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住宅営業にFPを勧める理由〜空き家相談の実例①〜

先日、空き家活用についての相談が寄せられた。今回のケースは、一般的にも多いイメージがあるので担当スタッフとのやり取りも交えながら書きたいと思います。

「相談内容」
・相続で取得した戸建てを所有している
・塗装リフォームの訪問販売会社から頻繁に営業を受けている
・解体するか売却しようか、またはリフォームして貸した方が良いのかなど悩んでいる
・空き家(実家)所在地は首都圏
・管理している方は遠方で持家


〜担当者(部下)との電話でのやり取り〜

担)これからお客様宅に伺い打ち合わせをしますが、家賃相場など調べられますか?
※担当者はリフォーム部に所属。
※担当者は先に賃貸部へ連絡。しかし、受けた者は売買+相続/空き家の活用も絡んでいる相談ということで手に負えないと判断(・・?
ということで、私に連絡がきました…

私)その前に、相続で取得してから何年経っているかお聞きした?

担)はい、10年くらい前と言っていました。

私)相続登記をしていなかった場合には売却等もすぐに出来ないので先に確認した方がよいよね!
ちなみに相続登記の義務化については知っているかな?

担)すみません、知りませんでした。自分が知らないくらいだからお客様も知らないかもしれませんね(注)。先に確認します。他に確認事項などありますか?

私)他のご兄弟もいらっしゃるか、家族間でどのような話しになっているかのヒアリングも先にしておくべきだね。

担)えっ?

私)所有者が誰なのかは確認しておかないとね。
相続登記は終えていると仮定して管理している方の単独名義なら良いが、他の相続人名義も入っていたらその方々の意見も聞かないとね^_^
リフォーム+賃貸ありきの考えではなく、まずは全体像を把握することと当事者(名義人)の意向も確認しないとね^_^

担)わかりました!


▪️電話で約10分くらいのやり取りだったが、相談内容から私が感じ取ったこと。

1.管理=窓の開け閉めなどで来ている最中に、訪問営業を受けていたのだろうか。チラシ投函も多く処理も大変だったのでしょう。
⇆解体や売却を検討?
2.相続取得から10年も管理し続けていること。よほど実家に思い入れがあるのでしょう。また他にも事情があるのかもしれない。
⇆リフォームや賃貸を検討?
3.相談内容からして情報収集はマメにされている方と思われる。セミナーなどにも参加されているようなので、住宅営業マンが1番失敗するパターンに陥いる可能性あり。
⇆自分が持っていきたい方向の話しばかりになり、顧客利益優先から逸れていってしまう。

〜まとめ〜
今後も様々なケースがありそうなので、タイトルは実例①とした。

読んでいただいた方はお気付きになったでしょうか?
身内だからと庇うわけでもないのだが、サラリーマンである営業スタッフは自身の役目を全うしようとする。それは、意図的にというよりは無意識のうちに「自身の為のゴール」に近づけようとしてしまいがち。
そして、サラリーマン営業は専門外(知識に自信がないなど)については早く手離れしたいとの心理が働くことも多く見られる。

セミナーやYouTube、SNSを活用し情報・知識はいくらでも取れる時代。特にリスキリングという言葉を総理大臣が使うくらいですし、、

お客様の方が情報も知識も上であったら住宅のプロとして対価をいただけるのか…
過信してはいけない、説得ではなく納得していただく為に「様々な仮説」を立てながら、顧客にとって1番良い方向へ導いてあげることこそがプロの仕事だと改めて思った🤔

〜後日談〜
自身が生きている間は頑張って維持していく。空き家状態のままメンテナンスをおこない、最後は息子の世代に任せるとのことでした。
実家への愛着もあり賃貸には出さないことに。

お客様と会話しているなかで、担当者自身も提案の幅を広げる必要性について何か感じていたようです。そのため、実務知識に使えるFPが良いよ!と伝えたがはたして考えているかな🤔
自主性を持たないと資格勉強は続かないと思うので、今後に期待したい(^^)

今回のケースでは、敷地や前面道路も広くとりあえず近隣トラブル等の心配はないだろうとのことだが、息子さんに任せるつもりだと言われたところで家族信託の話しや息子さんの意向も確認しておいた方がより良いかもね、認知症などになってしまうと息子さんやご家族が大変な状況になることも想定しておく……と留めました。

今後も実例の中から抜粋して書いていきたいと思います♪

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