痔って実は怖いんですよ

こんにちは。

これからお話しするのは、僕の実体験です。


当時の記憶を呼び起こして書き出したので、実際あったこととは少し違う部分もあるかもしれません。
中にはお医者さんとのやり取りも記載してますが、本当にその内容で話したか定かではありません。
記憶を補完して書いてますので、実際のこととは異なる場合もあります。
 

予めご容赦ください。


さて、タイトル通り痔の話なので汚い単語がガンガン出てきます。
そういったのが苦手な方は読むのを控えてください。

でも発信しないと、今後僕と同じように苦しむ人もいるかもしれない。

そう言った思いから書き残したいと思います。
よろしくお願いします。












「ウッ、ウワーーーーーッッ!!ケツから血が出た!!!!」


全ての始まりは、中学生の時に感じた肛門の痛み、そして赤く色がついた尻拭き紙からだった。

当時のことは鮮明に覚えている。

硬めの大便を捻り出すために気張った僕は、すぐに肛門の痛みに顔を歪めた。

痛みに耐えながら、なんとか大便を出し切り、子ども用のおしりふき(ウェットティッシュ)でケツを拭いた。

ウェットティッシュがしみる。

僕は嫌な予感がしながらも、おそるおそるケツを拭いたあとのウェットティッシュを見てみた。

そこにあったのは、小さいながらもはっきりとした赤色。少量ではあったが、確かに血が出ていた。


そして冒頭の絶叫に話は戻る。

だが最初は驚きはしたものの、あまり恐怖や心配はなかった。

(まあこのくらいのキズならほっといても治るでしょ……)

当時は思春期真っ只中。
誰かに相談するなんてことは、親に対しても恥ずかしさが有り、できなかった。


翌日、肛門の痛みに怯えながらも、大便をした。

しかし痛みは無く、血が出ることも無かった。僕は安堵した。


(硬めのヤツをした時だけ血が出たり、痛くなるのかもしれない。気をつけよう)


そう勝手に納得した僕は、血が出たことは誰にも告げずに、しばらく放置した。


だが数日経ったある日。
別に硬くもない、気張ったワケでもない、普通の大便をしただけなのに肛門から出血した。


なんで?


とても焦った。
今回ばかりは焦った。
すぐに親に相談した。

両親は僕を笑ったりはせず、心配してすぐに塗るタイプ薬を買ってきてくれた。


薬を塗ったところ、痛みは引き、大便時の出血も治まった。

ありがとうボ〇ギノール。


だが根本的な解決には至らなかった。

治っても硬い便、大きな便をするとやはり出血してしまうのだ。

そして血が出た後に、キズが治りきる前に少しでも硬い便をしてしまうと、またキズが開いてしまった。

最悪の悪循環だった。


最悪とは言ったものの、キズが治ってから細心の注意を払えば、数日は出血をすることなく大便ができたので、日々自分の大便との戦いであった。



当時、部活動もやっていた僕は、チームメイトや顧問にも打ち明けた。

チームメイトは爆笑していた記憶があり、僕もそれをネタに笑わせていた記憶がある。

今思い返せば、笑ってる場合ではなかったのだが……。





そんな状態を繰り返しながら、時は流れた。

中学卒業、高校進学……。

そして高校卒業を間近に控えたある日。
認識を改める決定的なことが起きた。




いつものように大便をする僕。

もう痛みには慣れた。慣れてしまっていたのだ。これも良くなかったのだろう。気張って大便を捻り出したのだ。


襲ってきたのは、耐えきれない痛烈な痛みだった。

(ダメだこれ、たぶん肛門えらいことになっとる)

痛みに耐えながらウォシュレットをし、なんとか肛門をトイレットペーパーで拭いた。

次に伝わったのは、指にまで伝わるぬるりとした感触。

嫌な予感がした。

ケツを拭いたトイレットペーパーを見る。

そこにあったのは、成人の指3本分くらいの大きな血の跡。

そして指先に伝わった感触は、あまりの出血にトイレットペーパーを貫通して直接指先に届いた血そのものだった。


今までも出血は多々あったが、ここまでのものは初めてだった。


(これさすがに病院行くべきじゃないか?)


あまりの出血に恐怖を感じた僕は、すぐに親に相談して、高校卒業後に肛門科を受診することにした。




無事に高校を卒業(大学全落ちしてたので全然無事ではない)した僕は、肛門科を訪ねた。


受付の方に「今日はどういった症状ですか?」と聞かれ僕は「ケツから血が出てます」と答えた。

問診票を記入し、待つこと15分くらいだったろうか。
診察室に通された。

診察を担当してくれたのは50-60代くらいの男性の先生だった。

「じゃあちょっとお尻の状態を見るので、横向きになって寝てくださいね〜」


言われた通りに横寝する。


「は〜いじゃあ指入れますので痛かったら言ってくださ〜い」



え?


肛門に指?


おれのア〇ル処女はここで散るワケ……?


指が、入っちゃった。



「アアアアアアア!!!!先生!!!!痛いですゥ!!!!」


あまりの痛みに、わりとみっともなく叫んだ。


「じゃあこれはどうですか?」


指を!!

グリグリ!!!

すな!!!!!!!!


