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現実的に考える大人のための学び直し英語3:中学卒業程度の英語力をつける

前回は、英検の過去問で現時点での英語運用能力をおおまかに把握するというお話を書きました。

ちょっと話が飛びます。いわゆる受験英語、受験文法はあまり評判のよいものではありません。例えば、伝統的な学校英文法では、現在完了について、「経験」「継続」「完了」のような「用法」を区別しますが、これについては、現在完了が話者の心的態度を表すものとして完全に退けるべきだとする専門家もいます。(参考文献として、斎藤浩一著「日本の『英文法』ができるまで」をあげます。学校英文法を批判するにしてもまずは事実の把握が必要だと思います)

とはいえ、日本語の母語話者が英語を学習するときには、学校英文法(受験英語、受験英文法・・・どう呼んでもいいと思います)は、十分参照に値する枠組みだと思います。「英語達人列伝」などの著書があり、私が私淑する斎藤兆史東大教授は、文法書を数回通読することをすすめています。

このシリーズでは、英語の学び直しを「現実的に考える」わけですから、伝統的な学校英文法に準じて、中学卒業程度の英語運用能力を身につける方法を考えます。
まず、学習すべき文法事項を把握しなければなりません。長野県教育委員会が作成したPDFがオンラインで公開されていますので、まずはそれをご覧ください。複数の教科書のそれぞれについて、文法事項一覧が表になって提示されています。どれかひとつの教科書を選んで、各文法事項を見て、どういう英語のことを言っているか考えてみてください(例文が即座に浮かべば最高です)。まったくイメージがわかないとすると、その文法事項はあまり理解できていない可能性が高いといえます。その場合は、文法書を参照する必要があります。新しいものを入手する必要はありません。ご自宅に学生時代に使ったものがあればそれで十分です。なければ買わなければなりませんが、正直なところ本はどれでも本質的に同じです(当然ですよね、現代英文法ですから)。好きなものを買えばいいと思います。もし私が今、1冊買うとしたら、大西泰斗、ポール・マクベイの「ハートで感じる英文法 決定版」にすると思います(深い意味はありません。繰り返しますが文法書は何でもいいです)。



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