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35mmレンズの旅|40mmへの寄り道編

今年は35mmレンズを迷う旅をしているところですが、別の35mmレンズを検討する上でNOKTON classic 40mmが気になってしまったので購入してみたという話をします。

以前NOKTON classic 35mmを購入した時の記事はこちら。

またNOKTON classic?

もし過去の記事も読んでくださっている方であれば、またNOKTON classic買ったの?と思われるかもしれません。1ヶ月半近く前にNOKTON classic 35mmを購入してから気に入って楽しく使っていました。とはいえ他のVoigtländerの35mmも魅力的なレンズが多いという煩悩を前回の記事で撒き散らしており、最後に以下のようなことを書いていました。

ただNOKTON classicのお気に入り度が非常に高くなってきており、普段の常用レンズはもうこれで良いのではという気分になってくると、35mmよりも40mmの方がさらに常用しやすいのでは? 40mmに買い替えて35mmはULTRON or NOKTON F1.5を買っても良いのでは?? とやや危険な思考が強まっていることが懸念事項ですが、さて…

この思考を実行に移すかは別として、一旦NOKTON classicを常用する場合35mmか40mmのどちらが良いか気になるという気持ちが無駄に膨らんでいました。というのも、NOKTON classic 35mmを非常に気に入ったことから、M (Typ 262)購入時から愛用していたSummarit 35mmを手放すことに決めたため、懐事情的には上の思考を実行する余裕ができてきたわけです。となった時に、まず35mmか40mmかの比較は実行に移したいという気持ちを抑えられず、今に至るということでした。

NOKTON classic 40mmを購入

ということで、今回購入したのはVoigtländer NOKTON classic 40mm F1.4 SC VMになります。これと、先日購入したNOKTON classic 35mm F1.4 II SC VMを両方使いながらどちらが自分に合っているかを検討した上で、最終的には片方を残し、もう片方は手放す予定です。これらのレンズの買取価格はそこまで安くないので、新品購入でも長期間レンタルするよりお得かなと思い購入に至りました。新品なのは中古との価格差が大きくないのと、どうせなら新品で買いたいという派閥の人間だからです。メーカーへの応援にもなりますしね。

今回40mmを購入するにあたってコーティングはSCかMC、どちらにするか迷ったのですが、最終的に40mmを残す場合、40mmはクラシックな描写、35mmは現代的な描写という棲み分けにする想定なので、今回もSCを選択しました。35mmもSCなのでお揃いです。

35mmと並べて記念撮影。
フードは35mmと共通なのが助かります。
35mmとほぼ同じ見た目なので既視感のある組み合わせです。

余談

コシナのレンズではいつものことになってしまっていますが、今回も最初の個体はちょっとした問題があり一度交換してもらいました。写りや使い勝手に影響する部分では無いので気にならない人にとっては気にならないとは思うのですが… 交換品はよく見ればわかる鏡筒の小傷2箇所くらいで許容範囲内だったので安心しました。もうちょっと細かいところまで気にしてくれたらという気持ちもありますが、描写や距離計連動も含めた使い勝手の優れたレンズをこの価格帯で提供してくれていることを考えると贅沢は言えないのかなとも最近は思っています。

気になる人は気になるかもしれない3箇所。

35mm vs 40mm|仕様編

NOKTON classic 35mmと40mmの細かい描写の違いや画角の違いによる使用感などは追々比較してまた記事にまとめていくつもりですが、ひとまず今回はパッとわかる仕様と外観から比較してみます。

35mmと40mmは基本同じ仕様ですが、違う要素だけ抜き出すと以下になります。まあこれらもほぼ同じですね。

最大径×全長
35mm: φ55.0×28.5mm
40mm: φ55.0×29.7mm

重量
35mm: 189g
40mm: 175g

レンズ構成
35mm: 6群8枚
40mm: 6群7枚

35mmの方が僅かに全長が短く、40mmの方が僅かに軽いという感じですね。レンズ構成は35mmが8枚なのに対して40mmは7枚です。40mmの重量の軽さはレンズが1枚少ないところから来ているのでしょう。

レンズ構成的には35mmの方はズミクロン八枚玉(初期のSummicron 35mm)、40mmの方は球面ズミルックス(Summilux 35mm 1st/2nd)のレンズ構成とほぼ同じだそうです。焦点距離が同じNOKTON classic 35mmとSummilux 35mmがよく比較されますが、レンズ構成的には40mmの方が似ているようですね。実際の描写面についてまではわかりませんが。

35mm vs 40mm|外観編

続いて、35mmと40mmの外観の比較です。

仕様通り僅かに40mmの方が長いです。
突然主張してくる40mmの"Lens made in Japan"。
前玉は40mmの方が大きくみるのが気持ちいいです。

パッと見では同じに見えますが、実際に並べて眺めてみると細かい点でいくつか違いがあることがわかります。

絞りリングの形状
35mmはII型なので絞りリングの形状が変わっており、球面ズミルックスを真似た40mmとは異なります。最近のVMレンズでよく採用されている形状ですね。個人的にはこの部分的に出っ張っている絞りリングの見た目はあまり好きではないので、この点は40mmに軍配が上がります。

前玉の大きさ
40mmの方が大きいですね。前玉が大きい方が眺める時にテンションが上がるので、この点については明確に40mmの勝ちでしょう。

"Lens made in Japan"の記載位置
上の写真では見えませんが35mmの方は被写界深度指標がある部分の背面側に記載されているのに対して、40mmでは距離指標がある部分の背面側にあります。距離指標はピントリングを回すと動くので、最短側に回し切るとレンズ前面に"Lens made in Japan"がひょっこり顔を出してきます。個人的には余計な主張に思えるので、この点は35mmの方が好きです。

レンズ先端シルバー部分の厚み
比較すると35mmは薄く、40mmは厚いです。これは薄い35mmの方が良いなと思っていたのですが、フードを付けた状態だとどうせシルバーが見えるなら40mmの方くらいあっても良いのかも、と思ったり… まあ難しいところですが気分によって変わりそうなので、ここは五分五分でしょうか。また、さらに細かいことを言うと距離指標上の段差部分も40mmの方が長いですが、これについては短い35mmの方が目立たないので僅かに良いかなと思います。個人的には無駄な段差は無い方が絶対的に好きなので、五十歩百歩ではありますが。

焦点距離の表記の有無
35mmは"35"という数字が表記されていますが、40mmはありません。まあこれはどちらでも良いですが、強いて言えばあった方が好みかも? しかしなぜ40mmだけないのでしょうね。

以上5点が主な違いになると思います。個人的には最初の2点が重要な差だと感じているので、外観を総合すると40mmの勝利です。とはいえ差は小さいので、この点が最終的な選択に影響することはほぼないでしょうが…

また、外観とは少し変わりますが、絞りリングの操作感は40mmの方がクリック感がやや強めでスムーズに動いてくれるので35mmよりも好きでした。35mmの方はもう少し静かに動く感じなんですよね。後はヘリコイドの重さも比較すると40mmの方が少し軽めでこれも自分の好みに合っています。そう言う意味で操作感を含めても40mmが今のところ優位に感じています。

おわりに

今回は、NOKTON classic 40mmを購入してみたという話でした。これから少しずつ35mmと40mmの両方を使っていき、描写面での違いや画角の違いによる使い勝手などいくつかの点で比較記事を書くつもりなので、ご興味があればそちらも見ていただけると嬉しいです。



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