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パーソナリティ診断は職場に必要か?

雇用主と従業員の関係は、これまで以上に人事チームにとって重要なポイントになっています。
そんな中近年、従業員を理解し、職場で活発な関係を築くために性格検査を利用する企業が増えてきました。

より多くの企業が、従業員を理解し、思慮深い決断をするためにパーソナリティ診断を利用するようになったことを踏まえ、今回は職場でのパーソナリティ診断の使用例・利点・限界についてを少し解説していきます。

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採用前のパーソナリティ診断活用例

パーソナリティ診断は、人事のさまざまな側面を強化するために使用できますが、採用前・採用後の両面で活用でき、採用前においては、一般的には募集と採用のプロセスに関連しています。

まずは採用前におけるパーソナリティ診断の活用例をご紹介します。

活用例①|企業文化との相性診断

パーソナリティ診断は、候補者が所属するチームや会社全体と相性が良いかどうかを見極めるためによく用いられます。
採用は科学的にきっちりと判断されるものではありませんが、候補者が会社の価値観に合っているかどうかを判断することで、企業は不必要な離職を避けることができます。

適切な人材を採用するためには、スキルや知識、経験、専門知識だけでなく、様々な要素が関わってきます。
そんな中でパーソナリティ診断は、会社と将来の従業員の職業的、個人的、文化的ビジョンが、少なくとも妥当な範囲で一致するかどうかを確認するのに役立ちます。

また、企業がすべての候補者に完璧に自社の文化と適合することを求めることは避けるべきであるということを、心に留めておくことが重要です。
むしろ、人事チームや採用担当者は、企業文化に新たな深みを与えてくれる社員を探すことで、視野を広げるべきでしょう。

パーソナリティ診断を活用することで、強みを活かし合う候補者を採用し、豊かな企業文化を築くことができるのです。

活用例②|役割の要件を満たすこと

前述したように、採用は科学的にきっちりと判断されるものではありません。
採用プロセスにはコストと時間がかかるため、企業が新たな職務を設けるということは、一定の要件を満たした人材が必要であることを意味します。

そのため、採用チームや採用担当者は、現実の状況下で候補者の潜在能力を正確に評価することに大きなプレッシャーを感じています。

特定の職種では、より細部にこだわる人やより分析的な人が求められます。
候補者にパーソナリティ診断を実施してもらうことで、その候補者がどのような資質を持っているのか、より深く理解することができます。

パーソナリティ診断は、候補者の思考プロセスや仕事のスタイルについて、きめ細かい洞察を与えてくれます。

例えば、強いリーダーシップを持つ人材を採用したい場合、パーソナリティ診断は候補者の対立管理能力や問題解決へのアプローチを理解するための貴重なツールになります。
採用担当者は、面接時の限られたやりとりをもとに長期的な判断を下すのではなく、具体的なデータをもとに判断できることが最大のメリットです。

活用例③|人事の効率化

パーソナリティ診断によって面接の前に不適当な応募者をフィルタリングすることで、採用プロセスをスピードアップすることができます。

パーソナリティ診断は、候補者へのアクセスや面接が論理的に難しい遠隔地の採用活動において、特に有効であることが証明されています。
人材スカウトのプロセスは1年前とは全く異なっており、パーソナリティ診断は採用の新しい合理化時代の到来を告げる重要な役割を担っています。

ウェブベースで診断を行いそれを評価することで、採用時間が大幅に短縮される一方で、質の高い採用ができる可能性が高まります。
また、人事が物理的な境界線を越えて、世界のどこからでもスキルを評価し、採用を行うことができるので、人材スカウトの範囲も広がります。

採用後のパーソナリティ診断活用例

パーソナリティ診断の価値は、採用の段階にとどまりません。

従業員の経験を向上させるために、採用後の段階でもパーソナリティ診断を活用することで多くのメリットを得ることができます。
以下に、既存の従業員に対してパーソナリティ診断を適用して成功した事例を紹介します。          