「痛いですゥ(あまりの痛さに小声)」



「わかりました、ありがとうございます。痛いのにすみませんね」

「いえ……ありがとうございました……(半泣き)」


「診察結果をお伝えしますので、こちらの待合室でお待ちくださいね」


「は、い……」


じくじくとしたケツの痛みに耐えながら、待合室の椅子に座る。
肛門科特有のものなのか、ふんわりとした座り心地だった。


「結果が出ましたので、お入りくださ〜い」


診察室に入る。
薬出されて終わりかな……とか考えていたが、その考えはすぐに打ち砕かれることとなる。


「え〜まずですが、切れ痔とイボ痔を併発してます。」


知ってた。
高校2年生の終わりくらいから、肛門に柔らかいイボが出来ているのは知っていた。
軽視して放置していたが。

先生は続ける。


痔瘻(じろう)の一歩手前くらいまで症状が悪化してます。」


痔瘻。聞いたことがない単語だ……。



「すみません、痔瘻ってなんですか……?」


「痔瘻というのはですね、簡単に言うとおしりの穴が2つになっちゃうってことです。」


ケツ穴が2つに!?お得なのでは?(?)

そういう話ではない。危険な痔であるらしく、放置してたら更に悪化していたらしい。



「そして肛門狭窄でもありますね。中学生くらいから切れ痔の症状が見られたとのことですので、おそらくそれが原因で肛門が広がりにくくなってしまっています。」


肛門狭窄。


端的に言えば、切れ痔を放っておきすぎた。

結果、物理的にケツの穴の小さい男になってしまっていたのだ。

とてもショックだった。

と同時にちょっと笑ってしまった。



「差し当たって、イボ痔を取る手術を行いたいのですが、ご日程を決めてもよろしいですか?」


「え!?手術するんすか!?」


「はい。まず内容としては、イボ痔に痔を硬くして除去しやすくするための注射を打ち、切除します。同時に、肛門狭窄を解消するため、おしりの穴を切って広げたあと、他の部分から皮膚を持ってきて、くっ付けます。このような手術をしますね。入院も必要です。」


はっきり言おう。

痔をナメてた。

物理的なナメるではない。


薬を出されて、塗ったり飲んだりしてれば勝手に治ると思ってた。
事態は深刻だったのだ。


幸か不幸か、高校卒業後、進学できる大学も無かった僕は、すぐに手術の日程を決めた。


そして手術日。

人生初の手術が痔の手術になろうとは……。

そんなことを考えながら手術台に乗った覚えがある。


「はい、では事前説明のとおり、麻酔は下半身のみです。意識はありますのでね。」


今回の手術は下半身のみの麻酔で行った。
全身麻酔というのも体験してみたかったが、仕方あるまい。


麻酔が打たれる。
すぐに下半身の感覚がなくなった。


「はい、始めますね。」


医師の言葉と同時に、淡々と進められている感じがした。手術なので気遣い頂いているのは確かなのだが、慣れているのだろう、非常にスピーディでありがたい。


しばらくぼーっとしていると、下腹部のあたりに強烈な痛みが走った。


「あの、先生。なんか下腹部がめちゃくちゃ痛いです。なんですかね、これ。」


「あ〜、腸を引っ張ってるのでその痛みですかね。」


「そ、そうですか……。」


あれ?麻酔ってこういう痛みには効かないのかァ……。

ていうかめちゃくちゃ痛かった。内蔵に直で痛みが来るってこういう感じなのかと。

脂汗がダバダバでた。


手術からずいぶん経つのに書いててなんか腹痛くなってきた。


そんな痛みに耐えて、あっという間に手術は終了した。


「はい。手術は無事に終了です。病室にお連れしますね。麻酔が取れてくると痛みが出てきますので、お薬も出しますね。」


病室に連れられてきた。


病室のベッドに寝ながら、これでもうケツから血が出る生活とはオサラバだな……!と感激していたのもつかの間。


麻酔が抜けてきて


その日


おれのケツ穴が


終わった。



め〜ちゃくちゃ痛かった。

めちゃくちゃ痛すぎて悶絶した。


痛みは夜中まで続いた。


鎮痛剤を飲んでも全く痛みは消えず、真夜中の2時ではあったが、あまりの激痛にナースコールをした。


来てくれたのは50代くらいの女性看護師さんだった。

ケツを突き出して薬を塗ってもらった。


さらば、ア〇ル・セカンド・ヴァージン……。

激痛すぎて恥ずかしさとかはなかった。

むしろ看護師さんに申し訳なかった……。


僕は感謝と謝罪をした。


「すみません、ありがとうございます……!」

「いえいえ、大丈夫ですよ。また何かあれば呼んでくださいね。」



薬を塗ってもらったが、結局その日は痛すぎて一睡も出来なかった。




僕は1週間の入院をした。


周りの入院患者が1日2日で退院するのを見るに、良くない状態だったんだなと思う。


そうして1週間後、無事退院。

縫合糸は自然と消えるものらしく、その後も異常がなければ通院もいらなかった。
しばらく薬の塗布はあったものの、そのくらいだった。


今では元気に毎朝ブリブリ大便をカマしている。

手術日以来、血が出たことは一度も無い。

ありがとう、お医者さん、看護師さん、両親。



さて、この記事を通して皆に伝えたいことは、


痔を軽視するなということ。


少しでも血が出たら、市販薬でもいいからまずは早急に処置して、常態化を防ぐこと。


僕は専門医でもなんでもないので、心配だったり、不安だったり、症状が治らなかったら、お医者さんに相談した方がいいと思うこと。


以上です。


長く、稚拙な文章でしたが、ここまで読んで頂きありがとうございます。

自分のこと、痔だと言い出せない子どものこと、気にかけてあげてください。


ありがとうございました。

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