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防災ライフスタイルブランド+maffsの歩み。【2019年】

「防災をライフスタイルに。」をコンセプトとした、生活者向け防災ライフスタイルブランドとして+maffsブランドの立ち上げをニュースリリースしたのが、2019年1月9日。

2019年が終わろうとしています。

ここに、公表できる活動記録をまとめておこうと思います。
裏話はいずれ必ずどこかで。。

【2019年1月9日:突然のTwitter炎上事件】
2019年1月9日に満を持してプレスリリースを公開しました。

『デザインの力で防災をライフスタイルにする生活者向け防災ブランド「+maffs」(マフス)が始動』

蔦屋家電さんでもプレスリリースを配信してくださり、大きな期待を込めて動向を見ていると、とある家電系ニュースメディアさんの記事がきっかけとなり、「蔦屋家電 生活者向け防災ブランドを立ち上げ。”赤くない”消火器を先行販売!」という記事がバズりはじめます。すると、モリタ宮田工業は忘れられ、蔦屋家電さんが消火器を作ったという誤情報が拡散され、そこに突っ込みが入り始めます。

「おしゃれの為に、「赤い」という機能を犠牲にするとはなにごとか。」
「そもそも「赤い」というのは法律で決められている!それを無視していいのか?!」などなど。そこから個人のTwitterアカウントで突っ込み入れてくる一人一人に返信し、リツイートしまくりました。結果、2日間Twitterは鳴りやみませんでした。

この時、無我夢中で対応しながらも、平常心を保ち続けられたのは、「西野亮廣さん」を知り、オンラインサロンで彼の行動を見て、本を読み、炎上したときの振る舞い方を見て、それを疑似体験していたからに他ならないと思っています。「西野さんの炎上はこんなレベルではない。」ということや、「こんなとき、西野さんならどう振る舞うか。」を思いながら対応できたことは、本当に心強かった。

当時の激闘は下記まとめサイトをご覧ください。

『防災ブランド「+maffs」のインテリアに調和する消火器が物議を醸す』
https://togetter.com/li/1308087

【2019年1月17日:リリースイベント開催】

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イベント当日、二子玉川蔦屋家電のエスカレーターを上り、見た景色を忘れるとは無いと思います。
『消火器をインテリアにする。』会社に新卒入社して初めて書いた論文のタイトルです。それから、13年後に蔦屋家電に自分が企画したブランドと消火器が並んでいるのだから。

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第2部では、「防災ママカフェ®」とコラボレーションしたイベントも開催。
小さな子供を抱いたお母さんたちが熱心に講師のかもんさんの話を聞いてくれていたのは本当に嬉しかった。

【2019年3月6日:株式会社ニシノコンサル収録】

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はじめは「勢い」だった。

ブランドリリースしたものの、さまざまな事情から活動は早くも行き詰り始めてた。対外的な評価はとても良くて、プロダクトデザインやコンセプトには確かなものを感じていた。
でも、自分達が想定していた以上に、「販売数」に繋がらなくて、早々に社内では「失敗プロジェクト」の烙印を押されかけてた。(押されてた?笑)

藁にも縋る想いで、株式会社ニシノコンサルのTwitterアカウントに出演希望のDMを送った。ありったけの悲壮感とニシノコンサルへの想いを綴って。

数日して、返信が来た。「一度、詳しくお話聞かせてください。」

何度かディレクターさんと打合せをして、迎えた本番の日。
目の前には、西野さんと、Showroomの前田裕二さん。
西野さんとはオンラインサロンのイベントなどで何度かお会いしていたけれど、ここまで面と向かって話すのは初めてだったし、横には真っ直ぐな瞳の前田さんが並んでる。それだけで、もう頭が真っ白だった。

本当に正直に書くと、必死に説明しながら、「西野さんが、面白い!と思ってない気がする!いつものニシコンみたくノッてない気がする!あー。俺の努力不足が透けて見られてる。絶対そう。死んだ。いや、死ねない!でも死んだかも!!」みたいなこと、思いながら話をしていました。70分の収録は本当に一瞬の出来事で、伝えたいこと本当に3割くらいしか伝えられなくて、収録後は結構落ち込んでいました。

