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4度目のヴィパッサナー瞑想

先日ヴィパッサナー瞑想(10日間 無言の瞑想修行)を終えてきました。

2500年前ブッダの存命中の活動とは、経典をベースにしたものではなく、この瞑想法の指導であったと言われています。世の中には様々な瞑想法がありますが、まずはヴィパッサナー瞑想の基本構造について簡単に説明します。

生命は以下のサイクルで誕生を繰り返すことになるとされており、自身を正しく微細に観察することにより、このサイクルをステップ3)の段階で止めて無意識下に存在する普段気づかない執着に気づき、心を浄化することを目的とします。故にこの瞑想法は心の手術とも言われます。そうした修行無くして、人は生涯執着をため続け、己の煩悩ゆえに苦しむという考えです。

執着の根が取り払われた浄化した心はとてもパワフルで、過去に生じた執着をも滅し始めます。こうしたプロセスを通じ自身の心の平安を取り戻すことがまず最初の目的となります。

1)6つの感覚による知覚
2)認識・評価
3)感覚(快・不快)
4)反応(渇望・嫌悪)
5)執着
6)生成のエネルギー
7)心と身体が重なり生まれる
8)誕生を繰り返す(四苦八苦)
*生まれるのは、未熟さからの執着からという仏教的考えです。

(浄化が進むと、この構造の必然から、過去生の因縁も滅することとなるでしょう。)今回4度目となり、これまでにないレベルで深い執着(サンカーラ)の滅却に至れたように思います。


2019年のヴィパッサナーについて(詳しく書いてます)
2022年のヴィパッサナーについて

私の場合、今生で無意識に積み上げてきた執着(サンカーラ)の大半は以下3つの執着(サンカーラ)根ざしていると思われます。

3つの執着(サンカーラ)は

1)「理想の結婚」という幻想(という執着)
2)「世間的成功」への嫌悪と渇望(という執着)
3)「神的権威」への渇望(という執着)

でした。
いずれも特殊なものではなく、多くの方も大なり小なり持つものかと思いますので、参考になる方もおられると思い記載いたします。

1)「理想の結婚」という幻想(という執着)

私たちの多くは、理想的な結婚生活があると信じています。しかし、実際そんな家庭があるでしょうか?婚姻生活が続いている家庭でも、一度も離婚を考えたことがないという家庭は少ないかもしれません。

ドラマなどでも離婚や不倫をテーマとしたものがこれほど多いのは、それだけ身近な話題だからでしょう。それでもなんとか理由を見つけ折り合いをつけ続きているのが現実ではないでしょうか。二人の人間が長く一緒にいると心的葛藤が生じ、それらは外からはなかなか見えないものです。しかしそうしたことを忘れ、「理想の結婚」が存在するはずだという観念を無意識に持っていたことに気づきました。これが無意識の執着であり、離婚に関し強い罪悪感(嫌悪感)の原因となっていました。誰にとっても、目の前にいるパートナーとの現実しかないのです。

二人の努力で続けるのはもちろん素晴らしいことですし、終わらせることが正解のケースも中にはあるでしょう。一緒になるのが相応しく、また別れるのも相応しい成長や方向の違いが現れることもあるでしょう。いずれにおいても、存在しない「理想の結婚」をベースに相手や自分を非難する必要はありません。一定の反省はどちらのケースでも常に必要でしょうが、無意識でも過度の非難は不要です。目の前の現実と向き合い、どう対応するかだけなのです。人は間違うこともありますし、間違いではなく経験し前に進むという捉え方もまた可能でしょう。

今回のこの気づきは後ろの扉はすでに閉めたのに、シャツが挟まったような心理状態だったとの気づきとなりました。そうしたことが不要な罪悪感であったとの気づきは心象風景を大きく変化させてくれました。今後人生の様々な面において良い影響につながるように思います。

瞑想用のセルへの道

2)「世間的成功」への嫌悪と渇望(という執着)


実は、世間的成功というものに嫌悪と渇望の両方がありました。過去に生命が救われたという経験が数度あり、頂いた生命はなんとしても、この世界にとり素晴らしいことに役立てなければいけないという使命感となっていました。世間的成功などというエゴイスティックなものを目指すのはもっての他だという側面がある一方で、素晴らしく良いことを大きく実行するということは、いわゆる世間的成功と表裏一体だとも思っていました。

しかしこれも、先の話と同様「世間的成功」というものが存在するという無意識の思い込みです。世間的に成功者と言われる人を一人一人個別に見るなら、それぞれの願いに真剣に生きている人がそこにいるだけで、その一時を外側から捉え、他人がそのように評するだけです。実体を伴わないものに渇望も嫌悪も不要です。仮にうまいことやろうと思って始めた人ですら、多くの人が関わるにつれて、そのようなあり方、精神性だけで続けることができません。また、その方の語る言葉だけがその方の真実とも限りません。言葉が苦手な、内奥を表現することが下手な方もおられますし、さらに、その方の霊的背景の功徳などもあるでしょう。

いずれにせよ、自身のなすべき内実となるものが何かを自分自身がきちんと捉え、実直に取り組めばいいのです。その表面を成功か否かを他者がどのように評するかは聞き流して良い話です。

