「汚い海」セルフライナーノーツ

「正しい声を繋ぎ、また今日を誘う」をリリースしてから早一年
やっと振り返って音源を聴いてみたくなったので制作時期やレコーディング時のことを思い返して書いてみたいと思った
その第五弾

5曲目「汚い海」

産まれたのは全8曲中3番目
比較的古参の曲
制作時期は2018年冬〜2019年の夏頃


誰に頼まれたわけでもなく始めたこの企画
ついにこの曲の制作時期の事を思い出す時が来てしまった

というのもこの曲を作ってる頃の事は
一番思い出したくない
僕の中でブラックボックス化した思い出だ



確かバンドとしては「ミュージシャン/斜陽」のシングルのレコーディングをしてた頃だと思う
僕はこの二曲の事が未だに大好きだ
ただこんなに良い曲を作ってるはずなのに伝わないわだかまりが今にも爆発しそうで
時々ちゃんと爆発しちゃってた時期だ

この頃の僕は
ロックを聴けなくなってた


もう嫌だった
ライブハウスを思い出す空気感が
歪んだサウンドとか
ドラムのスティックのカウント音とか


一番安らいでたはずの音楽を聴いてた時間が
自分の一番向き合わないといけない現実の脅迫の時間になっていた


逃げて逃げていった先に僕が毎日聴いていたのは


リフレインが叫んでる/松任谷由実
明日、春が来たら/松たか子


色々他にもあると言えばあるがキリがないので割愛
大まかにはこの二曲
なぜかたまたま「松」繋がりなのは置いておいて
とにかくこの二曲は僕にとってライブハウスのサウンドと対局な気がして
逃げる気持ちで聴いてたのは覚えている

そんなメンタルの中、僕は嫌気がさしながら
バンマスだとか
フロントマンだとか
一般企業の管理職のような不条理のソレと同じ
やらなきゃいけないと思って楽曲制作に向き合う日々


そんな中この曲のデモが上がった

またどうせ伝わないけど俺は大好きな曲が出来てしまったなと思った
バンドで合わせるとその時のケンゴリアンズのサウンドが愚直に出て
上記の想いとか逸れに逸れ
轟音ライブハウス楽曲に仕上がった


ライブハウスから離れてった気持ちで作った曲が結果的にライブハウスに近づいた曲を作ってしまった



という経緯があり

2年後にレコーディング
この曲だけミックスは
「リフレインが叫んでる」
をずっと意識をして挑んでいた
それが僕のけじめだと思ってた


そんな思い出の元出来た曲だが
今すごく人気が高い
この曲を好きと言ってくれると
僕の心の闇をかすめる
なんだか気持ち悪い感覚もあり
良い顔できない


色々振り返って僕自身が想うのはこの曲は
自分よがりの曲だと思う
愛されたいとすべも知らない人間がガーガー言ってる曲
メロディに絶対的に自信があったので
自分が思ってるグロテスクな感情を乗せても良いだろうというエゴを乗せに乗せれた曲(いつか書きますが「草野球」の詩もそんな感じ)


もうこんな曲書けないし
書きたいという気持ちもない
だからこの頃の記録としてこの曲はライブで披露している

時々ライブで演奏しながら
この曲に「持っていかれる」時がある
その時は僕の人生としてうまくいってない時


精神科に処方される薬のよう
この曲とは上手にこれからも付き合わなきゃ


でも絶対この曲はやり続けてやる
求められてないだろうと思えば思える環境ほど
この曲をライブでやりたくなる
そんな曲です


この曲の制作時期を思い出す為に過去のフォルダを確認し出てきた画像
カエルTでのライブはどうやら2019年かららしい


ご清聴ありがとうございました。

是非音源も聴いてください


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