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シャングリラへゆく⑪シャンバラを目指し進路を北へ

理想郷のことを人はシャングリラと呼ぶ

雲南の香りに魅せられて僕は旅をした
冒険家が探し求めたシャングリラに想いをよせ
奥へ奥へ雲南省の秘境を旅した記録

①から読めばより深く楽しめます
シリーズ「チベットへゆく」の第二部
シャングリラへゆく物語

シャンバラを目指し進路を北へ

2020年10月1日朝
僕(日本人)と妻の劉さん(上海人)
友達の上海人夫婦2人 
通称呼び名は ブル猫(旦那)と
ブル猫の妻(奥さん)
案内役兼ドライバーのそん君(河南省人)
合計5人で麗江より旅が始まる

ホテルの朝食はお粥と卵と揚げパン

ブル猫の呼び名は僕と劉さんが呼ぶ言い方
昔に飼ってた猫の名前が「ブル」だから
劉さんは外人の僕が発音の難しい中国語名を
言っても伝わりにくく面倒だから 
よく通称で言ってくる

それが定着してブル猫と呼ぶようになった

中国では、あるある話で外人には
適当な「あだな」で呼び合う事が多い

可愛そうなのは綺麗な顔の奥さん
彼女は僕らにブル猫の妻と呼ばれている

束河古鎮の朝

朝早く孫君が車で、僕らの宿まで迎えに来て
ブル猫夫婦が合流するのを待つ

で面白い事に

これからの旅の全貌はまだ誰も知らない
という状況だった

今回の旅の日程は僕は
任せていて詳しく聞いていない
というのも劉さんも細かくは解ってない

上海から出発する時も
僕は転生僧トゥルクに会う事だけを目的として
来たので他の事は気にしてなかった
詳しく聞いても、劉さんもよく解ってない
孫君に任せて ついて行けばいいのかなと
そんな程度

そして当日の朝、
旅をイメージ出来ているのは孫君のみ

他の4人はよく解ってない状態だった
山奥のチベット寺に行き転生僧トゥルクに会える
とだけが共通認識だった
本当にその程度

僕も劉さんに昨日何度か 
で一体どこ行くの?って聞いたけど
劉さんは地図とか全く見れないので 
麗江より北!とだけ教えてくれた。いや~雑(笑)

そんな旅

とは言え何となく孫君の頭の中でルートがあり
麗江に戻る日は決まってる

だから一体どんなルートでどこに行き 
どうなるのか?
全く想像できないまま僕は車に乗り込んでいた

少し走った時に
今からどこに向かうの?って聞いてると

寺のある場所は 理塘りたんに近いと初めて知る

僕は
えっ!理塘りたん?そんな遠くへ?

理塘りたんは四川省で今いる雲南省から北上し
四川省に入り山をいくつも越えた
高地にあるチベット村
理塘りたんの手前の山奥に目的の寺があるらしい
ここからだと およそ400km程先である

1日で辿り着かないので途中で1泊するらしく
孫君の頭にイメージがあるようだ

いや~マジ!そんな感じなのか(笑)
ようやく僕も何となく全貌が見えてきて
もう笑いが止まらないというか
ワクワクしかない
こういう無計画な旅は好きだ

麗江-理塘 イメージ地図

で僕は改めて理塘りたんを地図で見ると
いや~ここから かなり遠いな!と

状況によっては理塘りたんで1泊すると
孫君が言うので期待した

というのも
チベット仏教史の中で度々出てくる地名の理塘りたん
ここも有名な寺がある
しかも理塘りたんに行く事はチベット仏教に
興味がない限り行く事がないような
人郷離れた場所