けれど番組最後には、「消火器を贈るギフト文化をつくる。」という、このブランドが続く限り、一生大切にするべきコンセプトと仮説をもらいました。本当に感謝しています。

また、それをテーマとした、クラウドファンディングやってみたらいい!というアドバイスをもらい、翌月からクラウドファンディングをスタートさせました。

【2019年3月9日~10日:DANCHI Caravan in 町田山崎~防災まつり~】

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URが主催するリアルなイベントで皆さんに消火器を使ってもらったり、防災についての話をすることができる本当に大切な機会。
もっともっと、こういう場を持ち続けたい。
子ども達は本当に楽しそうに消火器を使ってくれる。

【2019年4月25日~6月17日:SILKHATにてクラウドファンディング】

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人生初のクラウドファンディング。合わせて人生初のShowroomでの配信。
初物×2。

そんなクラウドファンディング。結果から言うと達成率17%で未達成となりました。(All in型だったので、ご支援いただいた方々にはリターン返送させていただきました。)
これはひとえに、僕の努力不足。行動不足。
あれだけ、西野さんの本読んで、オンラインサロンの記事読んで、理解していたつもりだったのに、実践しきれなかった。ぜんぜん足りなかった。
支援してくださった皆さん、本当にごめんなさい。ありがとうございました。信頼を積みなおして、必ずリベンジします。

クラファン期間途中に、西野さんのサロン投稿でもアドバイスを頂戴。。

「リターンの設定画像が意味不明すぎる。」

はい。死にました。脳みそから血液が無くなっていく感覚をあれほど明確に感じた瞬間はありません。
けれど、それも含めて愛ある激励、本当に感謝しています。
また、このクラウドファンディングでの反省は、その後の活動に多くの指標を与えてくれています。

「消火器を贈る、ギフト文化をつくる」

来年以降もずっと実現に向けた取り組みをつづけます。

【2019年6月22日~6月26日:「ほぼ日」Weeksdaysさんにて対談連載】

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ブランド立上げ前から、いちファンとして、糸井重里さんとバルミューダの寺尾玄さんが対談した記事など拝見していた、「ほぼ日刊イトイ新聞」のオンラインショップ「weeksdays」にて、スタイリストの伊藤まさこさんと対談させていただいた様子を、全四回の対談記事として連載いただきました。

このブランドの背景や、消火器というプロダクトについて、とても真摯にそしてナチュラルに発信いただけたことがすごくうれしかった。

何より著名なスタイリストであられる、伊藤まさこさんに評価いただけたことがきっかけで、「+ 住宅用消火器」を認知していただいた方も多かったのではないかと思います。

Weeksdays:伊藤まさこさんコラム&対談連載
https://www.1101.com/n/weeksdays/contents/8501

【2019年9月22日~:蔦屋家電 「蔦屋家電+(プラス)」での展示】

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二子玉川 蔦屋家電内に今年オープンした、次世代型ショールーム「蔦屋家電+(プラス)」に展示させていただきました。
隣には、モリタ工業さんの「カセットガス式ポータブル給湯器:ERIF」が。そのほかにも、最先端の家電やプロダクトに並び、+ 住宅用消火器がそこにあることに、しばらく恍惚としていました。
蔦屋家電+では、隣に設置されたipadで、来客データ(男女・年齢・滞在時間)等をAIにより自動収集。メーカーにフィードバックするという、最高の仕組みが稼働しています。
そのipadを何気なくスワイプしたら、プロダクトの紹介文がでてきました。
後から聞いたところ、その文章は僕らがブランド立ち上げる1年以上前から、優しく寄り添ってくれたバイヤーさんが書いてくれたものでした。
今見ても、泣いてしまいます。

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防災をライフスタイルに。
この消火器が発表されたとき、SNSが荒れた。
『赤くない消火器なんて、何をかんがえているんだ』と。
製品を企画したのはモリタ宮田工業。
国内ではじめて粉末消火器を開発した伝統ある会社だ。
今回なぜ消火器をリデザインしたのか、その答えはただひとつ
『防災をライフスタイルに』したかったのだ。

家に置いておきたくなる、母に贈りたくなる、
ライフスタイルに防災意識を溶け込ませていく。
いざというときではなく、常に身近にそれはあるように、
いつかまた大きな自然の力が襲い掛かってきたとしても
大切な人を、どんなときでも守れるように。

