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詩集 A Space

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なんとなく A Space な詩をすこしずつアップしていきます。 すこしでも、七輪でししゃもでも焼いていただけたら幸いです
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記事一覧

[詩] レザーバングル

前から欲しかった レザーバングルを サイトで 眺めてて コーヒー  素敵だな  頬杖だな フミ…

林ケンジ
1年前
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[詩] サンサロ

三叉路の左を行けば 右の可能性が消える 真ん中に立っていると 左右がかなり遠くまで見える …

林ケンジ
1年前
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[詩] ある部屋、そして

そのほうが、かっこいいからだろう そんなことを考えながら、回廊が右に曲がっていて ドアが…

林ケンジ
1年前
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[詩] しゃべりすぎた夜

大人のデニムジャッケットは春を感じるライトブルーで選んで。もう一度言うよ。大人のデニムジ…

林ケンジ
1年前
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[詩] 黄色いカバーの本

黄色いカバーの本が、二人の間に置かれている こっち側に、本の上部が向いている いつも、カ…

林ケンジ
1年前
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[詩] ラブ・ソング

あなた 物をよく見なさい はい。 じっとテレビの画面をじっと見つめて 次々と移り変わる画面…

林ケンジ
1年前
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[詩] オト の

眠り 夢の中 ピピッ 椅子に座って ピピッ 目を開けて きちんと手揃えて机の上 ピピッ 頭の中 散歩していた 角を曲がり ピッ 目 映る  ビル 影の下を歩いて いる 外国語学校 ピピッピピッ 二階の窓が開いていて 電柱だんだんせまって ピピッ ピピッピピッ 声が 「私は       です。」 ピピッピピッピピッ 紫陽花の花一つ一つに張り付いた 「    」の中に刻むしかない 音の名前     音の名        オトノナ ピピッ ピピッ ピピッ ピピッ ピ

[詩] トマト

トマト? 私の頭上を超えて、通りをわたって 向こうの茂みに落ちた 落下地点に急ぎつつ歩いて…

林ケンジ
1年前
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[詩] テニスラケットダイアリー

空 満開の時のテニスラケット  ふわふわぺらぺらな 海の匂いのする最後のカーボンニュートラ…

林ケンジ
1年前
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[詩] 感傷的は敵

無駄に暑かったりー、寒かったりだからー ーアイスー はかかせない   どのみち、エアコンが…

林ケンジ
1年前
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[詩] ミー

鉄棒に足を掛けてぶら下がり 逆さの街をみている 少し遠くの公園の外を人が歩いている 少し高…

林ケンジ
1年前
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[詩] A Space

新しく置かれたものが、空間と 親密なのは周知の事実 だが 私の見えない触ることができる場所 …

林ケンジ
1年前
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[詩] エアー

歩道の明かりが筋になって、通りを北から南へ 歩いている人の今年の流行りのスモーキーな色の…

林ケンジ
1年前
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紹介を兼ねたフィクション

 いつも、朝8時30分が猫への餌やりの時間。缶から半分だけ皿に移し、夕飯用にラップをかけて、輪ゴムで二重にとめ る。そんないつものルーティーンをそつなくこなしていた時だ、自分の声を キャッチした。  こっちの輪ゴムのほうが可愛いかも  猫はキッチンの収納をカリカリ、カリカリ。額を僕の足に スリスリスリリ。  なにかを、察した。それから、頭の中にイメージが走る。小6のころ、ボーイスカウトの出し物のときに女装して、監督役の大学生の困ったような怪訝な顔。その頃まで、きのこの