更に理塘りたんは僕の好きな
詩人法王ダライ・ラマ六世とも ゆかりがある地

そんな会話を車内でしてると
8月にも来た香格里拉シャングリラ県へ早くも入った

香格里拉県へ入る

そこからしばらく走り香格里拉シャングリラ市へと入り
昼ごはんを食べる為に車で店を探し麺屋に入った

道沿いにある麺屋の厨房
トッピングは自分で好きに調整できる
ピリッと辛みと香草に肉と豆を入れる

食事を終えて休憩し再び北へ向かう
途中から谷の合間をずっと抜けるような感じで
険しい断崖壁にそった道をひたすら走る

かなりスリリングな道を走る
滑ると崖から落ちるような道が続く

舗装されてない区間もかなりあり
ガードレールもなく怖い

本当に山の中はまだまだ
こんな状態なのかと都会にいると解らない光景だ

どうやら今日の宿泊先を決めたらしく
車内では、妻やブル猫達が宿の予約を始めた

今日目指すのは香巴拉シャンバラという町

シャンバラとは仏教に出てくる理想郷の事
シャングリラと同じく2005年に
村が改名し香巴拉シャンバラと名乗ってる

一同を乗せた車は進路を香巴拉シャンバラへ向けた
ずっと山というより崖道、それを抜けると
田舎道をひたすら走る


途中で何個かの村というより集落も抜ける

山に見える集落

こんな場所にも人住んでるんだねと
電気は通ってる感じだけど
都市からかなり遠い山の中

集落では煙突から煙がみえ料理の支度
ガスなんてないから
まだ窯で火をおこし炒めもや料理を作っている

あちこちで
チベット信仰の仏塔やらタルチョが目に付く
山の中に寺が見え僕らは立ち寄った

山の中で立ち寄った小さな寺


こんな場所でも信仰している事に驚く
自然と共に農作物を育て自給自足に近い暮らし
そして彼らはみなチベット仏教を信仰し
祈りを捧げている

綺麗な仏塔が太陽の光に反射して綺麗だった

21世紀に入り情報が飛び交う世界
NETが普及し今では世界と普通につながる時代

しかし、そんな情報とはかけ離れた暮らし
そこに宗教により生きる糧を得て
彼らは暮らしている

素朴で穢れがない

僕らのような欲もきっと少ないのだろう

カラフルなタルチョが風に揺れる

チベット仏教の信仰とは 
本来こんな素朴な暮らしの中にこそ生きている
拉薩で権力争いを繰り広げる傍ら
来世への信仰は静かに 静かに
素朴に暮らす人々の心の中で輪廻してきたのだ

僕らを乗せた車は更に北を目指し走る
窓の外に見える景色がどこか懐かしく感じ
日本の田舎道を走るような錯覚を受けつつ

夕刻6時頃に
香巴拉シャンバラ鎮という町についた
1日車で運転してくれた孫君にお礼をいい
ホテルへ行く
そして想像以上に この場所だけ都市化して
こんな山奥に こんな町がある事に驚く

香巴拉鎮の中心広場

今回の旅で運転費と旅費として
他の4人で孫君にある額のお金を渡している
個人ツアー依頼みたいな状態
彼は一人もあり僕らと違い安宿をとり
宿泊先は別々だった

そして、少し村を散策
こんな山奥にしては店もあり
メイン通りの1本だけは綺麗で人も多く
賑わっていた

少数民族も目立つ

この通りだけが都会化していた
コンビニもスーパーもあった
町から外にでたら
ほんと山の中だから不思議だ

夜ごはんを食べる店を決め鍋料理屋に入る
豪快な鍋で味も美味しくとても安い

鉄鍋で油をたっぷり入れ山の幸を炒める、次に酸味のある出汁を入れ鍋にし魚をいれる

この鍋が美味しく
疲れていた僕らを元気にしてくれる

店主からサービスで月餅が配られ旅の無事に乾杯した

今回の旅の無事を祈り5人は食事をした

少し海抜が上がってるので
ちょっとずつ高山病の気配を感じ
坂を歩くも息が切れていた

僕は1年前の拉薩でヒドイ高山病に
悩まされたから
なんか嫌な感じだな~と思っていた

宴会は続き香巴拉シャンバラの夜は月に照らされていた

シャンバラを目指し進路を北へ

食後、他のメンバーはホテルに戻ったけど
僕は一人散策にでかけた

少し町から外れると もう外は暗い闇の世界
闇夜の田んぼに山の間から入る風が稲を揺らし
月光がまぶしいく不気味に照らす

町の外れまで散策しにいった

全く想像のつかない旅

こんな闇の中で一人 稲の揺れる音を聞き
月を眺めると どこか遠い日本を思い出す

ここに来る道も日本の田舎を連想し
どこか日本的な風景を感じていた

しかし、ここは日本から遠く遠く離れ
四川省の都市からも雲南省の都市からさえも
遠く遠く離れ 観光で外人が来ることもない
山の中の中にある
理想郷の名をもつ香巴拉シャンバラ


もう引き返せない程 
奥に奥に山奥に

もう引き返せない程 
再び僕は仏の世界へ近づいている

理想郷だと言われるシャンバラ
その先に見えてきた
シャングリラの転生僧トゥルクの住む寺に
明日は無事に
たどり着けるのだろうか?

転生僧トゥルクに会いに奥へ奥へ秘境の寺へ続く

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