがピアノを弾いていて紛れもなく夜の終わりを示しています。何度、聴いても朝が始まるようには聴こえず、描写力が素晴らしく感心させられます。この曲やこのアルバムも含めて後も見事に終わりを演出したミッシェル・ガン・エレファント、そんな後押しもあって感心と感傷が混在する本作でありました。本作が発表された際は、まだ、解散の発表はなかったと思いますが、ジャズなのかそうではないのか?レゲエなのかそうではないのか?そのような疑問や動揺から解散するのかしないのか?という疑問を潜在的に誘導させられていたのかもしれません。また、朝の始まりを描写できたら解散はなかったのかもしれないと思わせるアルバムでもありました。

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