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社会の理不尽さはだいたいメイウェザー対朝倉未来の試合で学べる

終わった。大方の予想通り、メイウェザーの一方的な試合だった。
大体、勝てるワケがない。メイウェザー側が押しつけてくる一方的なルールに従うしかない勝てない仕組みになっている。
元々、ボクシングのルールって、白人が土着民の足や肘、頭突き、レスリング的な技を封じ込めるように、徹底的に「あれ禁止、これ禁止」と禁じ手ばかりでがんじがらめにしてできあがったものだとものの本で読んだことがある。(真偽不明)
それを今度は黒人であるメイウェザーが押しつけてくるんだから、歴史ってすごいなと思う。
メイウェザーの勝利が決まると、またネットが湧いて、やはりボクシングは最強、メイウェザー最強を謳う。
あたかも、格闘技の中でボクシングがやはり頂点にたつものだと言わんばかりに……
違うでしょ。ボクシングのルールだからメイウェザーが勝っただけで。
那須川天心だって、キックルールだったら、勝てたはずでしょ。
アントニオ猪木がモハメド・アリと戦ったように、グレーシー柔術がUFCでその護身術としての強さを証明したように。
人生をかけて、「強いのはボクシングだけじゃないよ」と証明してきた先人達の努力をゼロにするようなこの風潮。
「でも、声高にメイウェザーは負けたくないから、ボクシングルールを強要している。卑怯者だ!」
と声高にいう必要なんかない。
メイウェザーが拝金主義の卑怯な奴ということぐらい、誰でも分かっている。
つまり金だ。
那須川天心も、朝倉未来もメイウェザーに負けたのではない。
金の力に負けたのだ。
ボクシングが格闘技の中で一番金を生むので、その中でも最も金を生む男がメイウェザーだったので、それに屈するしかなかっただけ。
天心も負けたことで、それ以前よりも知名度が上がったので、

「強さ」に比重が置かれていた時代では、いくら金を積まれても、他のジャンルの試合をして「負け役」をかって出たりはしないだろう。天心がボクシングに転向するのも、キック・ボクシングで頂点を極めても、ボクシングほど稼げないからだろう。

立場が上というだけで、理不尽なルールを押しつけられてるのこの戦いだけじゃないような気がする。
庶民はいつも、社会に一方的に押しつけられた理不尽なルールな中で、負けが確定した試合をするために、ノックアウトされるリングの中に入っているのだ。
先日、テレビによく出ている論客が「フェアに考えれば、問題解決」できる的な本を出版した。
「どの口が言うんだ……」
と、そのタイトルを見ただけで、多くの人は呆れた。
議論相手を歪んだ質問ではめて、自分の論理を正当化するのが得意な人だ。
その方の頭の中では、自分のことをフェアと思っているんだろう。
面と向かって彼に文句を言えないのは、彼に文句を言おうものなら、名誉毀損で訴えられるからだ。
メイウェザーは相手選手がキックをしたら1発5億円から7億円の罰金を課したらしい。
なるほど、ファイトマネーの何倍の罰金を取られるなら、怖くて蹴るどころか、足がすくんでしまう。
なるほどフェアな考えをしているから、彼はいつもテレビで堂々としていられるんだな。
問題が解決しているかどうかは別として。
朝倉は負けることで、知名度が上がり、海外のビッグネームとの試合が実現するだろう。
天心や朝倉の方が、メイウェザー戦で歯がみしている私達よりよっぽど大人だ。
彼らを見習って生きていこう。

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