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ネヴァーマインド (名盤027)

「ネヴァーマインド」

「ネヴァーマインド」は1991年に発表されたニルヴァーナのセカンド・アルバムです。エレキ・ギターの音の歪み具合が気持ちが良いですが、それをなぞるようにカート・コバーンの歌声もザラザラしていてギターと歌声で二重に摩擦をかけられているようでスッキリした気分にさせられます。また、例えが変ですがベースはダ行で奏でる音加減も良好です。真夏の真夜中、明かりを消灯して冷房を効かせた部屋で本作を聴くと気持ちが良いです。本作のイメージをそのまま演出したそれですが、暗さと冷たさが自身の感情を冷静にさせる作用が本作にはありますが、これもまた二重に重なり効果的です。グランジと呼ばれる音楽ジャンル、ハード・ロックとパンク・ロックの融合とされるそれですがその発想が面白いです。足元にあるような素材を活かしたアイデアに感心させられますが、感情的にはハード・ロックとパンク・ロックと異なるマインドも捻りが効いていてこれもまた面白いです。後のカート・コバーンの死が皮肉にも本作に説得力を加え、それが本作の魅力に繋がる事柄でもありますが、摩擦し消耗しながら作りあげた作品を物語っていてギターと歌声がシンクロしたようにこれもまた相乗効果を与えています。悼む一方でロック・スターの悲しい宿命も滲ませてなんだか複雑な気分にさせられる作品でもあります。

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