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133番 大承気湯(だいじょうきとう)

漢方薬にはいくつがグループがあります。承気湯類、白虎湯類、瀉心湯類、建中湯類、四逆湯類などなど。そのうち、承気湯には、エキス剤には大承気湯(133)、調胃承気湯(74)、桃核承気湯(61)、エキス剤になっていないものとしては、小承気湯や厚朴三物湯があります。
そもそも、承気とは気を巡らすという意味。その中で最強の承気湯が今回取り上げる大承気湯。難治性うつ病が改善したとの報告例もあるようですが、柴胡剤との使い分けの1つは、便秘のありなしです。

使用目標(証)

本方は、体力が充実した人の腹満、便秘に主として用いる。腹部は、腹力が強く、特に臍を中心に腹壁が硬く緊張している。一般に、口乾、秘結(硬い大便)、時として不安、不眠、興奮などの精神神経症状を伴う。
<参考>
急性症では、悪寒を伴わずに発熱し、発汗が顕著で、上記の腹部所見を呈する場合に用いる。

組成

大黄(だいおう)
芒硝(ぼうしょう)
枳実(きじつ);気を降ろす作用
厚朴(こうぼく);気を降ろす作用

勝手にポイント

承気湯類といえば、大承気湯(133)、調胃承気湯(74)、桃核承気湯(61)。一番マイルドなのが調胃承気湯、中間が桃核承気湯、最強が今回の大承気湯。
裏熱実証の腹痛、心窩部不快感、便秘に使う。または、悪寒のない体温上昇で発汗を伴う場合(=潮熱)の時に使う。

参考文献
「つまずきから学ぶ漢方薬 構造主義と番号順の漢方学習」 岩田健太郎 著 / 西本隆 監修
「漢方製剤 活用の手引き 証の把握の処方鑑別のために」 長谷川弥人 大塚恭男 山田光胤 菊谷豊彦
漢方スクエア 方剤解説 大承気湯