【重要な論文💖】「Effects of the Bank of Japan’s intervention on yen/dollar exchange rate volatility」:先行研究解説 No.1 2023/08/30
Introduction:卒業論文は早めに仕上げたい💛
私もいよいよ卒業論文の執筆に
取りかかる時期がやって参りました👍
何事もアウトプット前提のインプットが
大事であると、noteで毎日発信してきました
これは、どのような内容で
あっても当てはまります👍
論文を一概に読んでも
記憶に残っていなかったり
大切な観点を忘れてしまっていたりしたら
卒業論文の進捗は滞ってしまうと思います
だからこそ、この「note」をフル活用して
卒業論文を1%でも
完成に向けて進めていきたいと思います
私の卒論執筆への軌跡を
どうぞご愛読ください📖
今回の参考文献📚
今回、読み進めていく論文は
こちらのURLになります👍
Effects of the Bank of Japan’s intervention on yen/dollar exchange rate volatility
Toshiaki Watanabe (a), Kimie Harada (b)
(a)Faculty of Economics, Tokyo Metropolitan University, 1-1 Minami Ohsawa, Hachioji-shi, Tokyo 192-0397, Japan
(b)Graduate School of International Accounting, Chuo University, 42-8 Honmura-cho, Ichigaya, Shinjuku, Tokyo 162-8473, Japan Received 18 September 2002; revised 13 February 2004 Available online 21 November 2004
前回の内容📖
『日本の為替介入の分析』 伊藤隆敏・著
経済研究 Vol.54 No.2 Apr. 2003
Effects of the Bank of Japan’s intervention on yen/dollar exchange rate volatility
Watanabe, Toshiaki, and Harada, Kimie
1. Introduction
<要点整理>
この論文は、日本銀行が実施する円ドルへの為替介入政策の効果について研究しています
最近の研究では、為替レートの水準と同じく為替レートのボラティリティにも影響を与えるとされています
この効果を計測するために先行研究Chang and Taylor (1998) and Dominguez (1998)でも取り上げられているGARCHモデルを駆使して分析しています
<要点整理>
ただし、GARCH モデルの使用には重大な欠点があります
為替レートのボラティリティに対するショックは"ボラティリティ・クラスタリング"と呼ばれるよく知られた現象です
すなわち、非常に持続性が高いのです
介入変数をGARCH ボラティリティ方程式に組み込むことは、これは介入の効果も持続すると仮定するのと同じことになります
もし効果があれば為替レートの変動に対する介入は一時的なものであるため、このアプローチは有効ではありません💦
この中で論文では、この問題を克服するために、Engleおよびリー (1999) によって提案されたコンポーネントGARCH モデルを使用します📝
このモデルは、ボラティリティが2 つの要素で構成されていることを前提としています
1つはショックが非常に持続する長期的なボラティリティ要素です
もう 1 つはショックがそれほど持続しない短期的なボラティリティ要素になります📝
介入変数を長期ボラティリティ方程式と短期ボラティリティ方程式の両方に入力することで、介入の効果、効果が持続するかどうかということを詳しく考察することができるようになるというのです
<要点整理>
この論文は、日銀の公的介入データを使用している点でも以前の研究とは異なります📝
日銀の公式介入データは 2001 年 7 月まで入手できなかったため、これまでの研究者は金融報道機関から収集した日銀の介入データを使用していました
この論文が、過去の研究と異なる点は2つあります
①最近、いくつかの研究では日銀の公式介入データを使用して介入の効果を調査していることです
伊藤 (2002) は、公的介入データを使用して、円/ドル為替レート水準に対する日銀介入の影響を検証しました
フレンケルら(2003) は、介入に関する金融報道の正確性を調査しました
また、それらが実際の介入レベルを示す不正確な指標であることを明らかにしました
この先行研究では、円/ドル為替レートのボラティリティおよびレベルに対する介入の影響を、新しい方法論ツールを使用した公式介入データを用いて分析している点に学術的貢献があるのです
この論文に述べられている主な結果は以下の通りになります
第一に、円ドル相場水準に対する介入の効果については、GARCH モデルとコンポーネント GARCHモデルは、サンプル期間の後半に日銀の介入が効果的であるという同じ結果を導きます
1990年代後半から 2003年にかけて、FRBの協調介入によってその有効性が高まりました👍
しかし、1990年代前半には日銀の介入は効果がありませんでした
この研究より、コンポーネントGARCHモデルに基づいて、円/ドル為替レートのボラティリティに対する日銀の介入の影響に関する新たな証拠を特定したと言えます
第二に、日銀の介入はサンプル期間の後半で短期ボラティリティのコンポーネントを低下させる一方で、サンプル期間の前半ではボラティリティにまったく影響を与えることはありませんでした
第三に、サンプル期間全体における日銀介入の安定化効果は、FRBの協調介入によって強化されないことになります
この論文構成は次のようになります
セクション 2 ではデータについて説明されていました
セクション 3では、従来のGARCHを用いた日銀介入の効果試算を提示モデルを使用して実施してます
セクション 4 ではコンポーネント GARCHを使用した効果の推定値を示していました
そして、結論はセクション 5 に示されています
今後、各セクションごとしっかり読み込みアウトプットができるように取り組んで参りたいと思います
本日の解説は、ここまでとします
このような歴史や先行研究をしっかり理解した上で、卒業論文執筆に取り組んでいきたいです
今回、私が卒業論文執筆において取り上げる
24年ぶりの「円安是正」介入は本当にレアな経済政策
ということを再認識できたような気がします💖
私の研究テーマについて🔖
私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝
日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)
経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します
だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています
決して学部生が楽して執筆できる
簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています
ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥
本日の解説は、以上とします📝
今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように
努めてまいりますので
今後とも宜しくお願いします🥺
マガジンのご紹介🔔
こちらのマガジンにて
卒業論文執筆への軌跡
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています
今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚
最後までご愛読いただき誠に有難うございました!
あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏
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