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久しぶりの50mm|HELIAR classicを購入

HELIAR classic 50mm F1.5 VMを購入した話です。


50mmレンズ欲が再燃

M型ライカで使用する50mmレンズとしては2年半ほど前に第2世代のSummiluxを購入して以来愛用していました。

使えば使うほどこのレンズの描写が好きになっていき、今のところベストな50mmレンズだと感じています。柔らかさとシャープさの匙加減が一番好みに合っている気がするんですよね。レンズの外観についてもたまにシルバー鏡筒(いわゆる貴婦人)の方がかっこいいかもと思うこともあるのですが、個人的にはブラックのスリムかつシンプルなデザインの方が好きだなという結論に至っています。

すっきりシンプルで好きなデザイン。

そこまで気に入っているなら使い続ければ良いじゃんという話なのですが、気になる点が全くないわけではないのです。まず1つは最短撮影距離です。Summilux 50mmは第2世代までは最短撮影距離が1mなので寄った撮影が難しいんですよね。基本的には最短1mでもほとんど問題ないのですが、テーブルフォトなど一部のシーンでたま〜に困るので寄れるに越したことはないなと思います。寄って撮るとパースがキツくなるので1mくらいの制約がちょうど良いこともあるのですが。

2つ目の気になる点はフォーカスリングの回転角の大きさです。このレンズ、無限遠から最短の1mまでピントを動かそうとすると180°近く回転させる必要があります。なのでサッとピント合わせしたいときには必要な回転量が多く少し大変なんですよね。正確にピントを合わせたいときにはやりやすいのでこれも一長一短ではありますが、もう少しが小さくても良いかなと思っています。

最後に、これが一番大きい理由ではありますが、値段です。買っておいてなんですが、高いんですよね… ライカの大口径レンズの中ではこの第2世代のSummiluxは安い方ですが、それでも個人的な感覚では高価です。特に値段を気にして使用頻度が落ちることはなく、すでに買ってしまったのだから良いじゃん、売るときにも高く売れるのだから良いじゃんとも思うのですが、落としたり盗まれたりと何かトラブルがあった時のダメージは大きいわけです。Summiluxは大好きなレンズですが、安くて気に入るレンズが見つかるならそれに越したことはないかもと思うようになりました。

ということで、比較的お安い値段で寄れて使い勝手の良い50mmがあったらちょっと試したいなという気持ちが少しずつ出てきており今回の購入につながりました。

50mmレンズの購入候補

50mmレンズの購入候補としては主に以下がありました。

ただ手持ちのレンズがF2.0F4.0とやや暗めなこともあり、50mmはできればそれよりも明るいレンズにしたいと思い下の2つは今回の選択肢から外しました。加えてLIGHT LENS LABのSPIIは以前店で試写した際に鏡筒がやや華奢に感じたので不安、またEurekaの方はそもそもまだ日本で買えない、という理由もあります。

HELIAR classicかC Sonnarかという選択はかなり迷いました。C Sonnarは昔から定評のあるレンズという印象ですし店で軽く試した際にも好印象でした。最終的にHELIAR classicを選んだのは、HELIARの方がより個性的なクラシック描写のレンズであり一度試してみたかったことと、C Sonnarの最短撮影距離0.9mに対してHELIARは0.5mまで寄れることが理由です。以前はどちらかと言えば現代的な描写のレンズが好みでしたが、Summiluxの絞り開放でハイライトが少し滲んだ描写にやられてきていたこともあり、オールドレンズ的な描写でありながら寄れる便利さもあるHELIAR classicを選んだというわけです。

あと、その他の選択肢としてF1.0/F1.2のNOKTONも考えましたが大きさ重さに耐える自信がなかったのでパスです。ライカ純正ももちろん値段が理由でパスです。ライカ純正なら今のSummilux 2ndで良いわけで。ただSummarit 50mm F1.5は比較的安いこともあり少し迷いましたが、癖がHELIAR classicよりさらに強そうなのと最短撮影距離が1mなので今回の目的にはマッチしませんでした。