幸にして、私はこの数年、
「人が自分らしく生きられる社会」
の実現に向けて、以下のことに周囲の仲間と共に一歩ずつ歩んでくることができました。

WaLaの哲学
:内省の型を学ぶプログラム
②T3プログラム(Transition to Transformation)
:個人の意識変容を組織や社会の変容に繋げる変容加速プログラム
③BAC(Born Again Club)
:WaLaの哲学修了者向け実践哲学の会
④一般社団法人TCFA(企業超越場)
:パーパス経営と人的資本投資とを高度に統合するArt of Management を実践するための企業幹部の集まり

多くの企業が悩むのは良い企業の基準がわからなくなっているからですが、この道をさらに進める方策に関しても良いアイデアが生じたので、2023年のTCFAではこれを昇華してまいりたいと思います。


B・GOOD COMPANY

これがコンセプトです、上記4つやこちらに関心ある方は、ぜひ連絡ください。ともに実現しましょう!これから、いろんな仲間が必要となってくるように思っています。


休憩中の散歩道

3)神的権威への執着


家庭も仕事もうまくいかなかった時、神智学の指導者からのアドバイスに救われました。故に、その神智学や指導者に対して尊敬の念を持っています。しかし時にそれが無意識に神への近さへの憧れになってしまう傾向があります。それは神智学の学びに反します。神的な力は権威を盲信することなく、自分の内側でつながるものです。頭ではわかっていても、そうした想いが無意識に潜む傾向にあり、今回そのことに気づくことができました。人にはそれぞれ役割があり、進むべき道があります。過度な憧れやそうした領域で求められるものと自身が異なる場合に、差分に嫌悪を持つことなく、しっかりと自らの道を進めば良いのです。

「神は汝を理解する者として現れる」

と教えられた通り、私の周りでご縁をくださる皆さんと共に、自身の定めた道を一歩ずつ歩みたいと思います。

4)まとめ

今回、3つの執着に気づくことができたことは非常に大きいと考えています。なぜなら、私に生じる、快・不快は概ねこの3つのいずれかの領域だからです。今後仮にこれらの領域に対して快・不快が生じた際も、観察しそれへの渇望も嫌悪も不要だと即座に対応できたなら、心の汚濁は一掃され自らの進むべき「祝福の通り道(Channel of blessing)」に自らを一層投じることができるように思います。

さらにそれは、私を産んだ魂の力をも浄化し、より大きな「祝福の通り道」となることで、あちら側にはまだ受胎していない(つまり実世界に基盤を持たない)エネルギーらが祓われることを願い集まり、こちら側では反転し、苦悩を滅却するエネルギーに転換されるイメージにつながりました。(呪術廻戦の五条悟の無限の力の術式反転のようなものですね。笑)

これは、単に心が浄化されただけでなく大変パワフルなイメージです。
この心象を維持しつつ大いに、一所懸命働こう/Work Diligently

と感じました。

Born to be successful.

Be happy.


終了後の爽やかな顔


ちなみに、以下、行く前に感じていたことです。
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社会全体が大きな変化のプロセスにあり、旧来のパラダイムが解かれようとしています。私自身も2017年(前職の代表を退任)以来、意識的に自分自身を解き、いかに脱却できるのかを思案してきました。

師であり、畏友でもある方から7年前に
「真のトランジションには、7年程度かかる」と言われ、当時は「そんなにかかっては困るのだが・・・・」と内心思ってました。

また数年前には,「いつまでも逗子にいるとは限らない。君にはより社会の中心で果たすべき役割もある」と言われ、今度は、「え〜、逗子ライフ快適であってるのだけど。。。」と思い。

さらに一昨年には「ヴィパッサナーは、あと2回くらいで十分じゃない?(つまり今回で最後)」とも言われてました。

私の心の中と未来の双方を見通したような助言。。。

そんな中、どうしたわけか1〜2ヶ月前から、内側から立ち上がる活力のようなものをかんじ、このトランジションピリオドの終わりかもしれないとの予感がありました。

この7年の集大成として、今後10年いかなくとも良いと思えるくらいしっかり心の奥を見通してくるつもりで向かうぞ!

これがいく前の気持ちでした。振り返ると今回その目的は達成できたように思います。


終わってから感じること。>
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大事だからこれは忘れないうちに書いておきますが、いつも終わった開放感と素晴らしさからよかった!と思うのですが、ものすごく大変な修行でもあります。今回も、4日目のヴィパッサナーが始まるまでのアディッターナは、どうして日々座ってるほど座れなくなるのだろうと辛かったです。ヴィパッサナーが始まる5日目くらいからは調子を取り戻し、6,7日目くらいからは随分と落ち着いて座り続けることができました。行きたい方は、お仕事をしているとなかなか12日間の連絡を取れない期間を取ることが難しいとは思いますが、人生の転機だと感じる方は、ぜひとお薦めします。必ず自らのうちにその原因を見つけ得心できることでしょう。しかし、途中で帰ると心の手術の途中で帰ることになるので覚悟を持ってご参加ください。

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【告知】
WaLaの哲学10期は約40名が参加し、6月末に無事に終了しました。 
11期の詳細はまだ未定ですが9月ごろから説明会を開催予定です。
ご関心ある方は、お問い合わせに説明会参加希望と記載ください!

WaLaの哲学

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