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【q値・m値の計算⑪】複数の層で構成された部位のU値(1)

これまで、断熱・保温性能を表すq値の計算を勉強してきました。今回からはU値の計算方法について説明します。

この記事は、次の動画の内容に加筆・修正しました。あわせて動画も視聴してください。

復習:q値の計算

復習ですが、q値は室内外の温度差が1℃のときに室内から室外に流れ出ていく熱を表し、単位はW/Kでした。

q値は、室内外の温度差が1℃のときの面積1㎡あたりの熱流を表すU値(単位:W/㎡K)に、外皮の面積と温度差係数をかけて計算していました。

q値の計算

このように、U値が異なる部位についてそれぞれq値を計算します。例えば壁でしたら、壁のU値に壁の面積をかけるという具合です。異なるU値をもつ壁の場合は、別々にq値をだします。温度差係数は、多くの場合は1ですが、床下に面する外皮の場合は0.7をかけて計算することを勉強しました。

さらに、線熱損失係数ψ値という概念もありました。これは、壁や床などの性能が面積あたりに定義されるのに対し、土間床周辺部やRC構造熱橋では長さあたりに定義されるという違いがありました。ψ値は室内外の温度差が1℃のときに長さあたりの熱流を表し、単位はW/mKでした。1mあたりで定義されているので、q値は、ψ値に長さと温度差係数をかけて出しました。

このようにもとめた各部位のq値を全部足すと、家全体のq値が計算できます。

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