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NOKTON classic 35mm vs. 40mm ④|フォーカスシフト

NOKTON classic 35mmと40mmを比較していきます。今回はフォーカスシフトについてです。

これまでのNOKTON classicに関する記事はこちら。

前置き

NOKTON classicは絞り値の変化によるフォーカスの移動、いわゆるフォーカスシフトが大きいと言われています。35mmについては、II型にリニューアルされた際にある程度改善されたようですが、今回は35mmと40mmそれぞれで実際にどの程度フォーカスシフトがあるかを確認していきます。

撮影条件

今回もカメラはM (Typ 262)を用います。カメラを三脚に固定し、35mm、40mmそれぞれで絞りをF1.4, F2.0, F2.8, F4.0, F5.6, F8.0と1段ずつ変化させながら各6枚の写真を撮影しました。これらの写真をクロップして拡大し、フォーカスの移動を確認します。

撮影対象にはメジャーを用いました。床に置いてメジャーを伸ばし、カメラを大体45度の角度で設置しています。フォーカスはメジャーの40cmの箇所に合わせました(センサーからの直線距離は約1m)。

なお、撮影時は露光量が一定になるように絞り値に合わせてシャッタースピードも同時に1段ずつ変化させています。感度はISO200です。

結果

では早速結果を見ていきます。中央をクロップした画像をF1.4から順に並べていきます。

35mm

35mm, F1.4
35mm, F2.0
35mm, F2.8
35mm, F4.0
35mm, F5.6
35mm, F8.0

まずはフォーカスシフトが改善されているというII型の35mmから見ていきます。

F2.0の時点でわずかに後ろにずれていますが、"40"は被写界深度内に入っているように見えます。約1mの距離でこの程度なので、F2.0ではそこまでフォーカスシフトを気にする必要はなさそうです。

F2.8まで絞ってしまうとさらに後ろにずれ、"40"が被写界深度から僅かに外れています。これだとF2.0の方が解像しているように見えますね。F4.0も同様に後ピンです。F2.8~F4.0での撮影、特に最短撮影距離付近では、対象よりやや手前にピントを合わせるように意識した方が良さそうです。

F5.6まで来ると被写界深度が深くなった分、再び"40"にもピントが合っているように見えます。絞って描写が改善している分F2.0よりも解像していますね。F8.0だとさらにシャープになっています。これを考えると、基本はF1.4~F2.0を使いつつ、絞る時にはF5.6以降まで絞るという運用にするのも良さそうです。

40mm

40mm, F1.4
40mm, F2.0
40mm, F2.8
40mm, F4.0
40mm, F5.6
40mm, F8.0

続いて40mmです。

35mmと同様、F2.0では"40"はまだ被写界深度に入っておりF1.4よりも解像して見えます。ただ、35mm以上にフォーカスが後ろにずれており、既に手前の"2"辺りはボケ始めているように見えます。

F2.8, F4.0は酷いもので、完全に後ピンです。F5.6まで来てもまだ少し後ピンで、F2.0の方が解像しているように見えます。F8.0まで絞るとようやく"40"が再び被写界深度内に入りF2.0よりもシャープに写っているようですが、それでも35mmと比べると若干甘く後ピン気味な印象があります。

このことを考えると、F2.8以降で近距離にフォーカスする際にはフォーカスシフトを考慮して前にピントをずらすように意識して撮影した方が良さそうです。F2.0でも気持ち前ピン気味に撮る方が安定しそうですね。このフォーカスシフトの問題が現状感じているNOKTON classic 40mm最大の難点かなと思います。

まとめ

ということで、今回はフォーカスシフトの検証でした。35mmはまだマシですが、40mmの方ではフォーカスシフトをちゃんと頭に入れて撮影するようにした方が良さそうです。慣れである程度は対応できると思いますが、使い勝手への影響は大きいので、この点については35mmの完全な勝利と言えるでしょう。40mmのフォーカスシフトに慣れられるかどうかが35mm vs. 40mmの大事なポイントになりそうです。



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