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NOKTON vs SUMMILUX ①

Nokton 50mm F1.5 II VM MCとSummilux 50mm F1.4 2ndを比較してみようという記事の第1弾です。

Noktonは昨年6月〜12月の半年間愛用しており気に入っていたレンズでしたが、昨年12月にSummiluxを購入する際に手放してしまいました。ただ両方所有していた期間もあり、自宅内にはなってしまいますが比較できるように撮り比べをしていたので、その結果をまとめておこうと思い本記事を執筆しています。昨年12月から既にだいぶ時間が経ってしまいましたが…


撮り比べの設定

本記事の撮り比べでは上の写真のように、椅子の上にミニチュアのバイクを置き、LED照明を当てている状態で、三脚にカメラを設置して撮影しました。ピントはヘッドライトの部分に合わせています。使用カメラはLeica M (Typ 262)です。ISO感度は200に固定して、絞り値を開放、F2.0、F4.0、F8.0と変化させながらそれぞれ撮影しました。同時にシャッタースピードは1/60、1/30、1/8、1/2と設定して露出が同じになるようにしています。ホワイトバランスは3,850K、Tint +1に固定されています。

撮り比べ結果

では早速撮り比べの結果を絞り開放から順に載せていきます。写真は言及がない限りRAWをLightroom Classic CCでデフォルト設定で書き出したものになります。なお、絞り開放ではNoktonはF1.5、SummiluxはF1.4とわずかですが違う設定となります。

絞り開放

Nokton 50mm F1.5 II VM MC, F1.5, 1/60, ISO200
Summilux 50mm F1.4 2nd, F1.4, 1/60, ISO200

まず目に付く違いとしては、周辺減光、色かぶり、画角の3つではないでしょうか。Noktonの周辺減光の大きさが一番ぱっと見でわかりやすいところだと思います。また、SummiluxはNoktonに比べると緑かぶりがありますね。あとは2枚を切り替えながら見比べるとわかりやすいのですが、同じ50mmでもNoktonの方が画角が広くて、Summiluxを50mmとするとNoktonは45mmに近いくらいの印象です。あとは歪みがNoktonは糸巻き型でSummiluxは樽型なので、切り替えながら見比べるとSummiluxがかなり樽型に歪んでいるように見えます。Summilux単体で見るとそこまで大きな歪みではないですけども。

他の細かい描写の違いについてはどうでしょう?正直自分ではほとんどわかりません… とはいえ、ぱっと見だと色かぶりの違いの印象が強くてわかりにくいので、そこを補正するためにSummiluxをTint +1からTint +8に変更して書き出したものでもう一度比較してみます。また、ついでにNoktonはF1.5ということもあり微妙に暗くなっているのでExposureを+0.18して大体揃えておきました。

Nokton 50mm F1.5 II VM MC, F1.5, 1/60, ISO200 (Exposure +0.18)
Summilux 50mm F1.4 2nd, F1.4, 1/60, ISO200 (Tint +7)

どうでしょう?まだ周辺減光の違いが目立っていますが、中央のバイクに注目してみたときに違いがわかりますでしょうか?自分にはわかりません… 一応中央をクロップして拡大した状態でもみてみます。

Nokton 50mm F1.5 II VM MC, F1.5, 1/60, ISO200 (Exposure +0.18, Crop)
Summilux 50mm F1.4 2nd, F1.4, 1/60, ISO200 (Tint +7, Crop)

拡大した状態で何度も切り替えながら確認すると少しは違いが見えてきました。note上の画質で見えるかわかりませんが、わずかにNoktonの方がシャープに写っていて、Summiluxの方は少しだけ滲んだような雰囲気の甘さがあります。あとはボケ量がF1.4な分Summiluxの方がわずかに大きいとかでしょうか。どちらも絞り開放から非常に良く写っていると思います。

F2.0

続いてF2.0に絞った時の比較です。ここからはSummiluxはTintを補正したものだけを載せていきます。まずはクロップなしで全体から。

Nokton 50mm F1.5 II VM MC, F2.0, 1/30, ISO200
Summilux 50mm F1.4 2nd, F2.0, 1/30, ISO200 (Tint +7)

F2.0でもNoktonの方が周辺減光が大きいのは変わらずですね。(他に言うことがない。)

次に中央のクロップです。

Nokton 50mm F1.5 II VM MC, F2.0, 1/30, ISO200 (Crop)
Summilux 50mm F1.4 2nd, F2.0, 1/30, ISO200 (Tint +7, Crop)

絞り開放以上に違いがわかりません… SummiluxもF2.0に絞ったことで甘さがだいぶ消えていて、Noktonのシャープさに引けを取りません。若干ですがNoktonはフォーカスシフトの影響で後ろにピントがずれてきており、ヘッドライト部分に注目してみるとSummiluxの方がむしろシャープになっています。Summiluxの方がフォーカスシフトは少なそうですね。

F4.0

次はさらに2段絞ってF4.0です。

Nokton 50mm F1.5 II VM MC, F4.0, 1/8, ISO200
Summilux 50mm F1.4 2nd, F4.0, 1/8, ISO200 (Tint +7)

Noktonの周辺減光がだいぶ気にならなくなってきましたが、それでもSummiluxよりは落ちています。

Nokton 50mm F1.5 II VM MC, F4.0, 1/8, ISO200 (Crop)
Summilux 50mm F1.4 2nd, F4.0, 1/8, ISO200 (Tint +7, Crop)

ここでもフォーカスシフトの影響か、ヘッドライト部分を見比べるとNoktonがわずかに甘いです。それ以外の違いはまったくわかりません…

F8.0でも撮影しましたが、特別言うこともなさそうな結果なので、比較は以上にしておきます。

結論

今回の撮り比べ結果からわかったことをまとめると以下のような感じでしょうか。

  • 絞り開放ではNoktonの方がややシャープ

  • 周辺減光はNoktonの方が大きい

  • 画角はNoktonの方が広い

  • 色味はNoktonはマゼンタ寄りでSummiluxはグリーン寄り

  • フォーカスシフトはNoktonの方が大きそう

  • その他は大差なくどちらも良いレンズ

こうやってみると無理にSummiluxを買う必要はないですね笑 自分が買った理由は見た目と触り心地と"Summilux"というところなので後悔はないですが。なお、あくまで今回の撮り比べの条件ではこの結論という話であり、全ての状況に当てはまるわけではないということにはご注意ください。

どちらも1/3以下の値段で素晴らしい写りをするNoktonを褒めるべきか、50年以上前のレンズなのに現行レンズと同等の写りをするSummiluxを褒めるべきか、今回はどちらも素晴らしいと褒めて締めようと思います。

もう1~2回分撮り比べ記事を書いていこうと思っているのでご興味がありましたらまたそちらも読んでいただけますと幸いです。


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