見出し画像

きっと上手くいく

「みっちゃんの好きな映画10」の中にいつもランクインするのは、 インド映画『きっと、うまくいく』‼️ こちら、観た人は、実際にモデルがいることを知っていますか?公開当時、話題に上がったソナム◦ワンチョクさん。 なんと先週、来日され講演会...

Posted by Michiko Horinouchi on Wednesday, April 26, 2023

●「きっとうまくいく」(講演ほぼ全文)その1

日本では、このタイトルで知られるインド映画”3idiots(三馬鹿)”の主人公のモデルとなったソナム・ワンチョクさんの講演会に行ってきました。主演のアーミール・カーンに負けないハンサムで素敵な人でした!

彼が住んでいるのは、インドからみてヒマラヤのさらに向こう、中国側にあるチベット高原のラダック地方。「照りつける日差しがキツく、荒涼とした風景は、まるで火星のようで、毎日窓をあけると、こんな風景が見えます。」と、言って彼が見せた写真に、会場中の人が息を飲みました。

「こ、こんなに火星にそっくりなのか!あんなに大きなクレーターまで!」と、思った途端に「ま、これは本物の火星の写真なんですけどね!」で、ドッカーン!と会場は大爆笑。「やられた〜!」と、期待を裏切らぬユニークなツカミで講演は始まりました。

そして、彼は、今日これから話すメッセージを、最低でも10人の人に伝えてください。そうしないと、明日お風呂でころんでケガをしますから、必ず伝えてください。という呪いをかけました。笑 ころんでは困るので、みなさんにお伝えします。(なので冒頭のツカミのネタバレも含めて全部お伝えしちゃうわけです。^^)

そもそも、彼はエンジニアです。

映画の中では、まだドローンがない時代に、それを1から設計して飛ばすような、最先端の技術をも使える優秀な工学部の学生でした。

しかし彼は、その力を産業のためには使いませんでした。製粉所もない山の村でも小麦を粉にひけるように、バイクのチェーンでモーターをまわす簡易製粉機を作ったりして、故郷のチベットの村を豊かにし、子供たちにそういう発想を教える学校を作ったりしていました。

実際の彼も同じです。たとえば、ラダックはとても寒いのです。太陽の熱はきつく、頭は日焼けするけれども、標高が高いために足には霜焼けができる。そんな気候なので、どこの家でも火を絶やしません。そのために、CO2が排出されて温暖化を促進し、氷河の融解に手を貸していました。


地球温暖化の話は、知ってはいるけれど、どこか他人ごとです。

遠い太平洋の島が沈んだり、ペンギンが困ったりしているのは知っていますが、いままで何度も地球は氷河期と間氷期を繰り返してきたんだから...と、いう程度にしか考えていませんでしたが、彼が示した写真をみて、ドキリとしました。

20年前には6階建のビルくらいあった氷河が、今は小川ほど。溶けてたまった水は洪水を起こします。最初は、80歳の老人が、生まれてはじめて経験する、という規模だったのに、数年おきに同じ規模の災害がおきるようになり、表土が流されることで洪水の間隔がどんどん短くなってきていることが、地元の人ならではの写真でよくわかりました。この氷河の水は、チベットだけでなく、中国とインドの人口を支えている水なのに、急速に枯渇しているのです。

特に両国の急激な工業化が温暖化に拍車をかけているわけですが、「世界の人々に変化を求める前に、まず我々から変えるべきだ」と考えたソナムさんは、暖房のいらないオルタナティブな学校(SECMOL)を作りました。

温室のようなガラス窓で囲うことによって強い太陽光をとりいれて、チベット高原伝統の版築による土壁に熱を蓄え、それであたためられた空気を対流させて、熱を循環させるというシンプルな構造です。

一切の化石燃料や、薪などを燃やすことなく、マイナス20度を下回る気温の中でも、この建物内は18度という、常春のような室温を保っています。

「熱というものは、伝導、放射、対流の3つによってしか伝わりません。高校の物理の教科書をひらくと最初に出てくる一番簡単な法則ですが、それを形にするとこうなりました。」と彼は静かな笑顔で説明します。さらに、この学校は寄宿舎制で、生徒たちの給食は鏡を使ったソーラークッカーで作られ、パソコンの電力も太陽熱から供給されています。実にシンプルで美しく自然に沿った計画です。

彼は、これと同じ仕組みをとりいれた野営用のテントも作りました。

チベット高原はインド、中国、パキスタンの三国が接しているため、各国の軍隊が駐在していて、インド軍兵士たちが野営のために使う燃料から出るCO2だけでも、1.5トン。それでもまだ、寒さに震えて眠らなければならないのだそうです。ソナムさんはインド軍にこのソーラーテントの技術を提供し、同じ技術を、UNに仲介を頼んで、中国や、パキスタンの軍隊にも提供したいと言います。自然を守るためには、敵も味方もないのですね。

そのためのテントを作る作業は、彼の作った学校の生徒たちの仕事でもあります。こうすることで、学生たちは環境によい建物の構造と作り方を実践的に身につけ、お金を稼ぐこともできるわけです。

実は彼は、学校を運営する教育家でもあります。

●「きっとうまくいく」(講演ほぼ全文)
その2

"3idiots"がヒットした背景には、インドの強烈な競争と学歴社会の問題があるからだろうとソナムさんは言いました。

彼の信条としては、教育とは、実践的に人の生活を豊にするものでなければならない。問題や自然と関わりを持ち、自然と人間に深くかかわるものでなければならない。そのためには、これまでの3R教育(読み書き算盤的な教育)から、3H教育(Head,Heart,Hand)に切り替えなければならないと説きます。
今、彼はこの信条を体現した大学を作り、学費をもらわず、むしろ学生へ払うというやり方で、砂漠の谷を緑に変えようとしていました。