HELIAR classic 50mmを購入

ということでHELIAR classic 50mm F1.5を購入したので早速開封しました。今回でVoigtländerのレンズは6本目です。いつもは新品でもチリの混入など何かしら気になる点が多いのですが、今回はチリ一つなく綺麗な状態でテンションが上がりました。小傷や塗装の問題もなく完璧です。毎回こうだと良いのですが…

開封の儀として外箱、フード、キャップと一緒に1枚撮影。
コシナの新品レンズとしては珍しくチリ一つ入っておらず
とても綺麗でテンションが上がります。
M (Typ 262)に装着。ブラックペイントのレンズですが
ボディとの差はそこまで気にならず。

ブラックペイントということでボディとの質感の違いが気になるかとも思いましたが特に違和感はなく良い感じです。見た目についてはそこまで好きなわけではないと思っていましたが、実物が手元に来てみると意外と悪くないです。やや太めなので存在感はありますが、M (Typ 262)も旧世代の分厚いボディなのでちょうど良いようにも感じます。


手持ちのVMレンズと合わせて撮影。
ちょうど大きさが分かれており3兄弟感があります。

手持ちのVMマウントレンズ3本を並べてみるとこんな感じです。こうしてみると
ULTRONのデザインともマッチしていますね。その点でも気に入りました。こうなると21mmもVintage LineのF3.5にして統一したい気持ちが出てきます。F4 Pのコンパクトさも気に入っているので悩ましいところではありますが…

なお、今回HELIAR classicを購入するためにNOKTON classic 40mmとはお別れすることにしました。とても良いレンズだったので迷いましたが一旦手放してやっぱり必要だと思ったらまた買えば良いかなという判断です。NOKTON classic 40mmは画角も描写のクラシックさもULTRON 35mmとHELIAR classic 50mmのちょうど中間という印象なのでそれが必要かどうかですね。


Summiluxと並んでの1枚。
果たしてSummiluxレベルに気に入ることができるかどうか。

Summiluxと並べてみました。フードの分Summiluxが大きく見えますがサイズ感は結構近く、重さも同じくらいです。見た目についてはどちらかと言えばやはりSummiluxの方が好きですが、HELIAR classicも悪くはありません。描写についてどう感じるかはこれから使い込んで検証していきたいと思います。


フィルター・フード装着時の見た目がやや気に入らず…

現状少し不満に思っているのがフィルターとフードを両方つけた時の見た目です。付属フードはねじ込み式なので間に挟まる保護フィルターが邪魔に見えてしまいます。マスキングテープでフィルターの余計な装飾をカバーすれば多少マシにはなりますが、それでも少し気に入りません。COLOR-SKOPAR 21mm F4 Pのように外側からねじ込むフードであればフィルターは中に隠れるのでそうしてくれれば良かったのですが… これについては別の似合うフードがないか色々試してみたいと思っています。

試写

ただただ試写しただけの写真で恐縮ですが何枚か載せてみます。多少のクロップと露光調整くらいでほぼ撮って出しです。

絞り開放での1枚。
おそらくF2に絞っての撮影。
多分F2.8~F4.0くらい…
再び絞り開放で。

おわりに

今回はHELIAR classic 50mmを購入してみたという話でした。まだ軽く試し撮りしただけではありますが、とても良い描写で楽しく使っていけそうだと感じています。今回は載せていませんが絞り開放では特に遠景でふわっふわだったり暴れ回ったりすることもあります。ただ一絞りするだけである程度落ち着いてくれそうなので絞りによる変化を楽しめそうです。フォーカスシフトはかなりありそう(コシナさんによると一概には言えないけどC Sonnarよりは気持ち小さいらしい)なので、その辺りでどのくらいストレスを感じるかが不安ではありますが、慣れられるように使い込んでいきたいと思います。Summiluxとの比較は今後の記事で色々とまとめていきたいと思っているので興味のある方は気長にお待ちいただければと思います。Summiluxはなくても良いやと思わせてくれる片鱗は感じるので本当に心からそう思えると良いなあ…



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