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遺言書はちょっと、という方はエンディングノートを書いてみましょう


もしあなたが今日にでも亡くなったら、あなたの想いは家族に伝えられますか?

もしあなたが急に認知症が悪化したら、あなたの残りの人生は希望通りになりますか?

もしあなたが突然いなくなったら、家族は困りませんか?

そんな時、家族は、あなたの想いは叶ったのか、あなたは天国で満足しているのだろうかと、きっと長い間悩み続けることになると思いませんか?

残された家族のために、あなたの想いを文章にして残してみませんか!!

最近は、書店でも、インターネット上でも、たくさんのエンディングノートが用意されています。

中には、何十ページにもわたるものもありますが、それを完成させようとすると、なかなか始められない、という方も多いかと思います。

そこで、最低限の内容で、留意点も添えて、記載項目を挙げてみましたので、参考にしてみてください。


【 1 】 自分史

①履歴書
氏名、生年月日、住所地、本籍地、学歴、職歴、職歴以外の活動

❤相続手続きに必要な除籍謄本、改製原戸籍、住民票(除票)等の取得に必要な情報です。

②家族の連絡先
氏名、生年月日、住所地、本籍地、続柄、電話番号

❤相続手続きに必要な相続人の戸籍謄本、住民票等の取得に必要な情報です。家族がいらっしゃらない場合は、遺言書の作成をご検討ください。

③友人の連絡先
氏名、住所地、電話番号、分類(親族、友人、仕事、その他)

❤看取りや葬儀に参列してほしい方の連絡方法になる情報です。

【 2 】 資格、免許、叙勲など

【 3 】 居住履歴

❤相続手続きに必要な改製原戸籍の参考になります。また、地方銀行に預金口座がないか確認する場合にも参考になります。

【 4 】 介護と医療

①介護

誰に介護を受けたいか、介護を受けたい場所、入所希望施設、信頼しているケアマネージャー、認知症の度合い、費用の支払方法(自己資金、不動産売却、家族の援助など)

②医療

持病、病歴、かかりつけ医、入院希望病院、病名・余命の告知、延命治療、胃ろう、その他医療行為に関する希望、臓器提供、費用の支払方法(自己資金、不動産売却、家族の援助など)

❤介護や医療が必要になった時、どうしてももらいたいか、どうしてほしくないか、きちんと希望を書いておくことが家族への思いやりになります。

【 5 】 食事

1日の食事回数、飲酒の有無、飲酒の頻度・量、味付けの好み、好きなもの、嫌いなもの、喫煙の有無、1日の喫煙量

【 6 】 家系図

❤相続人を特定するために必要な情報です。子供がいらっしゃらない方、内縁の妻に財産を残したい方、お孫さんに財産を残したい方などは遺言書の作成が必要です。

【 7 】 財産管理

①遺言書

遺言書の有無、種類、保管場所、遺言執行人の有無、遺言執行人の氏名、公証人氏名、関係した弁護士、関係した税理士、関係した司法書士

❤相続手続きや相続税の申告のために必要な情報です。遺言書の存在を知らずに、遺産分割協議を成立させた場合、当事者に錯誤があったとして、遺産分割協議が無効と可能性が高いです。

❤自筆証書遺言で遺言書を作成された方は、法的要件を備えているか、今一度確認するか、専門家にご相談ください。

②財産の種類

・現金(保管場所)

・預金(金融機関名、支店名、種類、口座番号、通帳・銀行印・カードの保管場所、貸金庫の有無)

・有価証券(証券会社名、支店名、口座番号、証券等の保管場所)

・不動産(所在地、種類、地積、共有者、利用方法)

・会員権(会社名、住所、口数、証券等の保管場所)

・生命保険(会社名、支店名、名義人、被保険者、受取人)

・その他の保険(会社名、支店名、名義人、保険対象、受取人)

・貴金属、書画骨董、車両(保管場所)

・クレジットカード(会社名、保管場所)

・貸付金、借入金など(相手先氏名、住所、電話番号)

・財産分けの希望(誰に何を、誰にいくら、その理由)

❤相続手続きや相続税の申告のために必要な情報です。具体的な金額を記載する必要はありません。

❤重要なことは、どんな財産債務があるか、どこにあるか、通帳などはどこに保管しているか、です。漏れると相続税の追徴などのペナルティとなります。

③後見制度

任意後見契約の有無、成年後見人の希望、財産管理をお願いしたい人

※後見制度とは 体が不自由になったり、認知症などで身上看護や財産管理が十分にできなくなった場合に、自分に代わって家族や、専門家が代理サポートしてくれる制度です。

このうち、「法定後見制度」は法律による後見制度で、一定の者の申し立てにより裁判所が選任した後見人等が代理サポートをします。(事後的に申し立てるもの)

これに対して、「任意後見契約制度」は本人が十分判断能力を有している間に、将来に備え て自分の代理人となるべき人と契約しておき本人の判断能力が、不十分になった時に後見人になってもらう制度です。(事前に契約するもの)

【 8 】 お葬式

最期を迎えたい場所、看取ってもらいたい人、お葬式の形式、規模、参列してほしい人、葬儀社の希望、喪主の希望、遺影写真の希望、納棺時の服装の希望、形見分けの希望

【 9 】 お墓と供養

お墓の有無、入るお墓の希望、手元供養・永代供養の希望、散骨・樹木葬の希望、墓参りや法要・仏壇の希望

【 10 】 家族に伝えたいこと

❤家族が読むことを前提に記載してください。誹謗中傷ではなく、最後のメッセージを記載してください。

注意していただきたいことは、エンディングノートは遺言書のように法的効力は一切ありません。

遺言書が必要な場合は、専門家にご相談ください。

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