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現実的に考える大人のための学び直し英語1:はじめに

「あの人は英語がペラペラだ」最近はあまり聞かない言葉になりましたが、どこか特別な憧れをもって語られる賛辞。世の中には数多くいながら、どこか自分にとって縁遠い特殊な才能。テレビの中ではたくさん見るけれど、ニューヨーク生まれでもなければとても届かないような何か。
言語学では、臨界期仮説(Critical Period Hypothesis)と呼ばれるものがあり、簡単に言えば、「言語の習得には年齢制限がある」とする考え方です。こんな難しい言葉を聞くのは大人になってからでしょうから、余計に「英語がペラペラ」なことへの距離感が感じられます。
大規模言語モデル(LLM)によるChatGPTの登場は、英語学習の必要性を大きく減退させたようにも思えます。AI研究者の東中竜一郎は、ChatGPTをカーナビにたとえています。状況と条件が与えられた中で最も合理的だと多数の人間が考えるであろう(ことをLLMによって教えられたプログラムが数学的に導きだした)ことばの羅列を言説と呼ぶならば、英語を学ぶ必要性は、たしかに世界における居場所を減らしたのかもしれません。でも、ChatGPTを使って英語を使って用を足せたとして、あなたは満足しますか(ちなみに、現状のChatGPTは、GPT-4を使用しても日本語母語話者が英語ツールとして使うには一長一短だと感じます。使用者にある程度の英語力を要求します。語彙の選択が中途半端なので(それこそ人間の集合知の頼りなさの反映かもしれませんが)使用者に出力された英語を吟味する力が必要になりますが、それをたとえば別のLLMに求めるような再帰性の地獄に陥るよりも不安定な自分の英語力を恃みとする方が現実的です)。
英語のような外国語を解する(読める、聞いてわかる)魅力は甘美なものです。
Would you be really satisfied when you could make yourself understood in English using ChatGPT?

(追記)
質問などありましたらお気軽にお聞きください。なお、文章の趣旨からあくまで「大人の学び直し」にかぎらせてください。


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