活用例④|採用の育成

企業が新入社員を迎え入れるということは、彼らの長期的な成功のために投資をしているということです。
学習と能力開発は、企業が従業員と強い関係を築きながら、従業員が潜在能力を最大限に発揮できるように支援するための重要な分野です。

しかし、すべての従業員が同じペースで新しいスキルを習得できるわけではないため、企業は個人レベルでトレーニングの取り組みを調整する必要があります。
そのため、個人レベルに合わせたトレーニングが必要なのです。
パーソナリティ診断は、採用したばかりの人材を育てるために、有益な方法を特定するのに役立ちます。

パーソナリティ診断のもう一つの利点は、企業が相性の良い特性を持つ従業員を識別し、上手くいきそうなパートナーシップの機会を作ることができることです。
これは、従業員が自分の足場を固めている入社時や育成段階において特に重要です。
このような場合、従業員と親密な関係にある同僚やメンターからの指導があれば、大きな違いが生じます。

活用例⑤|パフォーマンスマネジメント

パーソナリティ診断は、従業員一人ひとりの組織的な習慣、コミュニケーション・スタイル、情報処理能力など、パフォーマンスマネジメントのプロセスに必要な情報をより深く理解するのに役立ちます。
管理職は診断から得た知識をもとに、個別面談で効果的な対話を行い、バランスのとれたチームダイナミクスを確立することができます。

しかし、パーソナリティ診断の活用は、雇用主が従業員に関する洞察を得るためだけのものではありません。
従業員自身も、自分の目標や成長分野を明確にし、方向性を見出すために活用することができるのです。

パーソナリティ診断を受けることで、ほとんどの場合、自己認識を高めることができます。
もし従業員が、大人数のグループや共同作業が多いプロジェクトの管理を苦手としていることに気づいたら、管理職のトレーニングを受けるか、個人として会社に貢献するというキャリアパスを追求することを選択するかもしれません。

活用例⑥|従業員のエンゲージメントの向上

従業員の好みや行動パターンを明らかにすることで、パーソナリティ診断は従業員のエンゲージメント向上に貢献します。
経営陣と管理職にとってパーソナリティ診断は、従業員が職場で興味と満足感を持ち続けるにはどうすればよいかを理解するのに役立ちます。

従業員が何を求めているかを知るのはとても難しいことですが、パーソナリティ診断はその手助けになります。

またパーソナリティ診断は、チームの絆を深めるための楽しい機会にもなります。
一緒に診断を受けることで、従業員は自分の経験や洞察をお互いに話し合うことができます。
そうすることで、チームメンバーが効果的なコミュニケーションや仕事の仕方を理解し、個人の価値観をより一致させることができるのです。

パーソナリティ診断のデメリット

パーソナリティ診断が職場に良い影響を与える点はたくさんありますが、だからといって、それが確実というわけではありません。
パーソナリティ診断は、従業員の永続的な性格特性ではなく、現在の状態を明らかにするものでしかないという意見もあります。

パーソナリティ診断の落とし穴は、従業員を単純化しすぎてしまうことです。
多肢選択式の診断方法は便利で簡単に評価できますが、その人の全体像を把握するために必要な豊富なデータを取得することはできません。
パーソナリティ診断は、文化的背景や言語の壁といった要素を考慮できないのです。

また、パーソナリティ診断で収集されたデータの正確性については、慎重に解釈する必要があります。
新入社員候補者や現在の従業員は、企業が求める資質やスキルについて研究している可能性があり、その知識が彼らの回答の信憑性に影響を与えるかもしれません。

まとめ

パーソナリティ診断は、従業員の心や行動、嗜好を知ることができ、学習や能力開発の充実、職場の人間関係の改善に非常に有効な手段です。
しかし、パーソナリティ診断は、パフォーマンスマネジメントのプロセスのほんの一部に過ぎません。

そのことを踏まえた上で、パーソナリティ診断をうまく活用していけると良いでしょう。

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