『+maffs』プロジェクトはやがてみんなの身近な存在になる。
それほど素晴らしいコンセプトだと、心からそう思う。
Recommend / Daisuke Kizaki
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おかげで、今日も明日も頑張れます。

【2019年10月1日~:蔦屋家電 特別展 「家電の裏側」での展示】

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引き続き、二子玉川蔦屋家電の特別展「家電の裏側」に展示採用いただきました。隣には、、Dyson!そう、Dyson!Dysonのとなりに、+maffsが鎮座しているのです。
展示そのものも嬉しかったのですが、それ以上に展示の内容が素晴らしく、家電(プロダクト)の開発過程での苦労や裏話にフォーカスしている、特別展なのです。
蔦屋家電という店舗が、僕たちメーカーと真摯に向き合ってくれる、その全てがここに表れています。
蔦屋家電の皆さん、本当に大好きです。

【2019年10月2日:Good Design Award 2019  Best100 受賞】

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2019年度 グッドデザイン賞 ベスト100を受賞しました。
今年度のグッドデザイン賞の応募総数は、4,772件。
うち、グッドデザイン賞の受賞は、1,420件。
そのなかでも、特に審査員に評価の高かったデザインに与えられるのがベスト100です。
過去にも消火器がグッドデザイン賞を受賞したことはありますが、ベスト100選出は初めてのことと思います。
嬉しかった。
審査員の方のコメントがまた嬉しかった。

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消火器をモノトーンカラーに変化させただけという小さな行為だが、空間における調和という点では非常に大きな行為だと感じる。おそらく視認性が良くなければいけないという意識からか、これまで当たり前にように赤色でなければいけないという考えがあり、そこは長年受け入れてきたアイテムのような気がする。もしかすると他にも様々な分野で、このような変革が可能なものはあるのではないか、またそれを変えていけるのではないかという意識を持たせてくれることも受賞のポイントになっている。
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【2019年10月31日:Good Design Award  特別賞 Good Focus賞 受賞】

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グッドデザイン賞ベスト100に続き、その中から選出されるグッドデザイン特別賞グッドフォーカス賞[防災・復興デザイン]を受賞しました。
防災をライフスタイルに。というコンセプトから、この消火器デザインを生み出してくれた、若きデザイナーに本当に感謝しています。
彼女は、もっともっと素晴らしいデザイナーになります。絶対に。
彼女と一緒に、これからも皆さんに素晴らしいデザインを届けられたらと思っています。

【2019年:メディア掲載歴】

Webメディア:139件
ex. AXIS web magazine、e-Begin、nikkei style etc.

雑誌メディア:20誌
ex.&premium3月号、an・an 11月号、WIRED 12月号 etc.

テレビメディア:7番組
ex.羽鳥慎一モーニングショー、ZIP etc.

新聞:37紙
ex.読売新聞、Fuji Sankei Business i etc.

【さいごに】

まずは、長文を読んで下さり、ありがとうございます。
こうして、「できたコト」を並べてみると、要所でやらかしながらも、それなりに順風満帆で「成功」したように見え、、ますよね?
少しだけ言うと、僕を含めチームの仲間は誰一人として、満足感や達成感を感じていることはありません。(※強がりとか、意識高いとかではなくて本当に。)もっともっと遠くにたどり着きたい場所はあって、やらなくてはいけないことも、やりたいことも、当初想定していたことからすれば、1割くらいしかできませんでした。
ということで、自らの反省を込めて、別途「新規事業担当者のリアル」と「できなかったコト」をまとめるようにします。(※結構ナイーブな話が中心になるので、公開方法は考えよう。)

僕たち+maffsブランドは+ 住宅用消火器を購入いただいた全てのユーザーの皆様と、我々のような「はみ出し者」を面白がってくださり、同じように悩んだり、喜んだりしてくださる、社内外の皆さんに支えられながら、一年を歩んできました。
皆さんにもっともっと面白がってもらえるように、来年以降も必ず新たな挑戦を続けていきます。

それでは、「防災をライフスタイルに。」

みなさま良いお年を。

2019年12月27日 +maffs 北里 憲






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