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NOKTON classic 35mm vs. 40mm ①|歪曲収差

先日撮り比べをするために購入したNOKTON classic 35mmと40mmを比較していきます。今回は歪曲収差の比較です。

NOKTON classicを購入したときの記事はこちら。外観の比較などもしています。

前置き

本記事では、NOKTON classicの35mmと40mmを歪曲収差の点で比較していきます。なぜ歪曲収差からなのかというと、単純に結果がわかりやすかったからです。前情報として40mmの方が歪曲が小さいというのは大体知っていたのですが、実際に自分で撮影した上で比較してみました。結論から言うと前情報は正しく、35mmは歪曲大きめなのに対して40mmはかなり小さいという結果でした。

比較条件

ボディはM (Typ 262)を利用しました。NOKTON classic 35mm, 40mmでそれぞれ撮影した結果を見比べる形で比較します。撮影時は三脚を利用してカメラ位置が動かない状態で行いました。

歪曲とはあまり関係ない情報ですが、撮影時のパラメータはF4.0, SS1/8, ISO200です。少し暗かったのとホワイトバランスの設定がいまいちだったので、以下で載せる写真はLightroomで露光量を+0.4しており、ホワイトバランスは色温度2250K、色被り補正-6に設定したものになります。

比較結果

35mm, 40mmでそれぞれ撮影した写真は以下になります。何の面白みもないただの壁で恐縮ですが、梁の出っ張り部分の直線で歪曲がわかりやすかったので採用しました。

先に余談ですが、ホワイトバランスは同じ設定なのに35mmと40mmで若干色味が違っており、35mmの方がやや寒色寄りになっているようです。この辺りは本記事の比較内容ではないので、追々検証できればと思います。

無補正での比較

M (Typ 262), NOKTON classic 35mm F1.4 II SC VM
M (Typ 262), NOKTON classic 40mm F1.4 SC VM

35mmと40mmで画角が異なるせいで直線が見える位置が違うことに加えて、周辺減光も強いせいで比較しにくいかもしれませんが、それでも35mmの方が樽型の歪みが強いことがわかるのではないでしょうか。40mmは光学的に歪曲がよく補正されており、後処理での補正はほとんどの場面で不要なように感じます。35mmの方でも補正が必要な場面はそこまで多くはないとは思いますが。

レンズプロファイルによる補正後の比較

次に、Lightroomにあるレンズプロファイルを適用した場合で比較してみます。なお、35mmについては自分が持っているのはII型になりますが、LightroomにはI型のプロファイルしかないのでそちらを代わりに適用しています。

M (Typ 262), NOKTON classic 35mm F1.4 II SC VM(レンズプロファイルによる補正あり)
M (Typ 262), NOKTON classic 40mm F1.4 SC VM(レンズプロファイルによる補正あり)

無補正の方と並べて比較しないと(特に40mmの方は)違いがわかりにくいかもしれませんが、レンズプロファイルを適用することで歪曲が適切に補正されています。RAW現像する分にはレンズプロファイルを当てれば良いだけなので、どちらでも概ね問題ないと言えるでしょう。

ただ、よく見ると35mmの方は少し過剰に補正されており、若干糸巻き型に歪曲してしまっているようにも見えます。どうもI型からII型にリニューアルされた際に若干歪曲収差も改善していると言う話があるらしく、II型のレンズで撮った写真にI型のレンズプロファイルを適用したせいで過剰に補正されている気がします。35mmのI型とII型の比較記事では歪曲にはほぼ差がないと書かれていますが、僅かに歪曲が小さくなっているようにも見えるので、おそらく正しいのではないかと思います。

手動補正後の比較

最後に、Lightroomを使った手動での歪曲補正を適用した結果を比較してみます。

M (Typ 262), NOKTON classic 35mm F1.4 II SC VM(歪み補正+7)
M (Typ 262), NOKTON classic 40mm F1.4 SC VM(歪み補正+2)

35mmの方では補正の適用量を+7、40mmの方では+2にしたところ概ね補正されているように感じたのでそのように設定しました。補正の適用量の数値からも40mmの方が歪曲収差が小さいことがわかりますね。35mmの方も適切な数値を手動で設定すれば、I型のレンズプロファイルを適用したときのような過剰な補正にはならず、歪曲を気にすることなく利用できそうです。

まとめ

ということで、今回は歪曲収差の点で、NOKTON classic 35mmと40mmを比較しました。35mmの方が歪曲が大きく、この点では40mmの勝利という結果となりました。最初はこの結果に加えてII型のレンズプロファイルがLightroomにないことも相まって35mmはちょっといまいちかもな〜と思ったりもしたのですが、手動で設定した適用量で補正すればほぼ問題なしという結論に行き着いたので、結局RAW現像する分にはどっちでも良いかなと今は思っています。一応撮って出しの使いやすさには多少影響はするので無駄ではないですが、そこまで気にする点でもないかなと。35mm vs. 40mmの行方は他の点で決めていくことになりそう、というところで今回の記事を締めたいと思います。



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