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どんな学生が欲しい!?

マッチングに採用基準はあるのか


とてもよく聞かれます。
学生側のマーケティング戦略としては、ど直球の質問ですよね。

しかし世の中そんなに甘くないです。

マッチング登録に至るまで、病院としては1位登録してもらい
人気病院となることでブランディングを維持したいと考えていますので

目の前の学生の様子・雰囲気を見て
「君のような人に来てもらいたい」とか「君は合格だから大丈夫」とか
囁くかもしれません!

ここは腹の探り合いのようになるかもしれませんし、誰にそれを聞くかにもよるかと思います。



当院について言えば、明確な採用基準などは設けていません。

採用基準を作ってしまうと、結果的に出来上がった研修医組織が偏ったものになってしまう可能性があります。

例えば「ガッツがある子が欲しい」という基準があったとします。
体育会系、メジャー外科系志望、、、

そんな集団ができあがったら、そこに紛れ込んだ草食系のminorityが厳しい状況に追い込まれますよね?

またその集団内で競い合うのは良いことだけど、奪い合うことは誰も求めていません。

1病院内で抱える患者数というのは決められたパイな訳で、そう簡単に増減しません。誰かが占有すればそれは奪い合いの始まりかもしれないのです!

ですので、どんな組織でもよく言われるのですが、Sustainabilityを持たせるには男女比率をはじめ、多様性の確保は重要だと考えられます。


マイナー外科系志望です、に注意

ホワイト(ハイポ寄り)病院を志望する場合でも「マイナー外科系志望です」という言葉についてはあまり言わない方が良いかもしれません。

具体的な将来像ビジョンがない一方で、面倒なことは避けたい、ラクをしたい、給料はたくさん欲しい、など、「ゆるふわ」な印象を内包しているからです。

働きたくないが給料はたくさん欲しい、でも何もスキル経験はない。
この矛盾を許容する世界線に行ってしまったら戻れないです。takerというやつですね。病院組織に何もgiveしない存在になってしまいます。

別noteにも書きましたが、学生から社会人になるということは、
「金(学費)を払って価値を受け取る」から
「価値を提供して金(給料)を受け取る」への一大転換
を意味します。

多くの学生が親に学費を払ってもらっている日本では、
意図せずして究極のtaker脳の学生が出来上がっていますので注意が必要です。

上記ゆるふわ研修は制度上の歪みで過度に保護された初期研修医という身分では十分可能なことですが、医師3年目以降になると別世界かと思うくらい厳しい環境になります。

例えば何かスキルを得たいと主張してもそれが叶わなくなります。
対価として何か病院や組織にgiveできるものを持たねばなりません。

「高い給料もスキルも両方ください」
これ、実現できなくなります。

ともあれ、ゆるふわ研修というのは、多くの症例から臨床医学を広く学ぶ、とりあえず何でも診られる医師としての基本的診療能力を育てる、という臨床研修の主旨と反することになってしまいます。

指導医側からすると、やはり前向きに学びたい人に優先的にリソースを割きたいというのが本音です。

「マイナー外科系志望です!(なんとなく)」ではなく、「〜〜科志望で専門医取得後はこのようなことをしたいと考えています!(わからんけど)」くらい言えなければ要注意かもしれません。


マイナー外科系の勤務医 ⇄ 研修指導医

また、マイナー外科系の病院勤務医は一般的に組織貢献度が低い傾向にあるため、研修医採用担当医としてはあまり良い印象を持ちません。

専門性が高いがために技術者でありたいと考える先生が多く、患者の生活背景にまで踏み込むような全人的医療だとか病院組織全体を良くしようとか、ヒトや組織・社会に関わろうとするタイプではないからです。いわゆる窓際族に近い状態の人も多いです。

逆に、専門技術も高く、人との関わりや組織構築にも長けているような人格者な先生は独立し開業していることが多い気がします。。

したがってマイナー外科系の病院勤務医はGeneralistと対極にいる存在(Specialist)のため、研修医教育に積極的に携わり採用試験にも関わる先生(Generalistが多い)とは相性があまり良くありません。


志望科がはっきりしていなければ未定と言いましょう

下手に特定の診療科を挙げるのはあまり得策ではありません。

それよりも5年後、10年後のビジョン。
それを語ってみてください。

まずは自己実現、(専門医取得だとか学位だとか留学だとか)
次に、それをもって何をするか(社会貢献)、です。

採用担当者からしたら「おっ」と思いますし、かなりの印象づけになります。(詳細は面接対策の記事に書きます)

面接対策的には、長期的ビジョンはスケールが大きいほど良いですが
その分突っ込まれた時の準備が必要です。
(例:世界から糖尿病を根絶したいです!
            →ふぅん、どうやって?  みたいなw)


病院が敬遠する学生

あまり公にできないものですので有料にさせていただきました。
実際の人気病院が足切り的に扱っている項目です。

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