たまたま、この講演会の朝、NHKで中村哲先生のドキュメンタリーを見たので、その姿がソナムさんと重なります。水さえあれば、不毛の大地を緑にすることができるので、中村先生は用水路を作られました。しかし、ソナムさんは、チベットの自然を活かしたユニークな装置を発明しました。
それが、氷の仏塔です。

農繁期である夏には川の水が干上がってしまうのに、農閑期である冬には潤沢にある。その水を凍らせて、水が少なくなる夏に溶かして使いたい。そのためには、溶ける速度を遅らせるために、太陽があたる面積をできるだけ小さくして、大きな容量の水を溜めたい。「それなら円錐形がよいのは、中学の幾何学で習いましたね?」と、ソナム・スマイル。
そして、円錐形のピラミッドを作るためには水を高く吹き上げれば冬場の気温で自然に凍る。でも、モーターも、動力も使わずに水を高くふきあげるにはどうしたらいいか?これをやるには、チベットの急峻な地形が役にたちます。「水はいつも同じ水位を保とうとします。これも、理科の時間で習いましたよね?だから、山の上からパイプを引いてくれば、同じ高さに上がろうとして噴水ができます。それが夜の間に凍れば、自然に氷の仏塔が作られるわけです。なんの動力も必要ありません。」と、ソナムさん。ああ、なんと素朴で、実践的で、美しいやり方でしょうか!
チベットの仏塔に良く似たこの氷の塔は、いまではスイスやチリなどでも使われる技術となり、夏場の水不足を解消するのに役立っています。

めでたし、めでたし...と、言いたいところですが、ここでソナムさんは、画面いっぱいにBUT!という、大きな3文字を映し出しました。
しかし、この程度では限界がある。自然を守るには、都市に住んでいる人たちの意識変革が不可欠だ。それなしに、温暖化を止めることはできない、というのです。
「we are innocent victim. (私たちは、罪のない被害者です)あなたがた都市に住む人たちが変わってくれなくては、私たちは山に住むことはできなくなります。 Please Live Simply, we may simply live! (どうぞシンプルに生きてください。私たちは生きているだけでいいのです。)」と、この日、一番彼が伝えたかったメッセージが映し出されました。

また、仏教徒らしくお釈迦さまの言葉も添えられました。
「千の欲望を満たすよりも、一つの欲望を克服することが大切だ」と。

●「きっとうまくいく」(講演ほぼ全文)その3

そして、ここからが、彼の発明家としての面白い試みですが、
#ilivesimply movementという、クラウドファンディングのようなサイトをたちあげて、自分がどのようにシンプルに生き方を変えるかを誓った言葉を入力すると、それで節約される環境負荷の金額が表示され、(実際にはなんのお金も動かないのですが)たくさんの資金が集まっていき(みんなの気持ちが可視化されていく)...というサイトのようです。現在2万8千人の人がこのサイトに登録していて、ソナムさんは聴衆のみなさんに、このサイトに登録して、自分の誓いを入力して欲しいと呼びかけていました。

最後に、このサイトに書かれた文章をご紹介して 彼の言葉とさせていただきます。これで、私が明日、風呂場で足を折ることはないでしょう。笑

「気候の緊急事態に対処するためには、政治や政策と同様に個人の行動も重要です。

#ilivesimply運動は 、誰もが気候危機と闘うために自分の役割を果たす、グローバルな取り組みのプラットフォームを作ろうとするものです。

あなたのライフスタイルを少し変えて、あなたとあなたの未来の世代のために、この世界をより住みやすい場所にすることを誓いましょう。」

私の誓いはこうです。

アーユルヴェーダを実践する人を増やすことで、無駄な医療資源が使われず、健康で正常な判断力の人が増えることによって、環境の保護と人々の幸せに貢献することです。さて...これは何ドルになるのでしょう?

とりあえず、今週末はインドからのオンライン講座をすることで、講師の飛行機移動によるCo2を削減しております。笑

また、セラピストコースも福島での集中合宿にすることによって、毎回の通学のCO2も削減しておりま〜す。^^

●女性のためのアーユルヴェーダシリーズ2
https://form.os7.biz/f/ecc129c4/

●福島セラピストコース合宿
https://form.os7.biz/f/fd23a95e/

●インドセラピストコース レベル1
https://form.os7.biz/f/0d2ae5f7/

●インド グルックラコース
https://form.os7.biz/f/7c2e14e0/

●GWのアビヤンガマスター講座
https://form.os7.biz/f/abca3603/

●GWのサンスクリット読み方マスター講座
https://form.os7.biz/f/0eb6bb16/

●Dr.アーシャの夏のリトチャリヤ
https://form.os7.biz/f/fa7b1631/

#ジュレーラダック
#ソナム  ワンチュク
#インド
#3idiots
#地球温暖化にも
#人々を豊にする
#役に立つ教育を
#アーユルヴェーダでやりたいなあ
#きっとうまくいく
#サトヴィックアーユルヴェーダスクール
#makikoayur

#ジュレーラダック
#ソナム  ワンチュク
#インド
#3idiots
#地球温暖化にも
#人々を豊にする
#役に立つ教育を
#アーユルヴェーダでやりたいなあ
#きっとうまくいく
#サトヴィックアーユルヴェーダスクール
#makikoayur

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?