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【連結会計 Part②】完全所有の場合の連結財務諸表の作成と資本連結について🔥:エッセンシャル会計学 No.43

今回、Part②では「子会社の発行済株式総数を全て取得した場合(完全所有の場合)の連結財務諸表の作成」を学習します。
日商簿記2級で初めて学習する連結会計ですが、しっかりマスターしたい論点になります!

具体的には、①支配獲得時の連結財務諸表の作成
②支配を獲得した翌期の資本連結
そして、③支配を獲得した翌々期以降の資本連結
について、簡便なタイムテーブルを用いながら理解していきます💖


会計・財務についてもっと学びたい🔥

会計業務や経理、財務、簿記についての基本的な知識を持つことは、ビジネスパーソンにとって重要であると感じています。

今後、定期的に投稿していく【エッセンシャル会計学シリーズ】では、会計業務の重要性から経理や財務の役割まで、私が勉強したことをわかりやすくアウトプットしていきたいと思います🔥

さらに、経理業務の具体的な内容や財務業務の目的、簿記の種類と特徴についても詳しく掘り下げていきたいです💛
そして、日商簿記検定2級合格を最終的な目標として会計学を勉強していきたいと思います!

ビジネスにおける財務情報の管理や経営判断の基盤となる知識を身につけるため、ご一読いただけますと幸いです💖

前回のお復習い📑

完全所有の場合の資本連結🌈

はじめに、子会社の発行済株式総数を全て取得した場合(完全所有の場合)の連結財務諸表の作成を学習していくことにしましょう!

まずは支配獲得時の連結財務諸表の作成からです。
支配獲得時の連結財務諸表は、支配獲得時の貸借対照表のみを合算します。

「投資と資本の相殺消去」📝

(個別の)貸借対照表を合算すると、親会社の子会社株式と、子会社の資本が両建て表示されます
ただし、これらは相殺すべきものであるので、連結修正仕訳で相殺することになります!!
このような連結修正仕訳を「投資と資本の相殺消去」といいます。

例えば、合算前のP社貸借対照表に取得時前のS社株式が100あったとしましょう。
ここで、合算後貸借対照表を考えた際には
借方に諸資産(P+S)、S社株式(=P社の投資)
貸方に諸負債(P+S)、P社資本、に加えてS社資本があります。
ただし、ここには両建てで表示されていることに留意します。
したがって、連結修正仕訳が必要なのです!

$$
\\連結修正仕訳\\
\begin{matrix}\\借方:金額&貸方:金額\\S社資本:100&S社株式:100  \end{matrix}
$$

このような連結修正仕訳によって、P社の投資(S社株式)とS社の資本を相殺消去しているのです💖

ここで合併との共通点を考えて見ましょう。
なぜならば、S社を合併することと、S社を100%子会社化することは、S社を完全に支配するという点で同じ経済的実態を有しているからです!
そのため、支配獲得直後の連結貸借対照表は、 合併直後の貸借対照表と同一となるべきですよね。
したがって、投資と資本の相殺消去を連結修正仕訳によって行うのです📝

のれんが生じる場合✨

通常、子会社株式の取得原価は子会社の資本合計を上回ります。
ここで、当該差額(投資消去差額)は「のれん」勘定(資産)に振り替えていくのです📝
要点から整理しますと、完全所有における支配獲得時の連結修正仕訳は以下のようになることをしっかり覚えておきましょう!

$$
\\完全所有における支配獲得時の連結修正仕訳\\投資と資本の相殺消去\\
\begin{matrix}\\借方&貸方\\資 本 金××&S社株式××\\資本剰余金××\\利益剰余金××\\の れ ん××\\    \end{matrix}
$$

例題は、以下の通りです。
P社はS社の発行済株式総数の100%を300円で取得し、支配を獲得した。
支配獲得日の子会社の資本は、資本金150円、利益剰余金50円である。

$$
\\投資と資本の相殺消去\\\begin{matrix}\\借方:金額&貸方:金額\\資  本  金:150&S社株式:300\\利益剰余金:50\\の  れ  ん:100\\    \end{matrix}
$$

支配を獲得した翌期の資本連結

支配獲得後は、損益計算書も合算し、連結損益計算書を作成することになります!
つまり、子会社が稼いだ利益も、企業集団の利益になっていくということです。
なお、個別損益計算書の末尾は 「当期純利益」ですが、連結損益計算書では「親会社株主に帰属する当期純利益」 になるという点はPart①で述べていましたね📝

まずは、要点から整理します!
完全所有における支配獲得後の連結修正仕訳は、以下の3つのパートが肝心です!
①開始仕訳
②のれん償却
③配当の相殺
以下のように仕分けていくことをしっかりインプットしておきましょう!

$$
\\完全所有における支配獲得後の連結修正仕訳\\   \\①開始仕訳 \\
\begin{matrix}\\借  方&貸  方\\資 本 金××&S社株式××\\資本剰余金××\\利益剰余金××\\の れ ん 〇〇\\    \end{matrix}\\②のれん償却(n年の定額法の場合)\\
\begin{matrix}\\借  方&貸  方\\のれん償却〇〇/n&のれん〇〇/n  \end{matrix}\\     \\③配当の相殺\\
\begin{matrix}\\借  方&貸  方\\受取配当金△△&利益剰余金&△△  \end{matrix}
$$

