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withコロナの更なる長期化を見据えて

「ワクチン2回打ちました」という言葉が、「あなたを感染させる心配はごさいません!」ということを意味するかと思いきや、「感染しても、私は(たぶん)死にはしません」というメッセージに過ぎないことが明らかになりつつあるようです。

この事実を見る限り、「そのうち収束して元の世界に戻るだろう」という期待感は私の中で無くなりました。むしろ、「今後一生withコロナかも」と思うようになりました。目の前にある飲食店を貸し切って、大人数でワイワイ飲むという行為自体は、やろうと思えば今すぐにでもやれるわけですが、それができない(もう二度とないのかもしれない)というのは、非常に不思議な感覚です。

当面大きな技術進歩もなく(高精度で即結果の出る低コストなPCR検査など)、ワクチンも治療薬もイタチごっこがずっと続くのであれば、「海外旅行をしたいなら、前後2週間は隔離生活」みたいな話になるわけです。フルリモートで働ける人でもない限り、5泊6日の海外旅行のために、+28日の有給休暇の取得と、隔離施設の滞在費用の負担が必要になります(もちろん、PCR+ワクチンで隔離不要とする国もあるでしょう)。仮にフルリモートで働けたとしても、5泊6日ビーチで過ごすために、1か月間も隔離生活をするのは割に合いませんね。

とはいえ、「皆さん!一生、自粛してください」というのは無理がありますので、今ぐらいの症状のウイルスのままであれば、仮に感染者が何人でようが徐々に規制を緩和してく流れになるでしょう。日本の場合、この方向性は、これまでの政策路線とは明確に異なるので、すぐにこうはならないだろう…というのが私の読みです。

とはいえ、「会社の忘年会は、PCR+ワクチンで全員参加するように!」とはならず、「プライベートは自己責任で!」というのが緩和の限界でしょう。「確かに死にはしないかもしれませんが、忘年会でさほど仲良くもない人と飲んで寝込むのは御免です!」という主張には正当性があるので、「しばらく高熱で寝込むリスクを許容してでも、一緒に遊びたい相手」としか飲み会は成立しなくなるわけです。

これを朗報と感じる人もいれば、「会食こそが仕事であり、生き甲斐である」という人にとっては悲報かもしれません。私個人は、飲みにケーション文化がそれほど嫌いではないので、少々残念ではあるのですが、「毎日PCR検査受けているからヨシッ!」と言いながら足繫く会食に向かう姿は、さすがに滑稽に思えてしまいます。

規制が段階的に緩和された後、「頻繁なPCR+ワクチン+アクリル板」でビジネス目的の会食文化が再び栄える路線に向かうのかどうかは、個人的に非常に興味があります。「上場区分 × 都心地方」のマトリクスで、それぞれどういうスタイルに向かうのかを見極めたいところです。

規制緩和のレベルは、ビジネス領域ではある程度保守的なラインに落ち着くとは思いますが、「プライベートは自己責任で!」となると、ここには価値観の幅が生まれると思います。「死にはしないんだから、昔みたいに楽しもう!」という人もいれば、「これは陰謀だ!」と引き籠る人もいるでしょう。同居している家族間でも価値観にバラツキがでるかもしれません。私個人としは、「ワクチン効果で死ななくても、熱で暫く寝込むくらいなら、過度にハイリスクな行動をしたいとは思わない」という感覚です(今は)。プライベートで遊ぶ場合は、同じくらいの感覚の人同士で関わるのが、当面は心地がいいのかもしれません。

とはいえ、昔ほど新しい人間関係も作れなくなったのは事実ですので、今後も当面続くであろうwithコロナ社会において、「プライベートで新しい人間関係を作る」という行為には、アップデートの余地があるように感じます。これまで「友達作り」を要素分解して考えたことはありませんが、「趣味」「お金の使い方」「生き方の価値観」などに加えて、「感染症対策意識」なるものが要素として加わるのでしょうか。恋愛系出会い系アプリではなく、友達マッチングアプリがあってもいいかもしれないと思った今日この頃でした。

※写真は結構前に訪問した、イカモニュメント(コロナ対策の臨時交付金2,500万円使って作られたというもの)」です。ネットでは叩かれていましたが、現地に行くと投資したお金は横のモールで回収できそうなくらい大人気でした。(石川県能登町「イカの駅つくモール」)

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