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サッカーは「手」でやるスポーツ。

 今回のテーマは「サッカーは『手』でやるスポーツ」です。これは、僕がアルゼンチンに行って教えてもらった言葉です。 

 サッカーは、バスケットボールやハンドボール、野球など多くの球技とは違い、「足」でボールを扱うスポーツです。手でボールを扱うスポーツよりもミスが多くなることは、試合分析データでも証明されています。

 多くのサッカースクールやサッカー教室が、「足」によるテクニックを指導しているのが、ここ数年の日本の現状でした。子どもの頃、僕もサッカーの練習というと、「キックの練習」「マーカードリブルの練習」などのテクニックの練習ばかりをしていました。今のように、「認知」「思考」「判断」を向上させる練習はありませんでした。

 僕は、日本でテクニックを磨いてきました。スペインでも、戦術を土台にボールテクニックを磨きました。これまで、ずっとテクニックを磨いてきたので、当然テクニックには自信がありました。そんな中、アルゼンチンに行って、全く違う「環境」に驚いたのを覚えています。

 アルゼンチンでは、全てのテクニックが無意味になりました。それは、驚くほど地面の状態が悪いからです。デコボコの土の上に、雑草が所々生えているようなフィールドでサッカーをします。パスで転がってくるボールは変則的にバウンドし、向きを変えます。ドリブルをしても、ボールはどこかへ転がっていきます。加えて、アルゼンチンは守備が激しく、ボールを足で動かしていると、足ごとボールを蹴って奪っていきます。

 「環境」によって、自分の「質的優位性」が全く発揮できない状況にいら立っているときに、チームメイトから言われた言葉が、これです。

「サッカーは『手』でやるスポーツだ。足でどうにかするのではなく、手でどうにかするのだ。」

 不規則にバウンドするボールをどうにか足でコントロールしようとしても無理があります。相手の守備も激しく、足だけでボールを素早く動かして相手の守備を破ることは不可能に近いです。

 そこで大切なのは「手」です。アルゼンチンでは、相手をブロックする時に「手」を使います。どれだけボールが不規則にバウンドしていても、足だけではなく体でボールを止めに行きます。この時に、相手の守備選手からの激しいプレスを真面に受けないためにも、あらかじめ「手」で相手をブロックすることが大切なのです。

 「手」の使い方はたくさんあります。アルゼンチンでは、足でボールを扱うテクニックと同じくらい、手で相手をブロックするテクニックを学ぶことができます。アルゼンチンの選手と対人戦をすると、ボールが奪いにくいです。同時に、こちらはボールを奪われやすくなります。

 サッカーは「足」だけではなく、「頭」や「手」を使ってやるスポーツです。サッカーの練習を考えるときには、足だけの練習にならないように注意しましょう。


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音声配信:『VORAZ FUTBOL CLUB』 Anchor/Spotify

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VORAZ FUTBOL CLUB(ボラスフットボールクラブ)は、スペイン産ポゼッションフットボールを体現する、滋賀県大津市のサッカークラブです。現在は、日本サッカー協会にチーム登録し、滋賀県・社会人サッカー連盟に加盟しています。活動の場は、主に日本サッカー協会主催の関西社会人サッカー・滋賀県社会人サッカーリーグ戦です。

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