まず、支配を獲得した翌期の連結修正仕訳では①開始仕訳、②当期の連結修正仕訳を実施します。
①開始仕訳とは、支配を獲得した翌期の連結財務諸表を作成する場合、前期に行った連結修正仕訳を当期に再度行うことです。
この理由は、連結修正仕訳は連結精算表で行われるため、個別財務諸表には一切反映されることはないからです。
したがって、当期の連結財務諸表を作成する際に過去の連結修正仕訳を再度行う必要があるのです。

②完全所有の場合における当期の連結修正仕訳においては、(1)のれんの償却、(2)子会社が実施した配当の相殺、という処理が大切です。

(1)のれんの償却は、投資と資本の相殺消去により計上されたのれんは、その後償却を行います。※n年の定額法など、指示があると思われます。

(2)子会社が実施した配当の相殺を行う理由は以下の通りです。
子会社が親会社に配当金を支払った場合
、個別上では、子会社は利益剰余金 を減額し、親会社は受取配当金を計上します。📝
しかし、企業集団としてP社とS社の関係性をみれば内部取引に過ぎないですね。
このため、連結上では、その取引はなかったものとみなすのです。
よって、子会社が減額した利益剰余金と、親会社が計上した受取配当金を相殺消去するという会計処理が実施されるのです。

支配を獲得した翌々期以降の資本連結🌟

支配を獲得した翌々期以降の連結修正仕訳でも、開始仕訳と当期の連結修正仕訳が必要となります。
ここで、開始仕訳の対象となるのは、支配獲得日から前期までの連結修正仕訳です!
また、この際、前期以前の損益項目の修正は、当期からすれば利益剰余金の修正になるため、利益剰余金で修正を行います。

以下に、簡単な連結会計のタイムテーブルをイメージしてみましょう💖
なお、5年間の定額法でのれんの償却を実施しています。
※数値はあくまで参考です。

$$
\\支配を獲得した翌々期以降の資本連結\\     \\X0年度末\\\begin{matrix}\\借方:金額&貸方:金額\\S社資本:250&S社株式:350\\のれん:100\\       \end{matrix}\\           \\X1年度末\\\begin{matrix}\\<当期の開始仕訳>\\S社資本:250&S社株式:350\\のれん:100&\\    \\<当期の費用>\\のれん償却:20&のれん:20\\       \end{matrix}\\       \\X2年度末\\\begin{matrix}\\<当期の開始仕訳>\\S社資本:250&S社株式:350\\のれん:100&\\利益剰余金:20&のれん:20\\※前期の費用⇒&利益剰余金の修正\\      \\<当期の費用>\\のれん償却:20&のれん:20\\      \end{matrix}
$$

このように、開始仕訳において、前期以前の損益項目は、利益剰余金となる点をポイントとして理解しておきましょう!

本日の解説はここまでとします📝
次回は、部分所有の場合の資本連結について考えて行きます!
かなり難しい内容かと思いますが、演習をやりこんで得点源にできるように頑張りたいと思います!

私が考える会計学を学ぶ意義💖

会計知識は、経理や会計士だけが理解していればいいというわけではありません🔥

なぜならば会計は、経理や監査法人の会計士だけではなく、営業や管理職、経営全般まで、会社に所属している全て人にとって必須の知識であると考えているからです!

ほとんどすべての会社は、営利団体であると思われます!
つまり、ボランティアではなく、利益を追求し、事業活動を行い、会社は成長していくことを本質的な目的にしていることでしょう。

私も株式会社に就職を予定している以上、利益の出る仕組み、お金の流れは確実理解をしておく必要があることを自覚しています。

例えば、営業マンだとしても、売上の目標や予算作成に関わることがあると思います!
そして、その予算の仕組みも、売上の処理も、全て会計が関係しているのです。
また、営業の売上は経理が処理をし、会社の利益がいくらになるかを算出していくことになります!

総じて、会計を知ることで、会社にどれほどのインパクトをもたらしているのかを把握でき、予算の作成においても精緻に行えるようになると言えますね💖
また、数字に強くなり、定量的な分析に基づく思考法やビジネスが行えるようになるでしょう。

そして、会計の知識を洗練していけば将来的に経営者の視点を手に入れることができると思いますので、新規プロジェクトにアサインされたり、昇格のきっかけにもなり得るかもしれません🔥

会計の基礎知識である「財務3表の理解」を中心に理解を深め、財務3表とは何か?
これを見て、何をどう判断するのか?などを考えていきたいですよね
この知識があるのとないとでは、今後の仕事の仕方が大きく変わることに間違いはないでしょう。

これからの時代はグローバルに活躍できる人材というのがより一層求められると思います!
私の投稿でも会計の基礎を身に着けるのであれば、英語も交えて知識をつけると、今後ますます活躍できるフィールドが広がっていくと考えていますので、グローバルスタンダードにも挑戦していくことにしましょう🔥

なお、参考資料は以下の通りです。

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今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます📚

最後までご愛読いただき誠に有難うございました!

あくまで、私の見解や思ったことを
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その点に関しまして、ご了承ください🙏

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